自然・環境

2021年5月27日 (木)

梅雨入るのは早すぎる!!!

現在、2021年の5月。5月と言えば五月晴れと言われるほど、1年の中で最も季節が良い時期だ。移動性の乾いた高気圧覆われて、気温20度そこそこで乾いた晴天が続く。これは常春の気候で知られているアメリカ西海岸、カルフォニアの気候と同じだ。この短い五月晴れの週末、新緑を愛でるためにドライブ、キャンプ、BBQ、山登りに出かけるのが最も楽しい時期である。しかし、今年は新型コロナウイルスのせいで、2年連続のお出かけなしのGWとなり、GWが明けたら早々に梅雨に入ってしまった。この例年より3週間も早い梅雨入りのおかげで自動的にステイホームとなり、コロナも下火になるかもしれない。
こういう異常な年は滅多にないのだが、過去を振り返ると今後が予測できる。5月中旬に梅雨に入ってしまった年は、場所によって異なるが、概ね1976年、1991年、1993年が該当する。1976年と1993年は期間中ずっと雨が断続的に続く。特に1993年はひどくて、8月も雨ばかりでほとんど夏が来なかったに等しい年だった。いわゆる冷夏で史上最悪の米の不作年となり、タイ米が緊急輸入されたりして大騒ぎになった年である。1991年は早く梅雨に入って、例年通りに明けて夏空になった。そうすると、過去の3例から、早く梅雨に入ったから明けるのも早いという結果は期待できそうにない。7月20日ぐらいまで、この梅雨が続くと覚悟した方が良いだろう。
1年12ヶ月のうち2ヶ月も雨がシトシト降るなら、少なくとも水不足はないだろうし、電力需要も8月だけ逼迫する程度だ。当然だが、ビールや発泡酒の売れ行きは絶不調である。梅雨が長かった年の事例をみると、農作物は間違いなく大打撃を受けている。キュウリやトマトやナスは日照がないと育たない野菜なので、かなり高騰するだろう。お米は品種改良されて、冷夏でも不作にならない品種に切り替わっているので米騒動にはならないだろう。

2021年1月 2日 (土)

予想とおり寒いが偏西風に感謝

20202021

2020-2021の冬は、長期予報で寒いとなっていた。いつものように、アメダス玖珠の数字を整理してみたが、12月に入ってかなり寒い状況で推移している。これは、近年では極寒だった2017-2018の冬に匹敵する寒さである。ラニーニャが発生中で、これは2017-2018の冬と同じ状況であるが、今年はシベリア寒気団の勢力が強く、とにかくキンキンに冷えて、範囲も広大だ。こうなると、気圧配置がどうのこうのという以前に、シベリア周辺からしみ出すように冷気が押し寄せて冷やしてしまうのだ。年末にも寒波に見舞われたが、現在さらにすさまじいシベリア寒気団が日本に向けてバイカル湖付近から南下中で、1月7~8日にかけて最接近する。この寒気団の中心は、上空5千mで-51度ととんでもない極寒で、これが日本を直撃したら想像を絶する豪雪と気温低下にみまわれる。しかし、幸いなことに、この寒気団は朝鮮半島の北部まで南下してくるが、その後は90度進路を東に変えて、東北北部から北海道をかすめて日本列島から遠ざかる予報になっている。すなわち、ギリギリでかすって行くので災害規模の影響はなさそうだ。
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2017ー2018の冬で1月13日の上空5千mの風の分布を左に、2020-2021の冬の12月31日の同じ風の分布を並べてみた。左は日本に大雪をもたらすほど極寒となったのだが、この時は偏西風が南西諸島から太平洋岸を蛇行していた。今年は日本上空をまっすぐ吹いているので、接近した寒気が東へジャンジャン吹き飛ばされている。もしこの偏西風が太平洋岸よりもう少し南を通っているなら、今年は全国的に大雪になっていたことだろう。正に寸止めである。
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今回のシベリア寒気団が抜けて、その間も偏西風が蛇行せず日本上空をまっすぐ吹いてくれるなら、1月中旬から下旬は少し寒さが平年並みで落ち着くかもしれない。日本は地球上最強のシベリア寒気団の攻撃を毎年受けるが、周辺を海に囲まれていることと、偏西風がバンバン吹いていることで、この影響が和らいでいるのだ。正に海と偏西風に感謝である。

2020年7月26日 (日)

豪雨の2020年梅雨を数字で確認

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毎年のことではあるが、梅雨は大雨に見舞われる。必ずどこかで水害が発生する。直近では2018年の西日本豪雨が記憶に新しい。あちこちでゲリラ的に線状降雨帯が出現し、14府県で死者224人となった。特に広島県、岡山県、愛媛県など中四国地方で被害が大きく、岡山県倉敷市真備町地区では大規模な水没映像が全国に衝撃を与えた。今年も九州を中心に豪雨が続いており、熊本県南部を中心に78名の死者と6名の行方不明者が発生している(7月22日現在)。

そこで、どの程度降雨がみられたのか、6月と7月の数字を確認してみる。調べたのは全国11都市である。県庁所在地が8都市、それと九州の3地方都市とした。降水量は7月22日現在の数字である。

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これをみると、仙台市はほぼ平年並みの降雨量となっている。基本的に梅雨のない東北地方は関係なかったということだ。東京と大阪をみると、東京は平年比136%、大阪は145%となっていて、ほぼ平年の1.5倍の降水量となっている。かなり多いと言えよう。豪雨に見舞われている九州を見ると、福岡市が平年比161%、熊本市が142%、鹿児島市が171%となっている。福岡市と鹿児島市は確かに東京や大阪より多いが、豪雨被害が大きかった熊本県の県庁所在地である熊本市が大阪と同じ程度の増加率だというのは意外だった。何より、今回豪雨被害が集中した人吉市を見ると、平年比160%ということで、福岡市や鹿児島市とそう変わらない(元々降水量が多いお土地柄)。むしろ、広島市の方が平年比191%と、人吉よりも降水量が増えて年となっているのだ。ちなみに県庁所在地以外としては、大牟田市が平年比220%、鹿屋市に至っては244%と倍以上降っていて、まさに記録的、驚愕の数字である。

この平年比の数字を見てみると、総降水量も当然重要なのだが、降り方も重要であることが分かる。人吉市の場合は、巨大な線状降水帯が何時間も横たわり、一度にドーンと雨が降り注ぎ、しかも大河川である球磨川が氾濫したことが被害を大きくしたと言える。線状降水帯というのが水害の元凶だということが近年特定されつつある。おそらく過去に発生した水害も同様だった可能性が高い。

今年の梅雨が大雨になった最大の理由は、「梅雨前線がずっと停滞してしかも活発だった」という一言に尽きる。梅雨前線が日本の上空に停滞するから梅雨なのだが、例年だと多少上下したり、時々弱まって雨雲が薄くなったりするのだが、今年はべったり西日本上空に張り付いて動かない。しかも、弱い太平洋高気圧の縁を回り込む南西風、インド洋から中国中南部を抜けてくる湿った西風、それと朝鮮半島に居座って弱く流れ込む北東風が湿舌を産み出し、線状降水帯を何度も形成して雨を降らせ続けたのである。加えて、東シナ海の海水温が高かったことも、降水量を多くした原因として考えられるという。いずれにしても、こんな年はそう滅多にないので諦めるしかないが、防災対策はこういう年が毎年続くという前提で組まないと、水害は減らないだろう。

2020年7月11日 (土)

ビニール袋の有料化は駄策である

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7月1日から全国の小売店で、プラスチック製のレジ袋を有料にすることが義務づけられた。環境省などは、生活に身近なレジ袋をきっかけに、プラスチックごみの削減につなげたい考えのようだ。環境省の試算によれば、国内で1年間に出るプラスチックごみのうちレジ袋は2%から3%ほどとみられているらしい。小泉大臣も記者会見で、「レジ袋が、ごみの多くを占めているわけではないものの生活に身近なレジ袋の有料化をきっかけに、使い捨てプラスチックへの意識を高め、ごみの削減につなげたい」とアピールしていた。

使い捨てプラスチックの主流ではないレジ袋をターゲットに規制をかけるというのは、いわゆるスケープゴード行政である。これをやったからと言って、しょせんレジ袋は全体の2%から3%ほどの消費量なので、使い捨てプラスチックが減少する量は微々たるものだ。レジ袋が有料になったからと言って、他の使い捨てプラスチックの消費を避けようと思う人はほとんど居ないだろう。正直レジ袋をゴミ袋として有効利用していた慶にとっては大打撃の政策である。しかし、慶も 「使い捨てプラスチックを減らした方が良い」という総論には賛同するから、粛々と金を払ってレジ袋を買い続けるしかない。
全国的にはそう混乱はないだろ。一部のスーパーなどでは、先んじて有料化して金をとっていたところがある。そのことが、店の売り上げに影響したという話も聞いたことがない。また水分を含んだゴミをスーパーの袋に包んでいた人は、昔ながらに新聞紙に包んだり、あるいは水分を含んだゴミを脱水させる機能を持ったゴミ処理機を購入したりと、生活の質が変わることも想像される。そう、便利なレジ袋から、やや不便な昭和の生活に戻るのである。
しかし、肝心の本丸の使い捨てプラスチックが減る要素があるのだろうか。身近なところでは包装品や食品を包む器材、洗濯関連の用品が使い捨てプラスチックの本丸だ。毎日食べる米やパンの包装品はどれも使い捨てプラスチック。豆腐や納豆もカマボコも卵もチーズも同様だ。野菜だって透明フィルムに包まれているし、肉はトレーに入っている。食品包装器材でプラスチックが使われていないのは牛乳パックぐらいなものだ。食品をつつむ器材は、トレー以外は再利用されることがない、使い捨てプラスチックの代表格である。しかも、菌の繁殖や食品の食味を安定的に保存し、重量を増さないためにはプラスチック器材が最も優れており、これが代替される予定もないだろう。洗濯用品となれば、プラスチックから紙やガラスへの代替はほぼ絶望的だ。唯一期待されるのは、弁当の容器がプラスチックから紙製へ移行することだ。あれほど海や川に浮かんでいるプラスチックゴミはないので、早く紙製に移行してもらいたい。
最も便利で、使い捨てプラスチックの中で主流でないレジ袋を規制したというのは、手をつけやすいところから規制したというだけのことで、駄策と言ってしまえばそれまでだ。まだペットボトルのように確実にリサイクルされることが分かっているなら金を払っても協力する意義が見いだせるが、このレジ袋有料化は誰もが損して環境へのメリットも少ない駄策である。

2020年5月 7日 (木)

新緑の季節になると聞こえる動物の鳴き声

季節は早くも春。それも新緑の季節だ。山々は黄緑色の新芽が芽吹き、冬は茶色だった草木も伸びて、一部は黄色や白の小さい花を咲かせている。慶は冬の間に停滞していた植物や生物の活動が、気温の上昇とともに一気に躍動的になる春はとても大好きである。この春になると、新芽や花などの色だけでなく、音も耳を楽しませてくれる。特に動物の鳴き声も盛んになる季節でもある。

まずは野鳥。スズメやツバメが飛び交い、子作りの季節でもある。我が家の軒先でもスズメが毎年巣を作り、巣立ち前のスズメの子供たちの餌をねだるチュンチュンという鳴き声がやかましい。庭に出ると、親スズメが頭の毛を逆立てして、警戒を示す舌打ちのような鳴き声で威嚇する。「お前みたいな豆粒鳥に威嚇されても怖くはない!」と無視しつつ、子供たちの無事なる巣立ちを心から祈っている中高年オヤジである。同様に家の軒先にはツバメも巣を作る。日本人は心優しいというか、このツバメの巣を撤去したりすることはなく、糞の山ができるところに新聞紙を敷いたりして、心温まる風景が広げられるものだ。

また山野に行くと、ホトトギスの鳴き声も盛んだ。3月頃、若ホトトギスがさえずりをはじめるのだが、最初のころはカミカミで超へたくそで、「おいおい、大丈夫かよ」と人ごとのように聞いてハラハラしているのだが、そのうち徐々に上達し、5月頃になれば、「ホーホケキョ、キキキキキキキィ~~」と山中に響き渡る、美しい鳴き声まで上達する。このホトトギスの鳴き声の上達と、学生の卒業と就職を重ね合わせて、「頑張れよ~~」と心から応援している自分に少し恥じらうのである。
また5月は田植えの季節。強欲な百姓は二毛作で、耕作地を休ませず、冬も小麦やタマネギを植えたりしているが、田舎の棚田はさすがに冬はお休み。レンゲ畑を耕し、水を張って代掻きをする季節である。この田んぼに水が張られた瞬間から、田んぼはカエルの天下と化す。このまま夏まで、毎日夜になるとカエルの大合唱である。都市部に住んでいる人には理解できないかもしれないが、この夜の田んぼのカエルの大合唱はすさまじい。安眠妨害と思えるほどの音量である。しかし、このカエルの大合唱も、慣れてしまうと実に快適である。むしろカエルの大合唱を聞きながらら寝るほど、幸せな安眠ミュージックはないのではないか(相当な田舎者)。面白いことに、カエルの大合唱は連鎖的に発生する。また日没から夜半に激しく、丑三つ時や朝方はぴったりと止む。また、晴れた日は弱く、雨が近づくと激しくなる。だから毎日カエルの大合唱を聞いておれば、翌日が雨か晴れかまで分かるのである。

2020年2月21日 (金)

この規模の暖冬、過去にも2回あり

1月の中旬の時点で今年の暖冬についてブログに書いたが、それから1ヶ月経過し、その傾向は変わらなかった。節分時期に寒気が降りてきて、平年並かやや寒い日が何日か続いたものの、その後もまた暖気が入って暖冬に逆戻りとなった。今年はこのまま暖冬年で終わる。慶も驚いたのは、12月には枯れてしまうコスモスが年明けまでしぶとく残り、一方で1月中旬には早咲きの菜の花が咲き始めて、コスモスと菜の花が同時に咲いている絵をみた時はビックリした。またサザンカが今年ほど長く咲きまくった年も珍しかった。テレビなどでは過去最大規模の暖冬というような言い回しがみられるが、ここはちゃんと数字を振り返った方がよい。

以下に大分・玖珠の平年偏差を半旬毎に図にしたものを示す。

Pastwarmwinterscomparison

Heinenhensatablekusu

過去の暖冬年としては、1997~1998年と2006~2007年が知られている。参考までに、2017~2018年にかけての寒冬年も一緒に整理した。そして今年の2月中旬までも整理している。みてのとおり、今冬は偏差が常にプラスに出るなど、かなりの暖冬年であるが、1997~1998年と2006~2007年も負けず劣らず暖冬年だ。数字を見ると、今のところ今年の冬がダントツで暖かいが、過去も相当なものだ。1997~1998年は20世紀最大規模のエルニーニョ現象が発生していたので、この暖冬年は分かる。13年前の暖冬年については、すっかり忘れていた。そこで、2006~2007年の暖冬年に何が起きたかネットから拾ってみる。まずこの年の冬は、今年の特徴とは若干異なる。もちろん暖冬なのだが、大陸からの高気圧の張り出しが強く、一部が途切れて日本列島上を移動性の高気圧として移動し、その後ろから低気圧が通るというパターンを繰り返した。大陸から張り出した高気圧から、通常は寒気が流れ込んでくるが、北海道の東海上にばかり寒気は抜けて、本土は秋晴れと小雨の繰り返しとなっていた。今年の場合は南からの高気圧の張り出しが強かったので、気圧配置が異なる。また、今年は寒気が日本方面にかなり垂れ下がってきていたが、上空の南西風で東へ飛ばされて、本土は寸止めで済んだ状況だ。

<2006~2007年冬の特異事項>
○スーパーでは鍋物の食品が売れずに、アイスクリームや冷たいお茶がよく売れた。
○畑では冬野菜の成長が良く、白菜や大根は値下がりした。
○養殖カキの成長が早く平年の2〜3割安に。
○千葉県沖ではマダイが例年より1ヵ月ほど早く漁期をむかえ、しかも大漁。
○カエルが2月に産卵

そこで今年をみると、鍋物の売れ行きが非常に悪かったことが冒頭から報道されていたので同じ傾向だ。カキについては、全国的に不作だったため、値下がりはなかった。野菜の成長が良く、春野菜が前倒しで出荷されて暴落気味であることは13年前と同じだ。キャベツやレタスが1玉で100円以下で売られているのを久々にみた。農家は豊作貧乏だったことだろう。一方で、晴れ間は少なかったので、アイスや冷たいお茶が売れたという情報はない。カエルの卵を1ヶ月早く観察という情報も13年前と同じ。

正直、スキー業者や衣料品店関係者でなければ、冬は暖かい方が断然よい。早朝白い息を吐きながら駅まで歩いたり、会社帰りに寒風で手や耳を冷たくしながら帰宅するのは嫌なもんだ。

2020年1月11日 (土)

エルニーニョなしだが2年連続の暖冬か


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先立つ2018~2019の冬は、エルニーニョ現象のおかげで、教科書的に暖冬となり、おかげさまでしばれる思いもせず冬越しできた。今年の冬はエルニーニョ現象も収まり、さすがに2年連続で暖冬というのは確率的にあり得ないので、十分な冬準備を行っていたところである。
まずやったのは、冬物の更新。特に上着は中綿付きのものに新調した。足が冷えるので、ヒートテックのアンダーを購入。スウェットも厚手に買い換えた。車を運転する時にハンドルが冷えていると気分が滅入るので、皮の手袋も買った。仕事中に暖房が行き届かない足下を暖める、小さいセラミックヒーターも購入した。自宅の暖房が良く効くように、天井を仰ぐサーキュレーターも購入した。
そして蓋を開けてみると、11月になっても、12月になっても、なかなか寒くならない。クリスマス時分に年末年始寒くなるとか週間予報やっていたのに、正月も良い天気である。そして今日現在、ほとんど寒くない。強いて言えば12月上旬にちょっと平年ぐらいかなという寒さがあったが、3年前と比べると雲泥の差だ。ありゃ、準備万端なのに空振り。
そこで、アメダスの数字(大分県・玖珠)を参照してみた。

表を見ると、2年前は相当寒かったことが分かる。平年を下回った日の割合が77.4%と圧倒的、偏差をみても、期間中(11月1日~2月15日)の平均が-1.74゚Cと圧倒的な寒さだった。その泣きのブログは以下に掲載している。

http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-02fe.html
http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-42db.html
http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-703a.html
http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/20172018-6dba.html

今年は12月の上旬に平年より寒い期間が1週間ばかりあったものの、それ以外はほぼ一貫して平年よりかなり高い。間違いなく暖冬だ。寒いより暖かいに越したことはない。ただ2年連続となると、地球温暖化も気になる。もちろん、まだ1月10日までの結果なので、冬はあと1ヶ月は続く。ここで思い切り冷えると、結果的には平年並だったという結果もあり得る。

ここまでの暖かさの原因は、毎年冬に見られる冬将軍の来襲がないからだ。上空5500mでマイナス30度以下のシベリア寒気団が日本列島を包み、日本海から黄海ににかけてびっしりと並ぶ筋状の雪雲なるものが、今年はほとんど見られない。せいぜい北海道周辺に少しかかる程度だ。そこで高層天気図を見ると、日本の南海上に背が高く大きな高気圧がどっしり構えていて、ここの西の縁で偏西風が北に押し上げられている。このため、平年だと日本の真上を西から東へ直進し、この偏西風の位置まで下がってくる寒気団が、日本海の真上で北海道方面へと南西方向に大きく押し上げられており、日本本土には冬将軍が掛からない状態が続いているのである。なぜか真冬に太平洋高気圧が発達しているのである。

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この状態はインド洋の水温と関係あるようだが(インド洋ダイポールモード現象)、このあと少し緩むようだ。そうなると、平年のように寒気が日本列島までかかるようになるので、1月下旬から2月にかけては、平年並みの寒さに戻るのかもしれない。

2019年12月23日 (月)

豪雨災害に弱いことが露呈した関東・東北地方

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https://www.komazawa-u.ac.jp/~fumio/disaster/2016aug-ty1610/0-ty1610-iwate-2.html

関東地方を駆け抜けた台風19号の爪痕が、未だに続いている。今回の台風は河川の氾濫による浸水被害が広域で発生したことが特徴だった。それだけ大量の雨が降ったのである。しかし、冷静に数字を眺めると、これが本当に日本の気象史上の大記録なのか、疑問を感じる。
例えば、平成29年7月の九州北部豪雨では、レーダーによる解析で朝倉市付近で12時間の降水量が900mm、1時間の最大降水量は169mmに達している。今回最も雨が降った箱根でも、24時間の総雨量が922.5mmであり、降雨量は九州北部豪雨と同じで、降る速度が半分である。災害が起きた地点では、どこも時間降水量が100mmを越えていないのである。まして、千曲川の氾濫で問題となった長野県の南部では、多くても1日の降水量が300~400mmに過ぎず、九州北部豪雨の半分以下である。実際、前者では山肌が崩壊して、森林や土砂が丸ごと流出して家屋や集落を飲み込んでいる、まるで地震と津波に一度に襲われたかのような映像だったが、今回の関東や東北を襲った豪雨では、山腹の崩壊現象は箱根を除きそれほど観測されていない。平成23年に紀伊半島を襲った台風12号による豪雨災害になると、72時間の降水量が1815mmと、今回最も多かった箱根のさらに2倍も降っており、山腹崩壊による土砂ダムの出現まで見られている。今回関東や東北を襲った豪雨は、梅雨時期に九州南部、四国や紀伊半島の太平洋側では毎年降っている「通常レベルの雨」であって、決して珍しいレベルではない。それにも拘わらず、これだけ河川の氾濫が相次いだということは、面的に広く降ったということもあるだろうが、何よりこれまで運良く豪雨に晒されなかったということに過ぎないのだ。
それでは、今回被害の大きかった長野県、関東地方、東北南部は、なぜこれまで豪雨災害を受けてこなかったのか。これは地形によるところが大きい。通常大雨は梅雨前線によってもたらされることが多いのだが、この時は南西あるいは高気圧の縁を回り込む西風に乗って湿った暖かい空気が日本列島に入り込む。九州、四国、紀伊半島は、これらの湿った空気が直接ぶつかる場所に高い山があるので、そこで一気に雨雲が出来て豪雨を引き起こすのだ。一方、長野県も関東地方も東北南部も、大河川の西側に高い山がそびえており、この南西風や西風を完全にブロックする形になっていて、山の反対側(西側斜面)で雨が降る。だから東側斜面では豪雨災害を受けてこなかったのだ。今回の台風は関東地方をかすめたのだが、台風に向かって南東から東寄りの湿った風が回り込んで来て吹いている。そう、いつもと反対の方向から雨雲が進入してきたのだ。そうすると、普段雨が降らない東斜面に大量の降雨が降り注ぐので、想定以上の河川氾濫となるのである。ただ、それだけのことである。だから、今回被害を受けた地域は、とにかく南東の風が吹き込む台風の時だけ注意が必要ということである。
実は今回の長野県、関東、東北南部を襲った豪雨による被害を予想させる事例が2016年にあった。台風10号によって南東から東寄りの風が吹き、普段豪雨が滅多にない北上山地で大きな被害が発生した(駒澤大のHPの画像を転載)。この時に降った雨量は西日本では毎年梅雨時期にみられる程度の雨であったのだが、元々豪雨の経験のほとんどない岩手県では大災害となった。もしこの時の教訓が活かされておれば、今回も関東の東側で大雨被害になり、河川が氾濫することはすぐに予測できたことだろう。
しかし、より深刻な事態として、豪雨が発生すると分かっていても、ほとんど対策がないということだ。そもそも、誰も避難しようとしない。これは西日本豪雨の時にも問題となったのだが、いくら防災無線やテレビで避難を呼びかけても、誰も避難しないのだ。理由は簡単で、「我が家が一番安全」と思っているからである。しかし、現地からのレポートを良く聞くと、「昭和○年の時はここまで浸水した」とか、電柱にマーキングがされていたりする。そう、過去に一度浸水被害を受けているのなら、それは即刻避難の対象地域である。防災マップではなく、危ない地域にはこのように危ないことを日頃から意識させるマーキングを施して、やばいと思ったら自主的に避難するクセを付けさせるしかない。

2019年11月11日 (月)

冬のはしりの風景

暑さ寒さも彼岸までとよく言われるが、10月に入るころから秋の清々しい陽気が1ヶ月ほど続き、遂に肌を刺す木枯らしが吹きはじめるのが11月中旬だ。なんだかんだ言って、ハロウィンぐらいまではそこそこ暖かく、11月上旬ぐらいまでは朝晩とて10度を切ることはなく、底冷えしない。昼間は暖かく薄着で、夜は軽く上着を羽織るという感じだ。春でいうところの、4月から5月ぐらいの気温である。これが一年中続いてくれると有り難いのだが、これは一瞬である。11月10日前後から急に朝晩冷え始め、11月20日を過ぎる頃から上着が真冬モード、室内に暖房が登場し始めるというものだ。11月に入ると、坂道を転がり落ちるように冬へまっしぐらになる。
このうっとうしい冬のはしり。外は花木が枯れ始めて落葉し、元気なのはススキぐらい。公園の桜の木などすっかり枝だけになっている。夏の間やたら邪魔くさかった虫も蚊も見事に姿を消す。冬になるのだから、いろんな意味で生命活動がオフモードになる。気温だけでなく、見た目でも冬が近づいてくるのが分かるというものだ。

しかしこの時期だからこそ心を打つ風景もある。そう、紅葉だ。町中だとイチョウの大木の見事な山吹色、モミジの染めたような朱色が美しい🍁。少し山奥に行けば、山全体が紅葉している風景も期待できる。残念ながら日本の山は針葉樹の植林によって天然広葉樹がモザイクにされている。それでも根気よく探せば、山全体が紅葉しているベストポイントを探し当てることも不可能ではない。

食べ物に限ると、この時期から温州ミカンが出回り始める。年末まで、格安のミカンを頬張り、ビタミンC不足を吹き飛ばしてくれる。あとサツマイモ。折しも大量の落ち葉が吹き溜まっているシーズンなので、コレをかき集めて、アルミホイルで巻いた芋を放り投げて焼けば、実に見事な焼き芋が出来上がる。しかし市街地での野焼きが厳しく禁じられるようになり、せっかくの冬の味覚を味わえなくなってしまった。実に残念。

冬になれば、草木は枯れ、町を彩る花など皆無になるのであるが、よくよく探すとこの木枯らしの時期に開花する珍しい草木もある。最も目立つのはサザンカだ。いわゆる椿の仲間で、11月から12月にかけて大輪の花を咲かせる。ツバキもサザンカもすぐに花が落ちてしまうのが難点ではあるが、木枯らしの時期に唯一目を引く庭木でもある。あと良く見ないと分からないが、ビワもこの時期に花を咲かせる。ビワの花はプツプツと小さくて、しかも茶色のガクのようなものの隙間から白い花びらがわずかに顔を出す程度なので、ハッキリ言って良く分からない。でも、顔を近づけると、「おお、ちゃんと咲いているではないか」という感じになる。あと意外と知られていないのが、ツワブキの花だ。都会ではツワブキをすっかり見なくなったが、郊外の海沿いをドライブすると、太陽があたりにくい日陰にツワブキがあり、結構大輪の黄色い花を咲かせている。実にパッとしない雑草のようなツワブキであるが、黄色の花は力強く美しいものだ。慶はこのツワブキの花を見ると、「よし、こいつが頑張っているなら、オレも寒い冬を乗り越えよう」というスイッチが入るのだ。

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2019年9月13日 (金)

防災無線などやめてしまえ!!

台風15号による強風のため、千葉県内では多くの家屋が被災し、送電システムが倒壊して長時間の停電となっている。被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。今回の台風はかなり小型だったことと、台風の上陸時間帯が日曜日の真夜中ということで、ほとんど人が外を出歩かない時間帯であったことから、あまり注意喚起が行われていなかったようだ。しかし、台風のコースが首都圏直撃と悪く、中心の右側にあたる千葉県では、強烈な暴風雨が襲った。一般的に台風による瞬間最大風速は、30m/sぐらいまでなら建物が傷むことはない。40m/sを超えると瓦が一部飛んだり、看板がなぎ倒されるなどの被害が出るが、これとて甚大な被害にはならない。しかし、50m/sを超えると様相が一変する。ほとんどの建物が傷み、強風が直撃するところでは、以下のような光景が広がる。

・山の樹木(特に人工林)がなぎ倒される
・信号機が皆風下を向いている
・屋根が飛ぶ
・電柱が折れる
・車がひっくり返る

今回の千葉県では、千葉市で最大瞬間風速57.5m/sを記録するなど、上記のような異様な光景が広がって当然の風が吹いていた。昨年度近畿地方を襲った台風21号も関空が水没・孤立したり、吹き飛ばされた車が折り重なるなどすごい被災状況だったが、今回の方が局所的にみて強い風が吹いたようだ。電柱が2千本も損傷しているなどハンパではない。ただ、今回は台風来襲時に雨が降っていたのは不幸中の幸いだ。なぜなら、塩害による追加の停電の可能性はないからである。

さて、テレビで停電が続く場所で、給水や救援物質の配給を受けている場所を取材していたが、高齢のおばあさんが、受け取りに来たのに、救援物質が足りずに追い返されている映像が流れていた。おばあさんによれば、防災無線で何か言っていたが内容が分からず、水を受け取って戻ってきた近所の人の話を聞いて駆けつけたが、時既に遅しということで、自治体の職員に「無線で何を言っているのか全然分からない」と猛クレーム状態だった。

しかし、このおばあさんの主張は当然である。慶の住んでいる自治体でも、大雨の時や、何かの気象警報が出た時に防災無線が放送されているのを経験しているが、何が放送されているのかさっぱり分からない。現代の木造家屋は防音と温度保持のためにペアガラスが基本であり、窓を閉めていれば放送の内容は聞き取れない。また大雨の時は窓を開けても雨音にかき消されて内容は良く分からない。こうした「放送の質の悪さ」を改善するため、より田舎では各家庭に防災無線を室内で流す無線機が配られているところもある。しかし、慶が聞いた話では、その防災無線装置はコンセントに繋がれているため、停電の時は使えないそうだ。なんじゃそれ。

防災無線は、ほとんどの平時で、朝夕の時刻を告げる音楽やサイレン、葬儀や文化センターの催し案内など、おおよそ防災無線とはほど遠い無駄な機能しか担っていない。まあ戦争状態になった時は空襲警報ぐらいになりそうだが、それだとしても自治体が運営するシロモノではない。こんな使えないインフラなど無駄だ。さっさと撤去してしまい、むしろ災害時の通信手段を確保するための独立電源・Wi-Fi送信棟として再整備した方がマシだ。今回の停電時のように、電気がなくても、携帯電話は使えるので、Wi-Fi接続ですべての情報が入手できる。

Wi-Fi無料接続で民業圧迫となってはいけないので、自治体が提供するWi-Fiは平時は自治体の発信する情報にしかアクセスできないようにしておいて、災害発生時はインターネットに接続できるようにしておけば良い。

 

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