旅行・地域

2020年7月22日 (水)

車中泊をしてみて昔との違いを感じたこと

Truck-station

新型コロナウイルスの蔓延に伴い、公共交通機関による長距離移動、ホテルへの宿泊という出張スタイルが一時的に崩壊した。いや、非常事態宣言が解除された現在でも、元の状態とはほど遠い。非常事態宣言時の東京発下りの新幹線の自由席乗車率がゼロとか、通常ではありえない状況であった。これまで国内の出張者とインバウンドで宿泊する外国人でごった返していたビジネスホテルも、すっかり開店休業状態である。まさにホテルが劇的にガラガラになったのだ。

そうした状況で、在宅勤務や休日は巣篭もりが推奨されているものの、必要最小限の移動はどうしても必要だ。他者との接触を避けつつ確実に移動するためには、公共交通機関ではなく、自家用車による移動ということになる。車という密室空間でドアtoドアで移動する分には、感染するリスクはゼロだ。この場合は、どうしても長距離になると車中泊という状態に陥る。慶も3月以降に車中泊での移動を何度か余儀なくされたのだが、普段やらない車中泊を経験してみて、いくつか気がついたことがあるので書き留める。

まず夜間の高速道路は交通量が少ないのだが、走っているのはほとんどが長距離トラックである。高速道路は重要なロジスティックの基盤インフラなのである。慶が若かりし頃は、このトラックの運ちゃんと言うと暴走野郎が多く、デコトラで煽り運転を繰り返すなど恐怖を覚えること星の数ほどあったのだが、今ではデジタルタコメーターで記録を取られて、会社側のコンプライアンスとかもやかましく、法定速度で粛々と走っている。その運転手たちは、休憩や時間調整のため、高速道路のパーキングや郊外の大きな道の駅の駐車場でエンジンかけたまま寝ている。昼間は気が付かないが、夜中はパーキングにびっしりとトレーラーやトラックが並んで休憩しているのだ。昼間では滅多に見ない光景。

慶も車中泊してみると、最初はベットで寝るより苦痛と思っていたのだが、意外と熟睡できるのだ。車のシートというのは、人間工学的によくデザインされており、長時間座っていたり、加速減速でGがかかっても腰や背中への影響が少なくなるよう設計されている。ソファーほどではないが、座イスよりは遙かに居心地が良い。少なくとも、普通の椅子に座って寝るより断然心地よい。またパーキングや道の駅だとトイレやゴミ出しで困ることはない。食い物と飲み物だけあれば一晩過ごせる。まあこれほど金がかからない宿泊法はないだろう。しかもよく観察すると、キャンピングカーもしくはミニバンを改装した車に乗り込み、車中泊で旅行している中高齢者が結構多い。リタイヤした高齢者が、こうした車中泊で旅行するのが静かなブームになっているそうだ。アメリカとかでは牽引可能なトレーラーを「移動する部屋」として週末あるいは一定期間遠出する「トレーラーハウス生活者」が多く映画とかでもよく登場する。ある意味キャンプよりも合理的な手法である。日本でもそういう人口がじわりと増えているのだ。高倉健が主演していた遺作「あなたへ」において、ミニバンに乗りこみ、富山から亡き妻の故郷である長崎まで車中泊で移動して、途中途中で同じように車中泊で生活する人たちと意外な出会いをするという映画があったが、実世界でもそれが広がっているのだろう。

無論、旅館に寝泊まりせず旅行しているのでかなり貧困層に近い人々であることはアメリカと同じだが、誰にも干渉されず、余計な計画は立てず、自力で自由に生活しながら旅行するのは痛快であろう。人生の締めに自宅で籠るのではなく、こういう放浪旅行をするというのは、慶もなんとなく憧れる。予想より早く、そういう体験ができた。

ただ、ある車中泊移動者(高齢夫婦)が、ドリンク休憩中に慶に話しかけて来たが、どうしてもエンジンかけたまま一晩過ごすとなると色々地元住民や駐車場の管理者とのトラブルが多いようで、高速道路はいいのだが、一般道だと大きな道の駅しか泊まるところがないということだ。日本には車中泊で旅行するためのインフラが貧弱なのである。それは非常に残念な話だ。これだけ日本中に道の駅があるのだから、コイン式のシャワーブースやコインランドリーを併設して、車中泊移動者へ便宜を図る投資をしてはどうだろうかと考えた。

次に感じるのは、慶が知っている80年代中頃から90年代前半と比較すると、夜はとても静かで安全だということだ。まず暴走族なるものの姿をほとんど見ない。昔は夜の国道を走れば、たいだいヤンキーか暴走族がチラチラ走っていて、コンビニや自販機の前にたむろしていたのだが、今では全然見ない。女性が一人歩きしていても大丈夫なほど、危ない連中が居ない。警察の取り締まりの成果なのか、単なる少子高齢化あるいは草食化で暴れる若者が減っただけなのか、理由は分からない。あまりにスイスイ走れるので逆に怖いものだ。

最後に、24時間営業の店がめっきりなくなった。80年代、90年代だと、少なくとも主要国道沿いのガソリンスタンドは24時間営業だった。いまではそもそもガソリンスタンドの数が少ないし、夜間空いているところはセルフぐらいで、人が常駐しているスタンドはほとんどない。さらに、飲食となれば、ジョナサンのようなスタイルのファミリーレストラン、トラック運転手相手のラーメン・うどん・そばの店、ほっかほか亭など、24時間営業の店がぞろぞろあった。また、今では想像できないが、24時間営業の本屋、レンタルビデオ店も数多くあったのだが、今では壊滅的に夜間は営業していない。いま24時間営業しているのは、コンビニとコインランドリーだけだ。80年代、90年代と全く様子が変わらないのは自販機のたたずまいだけと言って良い。

そんなこんなで、学生時代から数えて30年以上夜型生活から遠ざかっていた慶がみた2020年の夜の街を振り返った。いかがでしたか。


注)移動旅行が前提の車中泊は一つの旅のスタイルとして面白いが、家を追われた生活困窮者も車中泊生活を行っており、こちらは見るからに悲惨だ。やはり基本は雨風凌げる住宅に住むのが健康で文化的な生活の基本だと思う。

2020年4月21日 (火)

電車の値上げ理由と背景を調べた

消費増税の前であるが、慶の最寄りの駅の私鉄が値上げした。値上げの理由は車両の更新だのサービス向上だの、なんだか良く分からない屁理屈が並べられているが、多分に経営的なものだろう(便乗値上げもあるかもしれないが)。日本の公共交通機関の駅は細かな年間乗客数がネット上で数字を拾えるようになっている。そこで慶の自宅近くの駅の客の数を調べると、1996年でピークに達した後に減少へと転じて、2015年時点ではピーク時の59%まで減少している。なんと4割も乗客が減っているのである。これは相当な減少幅であり、確かに電車会社としては大変だろう。

その理由をつらつら考えた。街の人口が減ったとは聞いていない。横ばいだ。しかし客は4割も減っている。少子高齢化で学生や通勤客が減っていることも考えられる。そこで日本の労働力人口(14~64才)を調べてみた。就業者数で見るのも一つだが、ここ20年ほど失業率は大きく変動していないので、ベースの労働力人口で見た方がわかりやすい。それでいうと、やはり1995年ぐらいにピークがあり、現在12%ほど減少している。減っているタイミングは合っているが、4割減った説明にはならない。慶は辻褄が合わないと徹底して調べたくなるのが性癖なので、さらに全国の旅客輸送量・キロを国交省提供のお役所データから拾ってみた。その結果、鉄道輸送量はここ四半世紀は横ばいか、最近やや減少である。4割は減っていない。鉄道と競合するバスの輸送量は減っているので、競争相手になっていない。
そうなると、結論としては、鉄道がマイカーとの競争に敗れて、客離れが進んでいるという結果になった。そうか、車に負けるとは情けない。確かに言われてみれば、経営力がなさそうな電車会社である。潰れはしないだろうが、このまま値上げが続いて客は少なくなり、いずれはスカスカで座り安い電車になるのだろう。その頃は慶も足腰が弱り切って年老いているし、まあ病院通いには丁度良いかという感じである。
全国の統計データを見ると、ダントツに多いのはマイカーである。マイカー輸送量の半分が鉄道となっている。さらにその1/4が飛行機とバスである。日本は海洋国家なのに、船に乗っている人は微々たるものである。
それにしても、モータリゼーションの波は未だにすごいものだ。確かに慶も電車より圧倒的に車に乗っている時間が長い。やはりドアtoドアの楽さ、荷物も一緒に運べる気楽さは何ものにも代えがたい。一方で、高齢者による重大交通事故は年々増えている。また自動車は基本的に化石エネルギーの無駄使いの象徴だ。できれば、電車を中心とした生活が、個人にとっても国にとっても地球にとっても、最も望ましい移動のスタイルではないかと考える。

2020年1月17日 (金)

孤高のスピードランナー「新快速」

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最初に断っておくが、慶は列車オタクではない。車両の種類や車両名などさっぱりわからないぐらいだ。その列車に興味がない慶でさえ、卓越した利便性にで、思わずため息をつく列車がある。それは関西を東西に駆け抜ける「新快速」である。

言うまでも無いが、神戸、大阪、京都という関西の3大都市を往来する人の数はすさまじい。関東で言えば、東京と横浜を結ぶようなものである。この大動脈は、3,4社の私鉄とJRが客の奪い合いのため、しのぎを削ってきたドル箱路線である。1970年代から続くこの戦いは、最終的に新快速を基幹輸送に位置づけたJRの圧勝で結論が出ている。新快速が関西人に選択された一番の理由は、「他社より速い」ことに尽きる。

ではどのくらいの速度なのか。東京も大阪も、JRも私鉄も、基本的に特急列車ではない限り、最高速度はおおむね100km/hである。それでもかなりの速度で、通常は80km/hで「早いな~」と感じる。京浜急行が一瞬110km/hまで出るが、それこそ一瞬だ。ではJR西日本の新快速は何キロかと言えば、停車駅の間の直線部分を120~130km/hで快走している。これは地方を走っている特急列車よりも速いのである。それでいて、特急料金は要らない。何より、姫路と米原間の間は、1時間に4本の驚異的なペースで運行されている。この間に、さらに急行や普通列車も走っているのである。これはJRの話であって、例えば、神戸と大阪の間はJR以外に阪神と阪急が併走している。大阪と京都の間となれば、阪急と京阪が、少し遠回りではあるが、近鉄も併走している。これだけ競争の激しい区間でJRが圧勝とはすごい。

この新快速の高速運転により、京都駅 - 大阪駅間が28分、大阪駅 - 三ノ宮駅間が22分となっている。大阪から神戸に行くにも京都に行くにも30分かからないのである。この利便性を、乗客の収入から分割りして金に換算したら一体何兆円になるのだろうか。輸送効率は、距離当たりの運賃だけでなく、時間の概念も入れて計算すべきだ。例えば、同じ距離を200円で走ったとしても、時間が半分なら効率は倍である。大阪駅と三ノ宮駅の間の距離と運賃は30.6kmで400円だ(消費増税前)。運賃と時間を掛け合わせて距離で割ると、287.6/kmとなる。東京駅と横浜駅のJR最速は東海道本線で、28.8kmで470円、31分で走り抜ける。同様に計算すると、505.9/kmとなる。なんと効率が1.75倍もあるのだ。同じ電車運賃でも距離と時間の相乗作用でここまで違いが出るのである。時間だけ見ても3割ぐらい少なくて済むので、同じ通勤距離なら、3割、すなわち、東京の人が往復で2時間通勤時間にかけているなら、関西の新快速を利用している人は同じ距離でも1時間15分、差分の45分が累積すると、月に15時間強も東京の人より時間があまり、ほぼ勤務時間を2日分も節約できる計算なのだ。これはでかい。関西の新快速沿線に住んだ方が、東京に住むよりも、月あたりの余暇の時間が2日分多いとみたが良い。

赤信号で停まらない、エレベーターのドアが閉まるのも早い、エスカレーターが速い、など、関西人はせっかちだ。これが新快速を産んだ素地なのかもしれない。

新快速のおかげで、姫路以西の兵庫県西部や、大津以西の滋賀県も大阪都市圏の通勤範囲となり、宅地開発が進んでいる。これは新快速のおかげだ。新快速は圧倒的な勝者となってしまい無双となったが、その速さ・利便性が逆に慢性的な混雑を引き起こしている。

2019年10月17日 (木)

世界の国々・都市ランキングについて

 

毎年か2年おきに、世界の国のランキングなるものが良く出てくる。特に住みやすさなどの指標でランキングを整理すると、必ずスイスやルクセンブルクや香港などの小国家が上位に顔を出すことになる。慶はこの国別のランキングほど怪しいものはないと考える。なぜなら、同じ日本国内をみても、東京と地方都市を比較したらお話にならない。例えば、東京都のGDPはオランダやスイスよりも大きい。一方で、鳥取県の人口は56万人で東京都の1/16、GDPに至っては北朝鮮と同レベルだ。しかし、どちらも都道府県というカテゴリーで言えば同列の自治体である。ルクセンブルクや香港は都市型国家なので、比べるのがそもそもおかしい。

そうなると、自治体同士、特に首都や地域の中核都市で比較した方がまだ正確である。これにふさわしい世界の都市ランキングというのが森記念財団都市戦略研究所から公表されている。70の評価項目を2,600満点で示したもので、かなり気合いの入った評価方法である。これの2018年度版がネット上に出ているので、そのランキングを以下に転載した。

 

City-ranking1 

 

上位44位を並べて見たところ、基本的には世界の有名都市が軒並み並んでいる。特に4大都市である、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京が上位4位をぶっちぎりで独占している。しかし、慶はこれをみて特に実感がわかない。恐らく人口×経済規模で並べるとほとんどこの順位になるので、メガポリスのランキングにしか見えない。慶が知りたいのは、市民1人あたりの豊かさである。例えば東京がすべての指標ですさまじく高い数字を出して居たとしても、東京はコンクリートジャングルで人が多く、住むのにも観光するにも骨が折れる。満員電車、車の渋滞、移動に金がかかるなど、労力と持ち出しも多い。これが地方都市になれば、渋滞もなくなり、移動も楽になるし、何より住環境と自然に恵まれている。スコアを鵜呑みにするのではなく、市民1人あたりの裕福度が都市の魅力になるのではないか。

そこで、この都市ランキングのスコア値を、各都市の人口で割って、1人あたりの都市スコアを算出したのが以下の図である。

 

City-ranking2

City-ranking3

わかりやすいように、4段階に色分けしている。そうすると、都市別のスコアで見ると、最低のカイロと最高のロンドンの間で2.8倍程度の差になるが、この1人あたりのスコア値でみると、最低のムンバイと最高のコペンハーゲンの間で57倍も開きがある。しかも各スコアごとに一覧を集計した表を眺めると、ヨーロッパの中規模都市と北米の中規模都市が上位に入ってきて、社会主義国や中東の都市は下位にランキングされる。日本の1人あたりの最高スコア値を出しているのは福岡市だけで、パリやウイーン並の値となっている。確かに秘密のケンミンショーなどを見ていて、福岡市の魅力というのは皆が実感しているところである。また慶のいくつかの知り合いの話を聞いていても、アムステルダム、バンクーバー、バルセロナあたりは「また行ってみたい」都市として名前が良く出てくる。この1人あたりのランキングが、本当に魅力ある都市のランキングと位置づけることができるのではないか。

2019年7月22日 (月)

訪日韓国人観光客減少は大歓迎

「反日教(狂)」の韓国が、日本側の輸出管理強化に反発し、大規模な日本製商品の不買運動と訪日キャンセルをはじめた。何年かおきに定期的に繰り広げられる、お馴染みの反日キャンペーンである。中学校や自治体との交流イベントも次々に中止に追い込まれることだろう。インバウンド効果を当て込んだ国内、特に地方の観光業者からは悲鳴が上がるだろうが、慶は実に有難い事だと考える。

というのも、韓国人観光客の数は多いものの、コスパ重視傾向が強く、宿はビジネスホテル、食事はラーメン屋、定食屋、安い居酒屋とか、日本人ビジネスマンの行く先々と行動が完全に被ってしまう。特に学生など若い人は高級ホテルや旅館には絶対に泊まらない。日本人のビジネスマンは数週間単位でのスケジュールで多忙な出張を組んでいるのに、遊びで来る韓国人は何ヶ月も前から予約を入れるので、どうしても宿の「取り負け」が発生する。なぜにビジネスホテルに空きがなく、カプセルホテルに宿泊する羽目になるのか理解できない。安い居酒屋で韓国人がバカバカ注文するものだから、品切れ続出というのも多い。温泉付きの旅館には泊まらずに朝食付ビジネスホテルに泊まるので、日帰り温泉にゾロゾロ来て、湯船で大声で喋って雰囲気を台無しにして、身体を良く拭かずに上がってくるので床はべちゃべちゃ、脱衣所に置いてあるヘアトニックや化粧水を浴びるように振りかけ、すっからかんにして出て行く。あのピンクや紫の上着を着た韓国のおばちゃん軍団を見ると、バブルの前後に存在して現在は完全に日本から絶滅した「オバタリアン」を彷彿させるものだ。遠目に見ているぶんには笑えるのだが、行く先々で一緒になると非常に辛いというか不愉快だ。

いくらインバウンド効果が大きいとはいえ、国内の日本人の消費行動が横取りされて制限されてしまっては意味がない。インバウンドはあくまで国内需要の上乗せとして、住み分けされなければならない。日本では京都の祇園がそうだが、押し寄せる観光客によって街並みが完全に破壊される現象は世界的に問題となっている。増して、その国の人々の日常を横取りしたりディスターブするのは論外だ。西欧人だと団体では行動せず、ホテルも高いところ(彼らに言わせれば安全で英語が通じることを優先しているのだが)を押さえるなら誰もがウェルカムなのであるが、韓国人のように日本人の日常にドカドカ入ってくるタイプの観光客は迷惑である。その点、町外れの潰れたパチンコ屋やテナントを中国人観光客向けのドラックストアにリニューアルして、マイクロバスで乗り付けて現金をじゃんじゃん落とさせる手法の方が、国内需要を食わず、日本人と過度に接触することなく、インバウンド効果を発揮できるので、日本人としては受けが良い。ただ大型客船で乗り付けるように一度にどっさり来るのも問題なのだが。

我々日本人ビジネスマンが余裕を持って安心してホテルを予約でき、居酒屋でゆっくり呑めるようにするため、韓国人観光客は是非ともずっと訪日を延期していただきたい。こちらは韓国に旅行しなくても、ほかにいくらでも行くところはあるし、どうしてもなら新大久保か鶴橋に行けば済むのである。行かなくても何も困らない。

2019年6月 5日 (水)

新交通システムについて考える

このたび横浜のシーサイドラインで車両逆走による事故が発生した。幸い死亡者はなかったものの、怪我をされた被害者の皆様には、早期に回復されることをを心からのぞみます。同じ車両は、シーサイドラインよりも利用者の多いゆりかもめもあるので、早く事故原因が解明され、より安全な車両システムとして再生することを期待したい。
さて、今回事故を引き起こしたシーサイドラインは、いわゆる「新交通システム」である。慶もいろいろな電車に乗ったが、この新交通システムとモノレールは「電車でない」ことは、乗れば分かる。

シーサイドラインもそうだし、昔から神戸のポートライナーが代表であるが、新交通システムは車掌も運転手もいない。完全自動運転が多い。一応運転席があるのだが、シーサイドラインなどは、そこに客が座っていることがほとんどだ。一体どこで乗客の乗り降りを判断しているのかと心配になるが、おそらく各駅に設定されたカメラの映像を見ながら、中央司令室で客の動向を監視していると思われる。
また、通常の電車と比較して、車両が小さい。路面電車に毛が生えた程度だ。故に、狭い。このため、シーサイドラインもゆりかもめも、輸送力が低く、朝と夕方は常に満車でなかなか座れない。車両が小さいことは、車両の取得価格が安く、維持費も安いことを示している。安かろう、小さかろうである。さらに、乗り心地もイマイチ。ゴトゴト小刻みに揺れる。これは車両のサスペンションが電車ほど整備されている訳でないことと、何より電車の形をしているが、足下はゴムタイヤがムカデの足のようにずらりと並んでいるのである。従って、実質は高架の上をバスが連なって走っているというのが実態である。
まだゴムタイヤでコンクリートの高架の上を走っているだけなので、高架は細く、華奢である。これが建設費用を安くするポイントともなっているが、乗っていると足下が貧弱なので、結構地震が来たら大丈夫なのか心配になることもある。

新交通システムは、安い軌道系の交通システムということで、それはそれで導入価値はあると思う。またゴムタイヤで小回りが効くので、結構小刻みに上下あるいはカーブしてもバスのようにスイスイ走る。都市高速道路の合間を縫うように走るのは、この新交通システムでなければできない芸当である。その安い整備費用と維持コスト、コンパクトな足回りの割に、肝心の運賃は安くない。例えば、新橋駅からお台場海浜公園駅まで320円(7.0km、13分)。同じ新橋駅からJR川崎駅までJR京浜東北線を利用すれば、310円(16.3km、23分)である。単位距離あたりの運賃は倍以上である。結局上記の要素をすべて勘案すると、新交通システムというのは、建設・運用する側にメリットのあるシステムで、利用者にとっては高くて狭くて乗り心地の悪い、なんちゃって電車ということになる。浜松町と羽田空港を結ぶモノレールも似たようなものだ。

どうせ狭いなら、まだ階段の上り下りのない、路面電車の方が遙かにマシだと思う。これから高齢化社会になって、誰もが階段を忌み嫌う時代になるので、その時は地下鉄も新交通システムのような高架型も敬遠され、低床バスや地方に残っている路面電車の一人勝ちの時代になるかもしれない。

Portliner

2019年5月29日 (水)

飛行機に乗るのも勉強

何の話かと言えば、修学旅行だ。慶の時代の修学旅行というのは、夜行列車や新幹線で目的地近くまで出かけ、現地で観光バスを従えて名所旧跡を回るスタイルだった。まさに昭和の典型的なスタイルである。修学旅行という団体旅行は未だに脈々と続いている。修学旅行が楽しかったという思い出はあるのだが、正直連れ回されるばかりで、どこをどう回ったのかさっぱり記憶にない。ただ、強烈に記憶に残っているのは「上高地」だ。あの美しい森林、どこまでも冷たく潤沢な清流を見て、度肝を抜かれて、このまま何日か留まっていたいと思ったほどである。

時代は流れ、修学旅行も様変わり。まず学生数がほぼ半減している。クラスがそもそも少なく、それこそバス8台とか従えて観光巡りするような規模はまずない。さらに、学校によっては、修学旅行先が2,3カ所に分かれていて、希望のところに分散する方法もある。また現地で4人ぐらいの班を作って街ブラ、あるいはタクシーツアーというのもある。そうなると、「全員で同じところに強制的に」というスタイルが完全に崩れてしまう。また昔は名所旧跡ばかり回っていたが、現在は学生の思い出を残すために、ディズニーランドやUSJなどのテーマパークも”視察”の対象となっている。学校行事でディズニーランドとはおかしな話であるが、ここは天下の文科省も教育的指導を入れていないようだ。

また飛行機の利用も増えていて、10~12月のオフシーズンになると、飛行機にこの修学旅行生の団体が乗り込んで来て、出発が遅れるというのが日常茶飯事である。羽田空港から修学旅行生などと一緒になると、群馬、栃木、茨城など北関東の田舎高校の学生がゾロゾロで、飛行機に乗るのが「はじめて」という学生も多く、離陸のための加速が始まると、「キャ~」「ヤバ~」「マジかよ~」と奇声が響き渡る。観光やビジネスで何度も乗っている大人にとっては別にどうでも良く、「何だこの田舎のガキンチョどもは!!」という感じで迷惑なのである。

しかし、着陸する頃には慣れてしまって、先生からも「我慢しろ」という強い指導も行き渡り、その大騒ぎもない。思い返せば、自分が初めて飛行機に乗った時も、その緊張感と周りの大人の冷静さのギャップに戸惑いを感じたものだ。だいたい乗る前に緊張で用を足したくなり、トイレに駆け込んで財布を置き忘れて呼び出されたというのが最初だ。今でこそ「このガキが!」と見下しているが、思い返せばもっと情けない過去を持っている。そういう意味では、飛行機に乗るというのもs社会勉強の一つと言えよう。

 

2019年1月31日 (木)

今年(2018ー2019年)は暖冬でいい感じ

去年、特に慶が住んでいる西日本は未曾有の寒さで、本当に嫌な冬だった。何しろ東北から九州の西側まで、びっしり筋状の雪雲が並んだ状態が何ヶ月も続いたのだ。あれは一体何だったのかと言いたくなる程であった。
今年はかの有名なエルニーニョ現象のおかげで、予想とおりの暖冬となっている。特に11月の暖かさはすごかった。慶が思うに、寒かったのは12月の8と9日と、年末の12月28~31日ぐらいのもんだった。1月に入っても、そんなに寒くない。既に大寒を過ぎて、これからどんどん太陽の角度が高くなるので、もうこのまま暖冬のままで推移しそうだ。何しろ、天気予報を見ていても、今年は日本海側に筋状の雪雲がずらりと並ぶことがほどんとないのだ。新潟から北にうっすら筋状の雲が並ぶ程度である。
高層天気図を観てみると、今年はフィリピンの北西側に強烈な太平洋高気圧が居座っている。これが沖縄付近まで張り出して、この縁を流れる西南西の風によって、偏西風が九州あたりで北上し、シベリアから吹き込んでくる冬将軍をブロックし、日本付近の高層では西北西の風が優勢となっている。結局冬将軍は北海道の南東沖合の太平洋へジャンジャンとそれている。北海道は寒気の通り道で例年通りの寒さだが、東海地方から西は平和なものである。例年ドカ雪でニュースとなる山陰などは平和なようで、西日本のスキー場はどこも一部のコースで滑走できない状態が続いているようだ(先日持ち直した)。
ただ、暖冬だからポカポカなのかと言えば、必ずしもそうでもない。というのも、太平洋高気圧から南の風が流れ込み、そして北西の季節風が吹き下ろし、これが日本列島のほんの南側で合体して雲が発生し、偏西風で流されている。この状態が年明けまで続いていた。従って、冬の太平洋側は普段は晴れの日が多いのに、今年は曇りの日が多くなっている。日照が少ない分、体感的には暖かいという日はそう多くはないのだ。それでも気温が高めで放射冷却も少ないので、朝晩氷点下まで下がることはほとんどない状態が続いている。
過去に生物が大絶滅した時は、例外なく寒冷化である。人間とて、寒いよりは暖かい方がまだ生きやすいのだ(砂漠除く)。二酸化炭素が溜まって、温暖化がどうのこうのとか言っているが、別に暑いのは夏の1ヶ月半だけのこと。温暖化して夏が暑くなるなら、その1ヶ月半だけ集中して休んで、海水浴したり標高の高いところの別荘で過ごせば良いだけのことだ。冬が暖かくなれば娯楽としてのスキーは壊滅するだろうが、人々の活動も活発になり、冬でも野菜がジャンジャン栽培できてきっと安くなるだろう。暖房が少なくて済むので、石油の消費は減る。一体温暖化でどんなデメリットがあると言うのか?慶としては、温暖化は大歓迎である。
昨年あまりに寒かったので、慶は桜の開花が遅くなると予測したのだが、これは見事に外れた。それは桜の開花に影響する冷え込み、いわゆる休眠打破という現象がかなり早く発生し、2月の中旬までは寒かったが、それ移行は一気に平年を超える暖かさになったため、桜の開花が順調に進んだのだ。それで言えば、今年はずっと暖かいので、休眠打破は明瞭ではないだろう。強いて言えば、12月28~30日の冷え込みで打破されたと思われるので、それならまあ平年並みかどうかという感じである。
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2017年12月19日 (火)

超激やばインシデント:新幹線で大事故の可能性があった

12月11日、博多発東京行きの「のぞみ34号」で、小倉駅を出てから京都駅を過ぎるまで、異音や焦げ臭い異臭などが続出、名古屋駅でようやく運転打ち切りとなる事態が発生した。その後の調査で、13号車の台車にあるモーターの回転を車輪に伝達するための継手が変色するとともに、ギアボックスに油が付着していることが確認され、さらに台車枠に亀裂が入っていることが判明。これを受けて運輸安全委員会は12日、今回のトラブルを新幹線としては初めてとなる「重大インシデント」に認定した。半世紀以上にわたって築き上げられた「新幹線安全神話」が崩れ落ちる異常事態だけに、JRや鉄道関係者らを震撼させる事態である。
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今回の事故では、3点の重大な問題が露呈した。まず、これだけの異常事態なのに、計器類による異常信号が出ていないということ。異常はいずれも「焦げた臭い」や「うなり音」という、定性的情報だけである。異常信号が出て原因が特定されないと、新幹線は運行停止には至らないという危ない現状が露呈した。では、これだけの故障なのに、それを検出できないとなれば、今の新幹線の計器類は本当に大丈夫なのか?という疑念が生じた。さらにこれに連動する話だが、異常に気がついても、3時間半、乗客を乗せたまま営業運転された点。なにより安全が最優先される新幹線で、異常を抱えたまま3時間半も運行したということで、事故が起きるまで走り続けた可能性も否定できない。そして、最大の問題は、強度のある台車枠に亀裂が入ったことである。電車の台車というのは心臓部分であり、これが壊れるということは、車で言えば車軸が壊れたり、飛行機で言えば主翼が折れるに等しい。最も大事な部分だから、きわめて高品質な素材で頑丈に作り付けてあるわけで、めったに壊れることではない。それが、破断寸前のブラブラ状態だったと聞けば、背筋が凍りつく。
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山陽新幹線では最高時速300㎞、東海道新幹線でも一部の区間を時速285㎞で走る車両であり、16両編成の乗客は1000人にも達する。その台車に亀裂が入ったというのは致命的であり、一歩間違えば高速走行中の脱線、被害者多数という最悪の事態を引き起こしかねない。「重大インシデント」認定は当然の判断といえよう。新幹線の走行前点検は常日頃より行われているのだから、運行前から台車が壊れていたというのは考えにくい。走っている最中に壊れるとなれば、今現在運転している車両でも発生する恐れがある。緊急点検で追加の異常は見当たらなかったということだが、今回走行中に起きているので、また発生する恐れはないのか?
今回は名古屋駅での床下点検で異常を発見できた。新幹線の上り列車は関ヶ原付近の積雪による車輪への氷雪の付着を常日頃から点検・清掃するため、床下の目視による点検体制がしっかりしている。ここで異常を発見できたことは非常に大きかった。まずは迅速な原因究明を行って、すぐに現在運行している新幹線への安全対策を施すことを望む。




2016年12月 4日 (日)

スーパーホテルに★★★★★

慶は出張が多く、たまに月の半分出張していることもざら。そうなると、出張先での生活の質も確保しておかないと、体がどんどんすり減ってしまう。
出張となればホテルだが、サラリーマンの定宿はビジネスホテルが基本。この1万円以下のホテルで、快適さと健康さを確保するは至難の業である。基本は、「寝る」「食う」「風呂」のバランスである。
寝ることに関して、最近のビジネスホテルは大いに進化している。外国ではクイーンサイズ、日本ではセミダブルサイズのベットが基本になりつつある。快眠のためには寝返りが必要であり、狭いベッドではそれが難しい。この「ビジネスホテルでセミダブル基本」を最初に打ち出したのは東横インだろう。今やこの流れは止められない。たまに地方のホテルで狭いベッドに寝るとさみしく、しかも熟睡できない。
次は食う。これも最近のビジネスホテルは朝食サービスを提供するのが基本になりつつある。サラリーマンは仕事で来ているので、朝は特に忙しい。また商談も打合せも午前10時から12時までガッツリ行われることも多く、朝食抜きだと気合いが入らない。ビジネスホテルの朝食というと、トースト、ゆで卵、コーヒーというモーニングメニューが定番だったが、今や和食・洋食のセット、あるいはビュッフェスタイルが過半数となった。それも、ちゃんと宿泊料金に含まれているのである。
最後は風呂。これに関しては実はあまり進化がない。相変わらず狭いユニットバスで、温水便座洗浄機やボトル式のシャンプーやボディーソープが常備されている他はあまり代わり映えがしない。セパレート式のバスなら自宅と同じなので、今後は是非ここらあたりを開拓して欲しいものだ。
他狭い客室に対応した液晶テレビ、インターネット、ドライヤーなどの調度品は確実にそろっており、出張中も普段の生活の質を確保することが可能である。
こうした中、慶がヘビーユーザーとして利用しているのが「スーパーホテル」である。ベットはセミダブルだけでなく、うれしいことにいろんなタイプの枕がチョイスできるようになっている。枕の堅さや高さは個人の好みがあり、安眠に直結するので、このサービスは実にありがたい。また部屋に空気清浄機が必ず常備されている。ホテルの室内はほこりっぽいイメージがあるが、空気清浄機があるなら抜群だ。自宅にさえないところが多いぐらいである。朝食に関してスーパーホテルはビュッフェスタイルであり、それも揚げ物やウインナーなどの加工肉を採用しないなど、かなり健康的である。特にご飯の質に関して手を抜いていないことは意外と知られていない。ジュースも朝は飲み放題。コインランドリーも格安で利用できる。
Super_hoye

これだけのグレードのサービスをやっているビジネスホテルはかなり珍しい。加えてフロントの接客応答も抜群で、わざわざエレベーター前で会釈してもらえる。ほとんどスーパーホテルの回し者かと思われるような書きぶりだが、それだけ宿泊して快適さを感じている証拠である。最近は競争が激しく店舗数が頭打ちのようだが、今後とも今の路線で進んで欲しいものだ。

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