住まい・インテリア

2021年8月 8日 (日)

オリンピックでもガラパゴス丸出し

Cardboard-bed
紆余曲折を経て、東京オリンピック2020が開催された。多くの各国選手団やプレス関係者が来日して日本の様子を世界に向けて発信している。ポジティブなものやネガティブなものまで色々な情報発信のされ方をしているが、慶が気になっているのは段ボールベッドだ。

基本的に段ボールの耐久性ばかりに興味が集中していて、やれ2人で寝れないようにしているアンチセックスベッドだとか、何人乗ればぶっ壊れるかという、ネガティブな情報ばかりが流れている。

中国メディアでも、日韓の放射能フリー弁当を巡る諍いを引用した上で、「段ボールベッドや有償サービスの冷蔵庫などは笑いものとなっており、今回の五輪運営は選手の福祉という点で大きな欠陥がある。開催国として日本は大いに反省をすべきで、外国を批判すべきではない」と主張している(何故か上から目線の論評)。食事や選手村の位置どりなどには何も文句はないので、段ボールベットと冷蔵庫やクーラー(日本語表示のリモコン)に難癖が集中しているようだ。

なぜにベッドに話題が集中するかと言えば、結局のところ、「なぜベッドが段ボール製なのか?」という根本的なところを、相当丁寧に、しかも選手1人1人まで行き渡るようにちゃんと説明しないからこうなるのだ。もしそれでも普通のベットが良いという選手がいれば、普通のベットに交換するサービスまで用意しておくことが「おもてなし」である。被災者ではあるまいし、強制的に段ボールベッドに寝かされたら、そりゃ文句も出るだろう。協力メーカーとしてはマットレスや枕の方に興味を示して欲しいのに、世界的に見て段ボールのイメージが悪すぎて、残念ながら、他の努力の部分がすべて吹き飛んでしまっている。

選手村はいずれマンションとして分譲されるので、わずか2週間の滞在のための調度品なら、出来るだけ一時的に拵えて、しかもリサイクルできたが良い、結果として、災害時の避難所で実績のある段ボールベッドにしようというだけの発想だ。コレは日本人相手なら通用する理屈だが、外国人はいきなり段ボールベッドに1ヶ月も寝かされれば、必ず文句言ってくる。そもそも台風も津波も地震もない国の人にとって、避難所という概念そのものがないのだ。そう、ガラケーと同じく、ガラパゴス論理なのである。再利用して環境に優しいと言いながら、クーラーはレンタルでほとんどが廃棄されるとか、用意した関係者用の弁当は4割も捨てられているとか、全然環境に優しくない運営をやっている。ベッドだけリサイクルしたって、他で無駄が多ければご破算である。プレスセンターもフロアだけで中にも周りにも何もない東京ビックサイトにセットして、ほとんど陸の孤島状態で不満続出。とにかくこの五輪運営委員会のチグハグな対応はひどいもんだ。
新型コロナウイルスによるパンデミックからこの五輪まで、日本の膿は出尽くした感がある。コレが今後の日本再生に繋がる肥やしになれば良いが、官僚主導の細部上手のトータル下手を繰り返している限り、修正は無理なのかもしれない。

2020年10月 7日 (水)

1970年代の建設ラッシュの風景

Piledrivedieselhanma

現在Googleマップで世界中の航空写真や衛星写真をくまなくネットで見ることができる。実は、現在の日本の土地の風景や海岸線の大きな変化は、1970年代から1980年代にかけて起きている。その真っ最中の1975年の地図が以下のサイトで公開されているので、是非一度見ていただきたい。

http://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/webmap/map/lmap.html?data=history

例えば、埋め立て最中の六甲アイランドとか、ゴミで埋め立てられている夢の島などを見ることができる。そう、1970年代は日本中どこでも、土木工事のオンパレードだったのだ。10年ちょっと前の中国と同じ状態だった訳だ。

日本中で大規模な建設ラッシュが行われていた時代、慶は小中学生だった。慶の住んでいた地方でも、この建設ラッシュの大波は当然のごとく押し寄せていた。団地や病院などを高層化したり、川に大きな橋をかけたり、護岸を拡張したり、そこら中で建設ラッシュだ。建設現場にはパワーショベルやクレーンなどの重機がずらりと並び、土砂や廃材を運ぶダンプカー、コンクリートミキサー車などの大型車両、そして、ヘルメットを被ってブカブカのズボンを穿いた多くの工事従事者(いわゆる土方“どかた”)が、朝から工事現場で朝礼を受けている横を通って通学していた。

その建設現場からは、必ずと言っていいほど、猛烈な騒音が町を包んでいた。朝から晩まで、「カーン、カーン」という甲高い爆音が鳴り響き、窓を開けて授業を受けている小学生でさえ、反吐がでるほどしくこく続く騒音。そう、杭打ち工事だ。今も昔も、まず工事は基礎工事や地盤改良から始まる。多くの日本の沿岸都市は岩盤の上に軟弱地盤が乗っているので、岩盤に向けて、電柱より太い鋼管を多数打ち込んで、この鋼管を支えとしてコンクリートの基礎を作り上げる。この鋼管を打ち込むために、巨大な鉄のハンマーが用いられていたのだ。専門用語でいうところ、ディーゼルハンマーあるいはディーゼル式パイルドライバーというものだ。(冒頭の古い写真日本車両のHPより転載)

鋼管をまるでロケットのように立てて、これに櫓やクレーンで倒れないように支持したのち、真上から何トンもある鉄の塊をまるで釘を打つように、地面に向けてしつこく何回でもカーン、カーンと打ち込むのだ。その騒音たるや、すさまじいものがあった。まさに煙を吐きながら、鉄の塊がピョンコピョンコと軽々と上下しているのが遠くからも良く見える。近くを通る時は鼓膜が破れそうなので、両手で耳を押さえて走り抜けるし、遠くでもまるでやまびこのようにカーン、カーンという音が街中に響き渡り、夕方になってこの音が止むと、誰もが、「ふぅ~」とやっと落ち着くのである。今なら間違いなく日常の生活が脅かされるので、訴訟モノだ。ちなみにプロレスの大技パイルドライバー(脳天杭打ち技)もこの重機名に由来している。

特に初期の杭打ちはディーゼルエンジンの爆発力で駆動して高くから文字通り打ち込んでいたのでうるさかった。これが油圧式になると音が静かになって振り上げる鉄の塊の高さが短くなり、しかもゴツン、ゴツンと打ち込む間隔が短くなる。それでもうるさいし振動は相当ある。しかし、今ではそういう風景は全く見なくなった。現在の基礎工事の現場は実に静かである。昔と違ってドリルのような掘削機が回転しながら鋼管を埋め込む穴を掘っている。音も回転させる重機のエンジン音ぐらいなもので、振動もなく、実に快適なものだ。逆に、あのカーン、カーンという音が懐かしくなってきたぐらいである。

杭打ちが終わると、今度はダンプやコンクリートミキサー車の往来が激しくなり、こぼしたセメントが道ばたに巨大な馬糞のごとく落ちて固まっており、小さい小学生はこれにつまずいたりした。しかし、できあがりのビルや橋は実に巨大で丈夫なもので、我が町がどんどん近代化されていくという実感を感じたものだ。

 

2019年6月20日 (木)

シンプルな小バエブロック法2

以前のブログで、慶は小バエの発生に悩まされ、最終的に1匹ずつ誘い出して界面活性剤をスプレーして捕殺するゲリラ戦法を紹介した。

http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-4e0f.html
しかし、基本的には小バエを発生させない予防的な対策が望ましい。そうすると、やはり重要なのは兵糧攻めである。連中の餌となる残飯と小バエを隔離させることである。現在慶は小バエ撃退に成功している。具体的な対策は以下の通りである。
1)三角コーナーを撤去する
2)野菜屑や残飯は、その都度、すべてビニール袋に密封してゴミ袋に入れる。

たったこれだけである。2)のビニール袋だが、基本はスーパーの梱包場所にトイレットペーパーのようにグルグル巻にしてある、薄いポリエチレン製のものが中心だ。野菜屑や果物の皮などは、毎食事にこのビニール袋に入れて、破れないように封をしてゴミ袋に入れる。魚の骨や汁物については、新聞屑などに入れて、コンビニで貰うような小さめのビニール袋に封印して同様に封をする。こうやって、三角コーナーを経由せず、こまめに小バエの餌となる残飯と接触する機会を遮断すると、連中は増殖することができないのである。当然だが、ゴキブリも出ない。
この、こまめに隔離するうえで、薄いポリエチレン製のビニール袋がコスト要因となるが、スーパーで買い物の度に2,3枚貰い、コンビニの小さいビニール袋を併用すると、だいたいこれで事足りる。もし足りないとしても、100均に行けば、このポリエチレン製の薄いビニール袋は、100~140枚入りで入手できる。1回あたり0.7~1円、大したコストではない。これで高い殺虫剤を購入しなくて済むなら安いものである。
ポイントは果物の皮や野菜の屑など、小バエが好む残飯をビニール袋に包んでしまう時に、ほんのしばらくだけ、封を開けた状態で放置しておくことである。例えば、調理時に入れて口を開けておくと、部屋を飛んでいる小バエがこれ幸いとビニール袋の中に侵入してくる。この状態で安心して食事と産卵行動を行っている時に、突然口を締めて小バエごと封じ込めるのである。これを何度か繰り返せば、この梅雨時期であっても、小バエは室内から消えて行く。相手の行動パターンを読み切ってやるのだから爽快だ。

2018年7月18日 (水)

豪雨に極端に弱い都市圏

7月5~7日にかけて、日本の西半分は全域で未曾有の豪雨に襲われ、全国で死者・行方不明者が200名を超える大災害となった。梅雨末期のこの7月にドカドカと降る雨は、古来より日本に大きな災害をもたらし続けた。今回も大雨の直後に梅雨明けとなり、現在は猛暑ばく進中である。
今年の大雨は、過去に例がほとんどない状況だった。まず大雨が数日の間に岐阜県以西のほぼ全域に及んだことである。だいたい梅雨末期の大雨による被害は、○○県の△△地域とか狭い範囲に集中する。今回は岐阜以西はほぼ全域例外なく大雨に見舞われている。それも、線状降水帯という、昨年の九州北部豪雨で福岡県朝倉地方や東峰村を襲ったすさまじい豪雨がそこらじゅうで見られている。この線状降水帯をレーダーで見ると、まるで鉾の形のように真っ赤な集中豪雨帯が何時間も横たわり、少しずつ移動して行き、移動先すべてで山崩れや浸水を引き起こすというもので、まさにとんでもない雨の降り方である。特に7月6日から7日にかけて、これが西日本全域にゲリラ的に現れた。これだけ広範囲に降雨があるということは、それ相応の水蒸気が必要だ。原因は7月3~4日にかけて対馬海峡を通過した台風で、元々梅雨前線が横たわっていたところに突っ込んで来て、これが南の暖かくて湿った空気をどっさり運んできた。そこに北海道付近にあった冷たい高気圧がブロックし、太平洋高気圧の縁を回り込む元々湿った南西風と台風が運んできた湿った空気が西日本の上に溜まって、そこに北の高気圧から吹き込む北東風でブロックされて積乱雲を次々に発達させて大雨をもたらしたようだ。
西日本全域に雨が土砂降り状態になり、そこかしこで山崩れや浸水が発生した。被災者には心からお見舞い申し上げたい。そうした中、死者の数から言うと、中四国地方に被害が集中し、特に広島県での死者数が全体の半分と突出している。広島県の大雨による被害と言えば、2014年8月19日夜から20日明け方にかけて、広島市安佐南区八木・緑井・山本および安佐北区可部を中心としたごく狭い範囲で発生した集中豪雨(これも線状降水帯)により土石流が発生し、74人が直接巻き込まれて死亡した。これも大災害だった訳だが、たった4年でまた同じ広島市近郊で、またも土石流災害が発生したのである。もう少しさかのぼると、1999年6月29日にも広島市佐伯区と今回被害が大きかった呉市で豪雨災害が発生し、死者・行方不明者32名の被害が出ている。
これだけ豪雨による死亡者が集中する場所は珍しいのではないか。豪雨が同じ場所ばかり狙い撃ちすることは確率的にないので、今回の豪雨に関して、広島の東西の県庁所在地を中心としたアメダス観測結果を少し調べてみた。
今年の雨が降っている際のピークの48時間の降雨量をアメダスから拾って並べてみる( )内は最大時間降雨量
広島330mm(44mm)
呉 368mm(51.5mm)
東広島314mm(52.5mm)
松山314.5mm(33mm)
和歌山355mm (65.5mm)
岡山310.5 (26.5mm)岡山だけ72時間降水量
岩国357mm (48mm)
福岡337mm(31.5mm)
太宰府457mm(47mm)
こうして並べて見ると、今回被害が大きかった広島市、東広島市、呉市の降水量は特に他の被害がそれほど大きくなかった地域とさほど変わらない。どこも48時間降水量は300mmを超えている。太宰府は調べた都市の中では457mmと突出しているが、今回の豪雨で死者は出ていない。
このことから、広島市近郊は他の地域で災害が出ない程度の雨でも崖崩れなどの被害が高率で発生する危険地帯であることが明白である。
今回土石流が押し寄せた広島市坂町や府中町の映像が何度もテレビで流れていたが、現地からのリポーターは、「砂が堆積」と言っていた。土ではなく、砂が流れているのである。これは中国地方の特徴的な地質の一つである、「真砂土」である。御影石などで有名な堆積岩の一種である花崗岩が風化して堆積した地層が真砂土である。鹿児島県のシラス台地同様、崩れやすく崖崩れや土石流の原因となることで有名なのである(慶は学生時代地理が得意だった)。しかも、こうした花崗岩が風化して真砂土で覆われた山肌を削って、住宅地がひしめいている。そう、崩れやすい山の裾野に住宅密集地。それは被害が出て当然の組み合わせである。
しかし、既に宅地開発してしまった以上、今から危ないとなっても移住はできまい。また、砂防ダムをいくら造っても、あっという間に押し流されてしまう。今更自分たちが住んでいるマイホームが危険地帯と言われても、手放しても売れる訳はなかろう。そういった意味で、住む場所というのは、駅前からの距離とか、あるいは安さで選ぶべきではない。危険、汚い、臭いの3K住宅を掴まされないように、十分な注意が必要である。
広島県というのは、我々が想像する以上に山地が海まで迫り、わずかな平地に多くの人が住んでいるところなのだ。ある意味で日本の縮図でもあり、ここでの災害対策は、日本中で人々が安心して暮らすうえでヒントとなるかもしれない。

2017年12月12日 (火)

魔法の油汚れ取り術

食器を洗う時に、なかなか落ちないのは油汚れだ。台所洗剤で泡だらけの状態でこすり、水道水で苦労して洗ったのに、油汚れが残って水をはじいたり、茶色いシミが残っているのをみると、せっかくの苦労が報われずにガッカリする。もちろん、しつこく洗っても良いが、「だいたい落ちればいいや」という感じで放置がほとんどだろう。そうすると、次回はその汚れの上にさらに油汚れが雪だるまのように付着して、さらに落ちにくくなるというものだ。
そうなると、さらに台所洗剤を濃くしてこすったり、あるいはつけ置き洗いということになるのだが、こういうことが日々重なると、食器洗いが嫌になってくる。そもそも台所洗剤は手荒れの元凶でもあり、地球環境にも良くない。できれば使わないに限る。そうした中、食器の油汚れを、洗剤を一切使わずに拭き取ることができる秘密兵器がある。それはメラミンフォーム、すなわち使い捨てのスポンジだ。この巨大な角砂糖のようなスポンジはプラスチックでできているが、これで食器を拭き取ると、お見事!といわんばかりに油汚れが落ちる。ある程度水洗いして、軽く水切りしてからこのスポンジでこすると、洗剤で洗った以上にスッキリ、ツヤツヤだ。これにより、洗剤と水の使用量を劇的に少なくすることが可能である。
Sponge
しかし、慶はこの原理が良く分かっていなかった。スポンジなので、単純に汚れを吸い取っているかと思うが、濡れたままでも吸い取るし、なにより紙などで拭いてもここまできれいに油汚れはとれない。そうしたところ、テレビでやっていたが、プラスチックというのは油と親和性があり、例えば手に付いたベタベタ油汚れをきれいにとろうと思えば、スーパーの袋でから拭きするときれいにとれるという。実際に慶が鶏肉をさばいて油だらけになった手を、スーパーの袋で拭いてみたところ、確かにツヤツヤになるほど油汚れが取れてビックリした。そう、メラミンフォームが油汚れを取るのも同じ原理なのだ。
食器も手の汚れもこの方式で油がとれるとなると、顔の脂や足の脂もこの方式でとれるということになる。試しに良く台所の三角コーナーとして売ってある写真の不織布で顔や足を拭いてみると、お風呂に入った訳でもないのに、サラサラとなった。タオルで拭くのではなく、プラスチックの不織布などで拭き取りとなれば、まずホコリはほとんど出ないし、使い捨てだから、水も洗剤も使わない。車のワックスの拭き残しや、窓ガラスの曇りもこの方式で相当きれいになる。そうなると、スーパーの袋は一度拭き取りに使ってからプラゴミで出すと良いだろう。この拭き取り術をこまめに活用すれば、水の使用量を抑えつつ、汚れを効率的に除去することに繋がるだろう。



2017年8月 3日 (木)

小バエ撃退法(ゲリラ戦)

梅雨から真夏にかけて、色んな虫が出没して苦労させられる。ゴキブリ、蚊、ムカデ、アリ、ダンゴムシ、ハエ、コクゾウムシ、ダニ、などなど。ホームセンターやスーパーへ行けば、各種殺虫剤が用意されており、それで解決することがほどんどなのであるが、1つどうにもならないヤツがいる。小バエである。
慶が住んでいるところで発生する小バエについては、市販の殺虫剤が全く効かない。噴霧しても普通に飛んでいるし、流しのゴミにべっとり噴霧しても、平気で飛来して繁殖している。そもそも普通のハエと小バエで殺虫成分に対する感受性が根本的に違うのか、それとも小バエは殺虫剤への進化適応を果たしているのか分からないが、とにかく全く効かない。最も腹が立つのは、液体殺虫剤の機械の上で平気で交尾している姿を見た時だ。我々人類の英知で開発した最強殺虫剤が、こんなしょうもない虫けらの前で無力であるというのを思い知らされることは、実に歯がゆいものである。
小バエを捕集するものも売ってはあるが、あくまでこれにトラップされる馬鹿な奴らは一部に限られ、これをやってもトラップされるよりも、引っかからない狡猾なヤツがより多く繁殖するので、ほとんど効果はない。
そうなると、ゴミをベランダに出したりなど、兵糧攻めという対処療法になってしまう。しかし、いくらゴミを外に出したとしても、排水溝など、水があるところで連中は確実に繁殖するので、根絶やしにはできない。だからといって、冬まで待つこともできない。
そうした小バエとのいたちごっこの末に慶がたどり着いた対策は、「ゲリラ戦」である。小バエを1匹ずつ仕留めて行くのである。むろん、手でパンパン叩いたりではない。
小バエというものは、水っぽいものに寄ってくる。野菜や果物のクズは大好物であるし、生ゴミ、生卵の殻、ビールやワインの残滓など、何でも好物である。連中は一見ランダムに飛んでいるようだが、これらの食料のところへ確実に寄ってくる。この習性は、ゲリラ戦を仕掛けるのに好都合なのである。食料さえ用意しておけば、相手側からのこのこ集まってくるのである。これを1匹ずつ仕留めることで、劇的に室内の生息数を減らすことができる。
準備するのは市販のスプレー、それと台所洗剤だけである。台所洗剤というのは、濃度が濃い界面活性剤である。この界面活性剤というのは、大昔より、あらゆる生物に対して猛毒として作用することが知られている。公害問題がやかましかった頃、この界面活性剤と農薬は、生物を殺す毒物として、徹底糾弾されてきた。それだけ有名な毒物だから、下手な殺虫剤より強力なのは「常識」なのである。しかも、生物にとって、界面活性剤に対する耐性は生じないから、確実に作用する。
台所洗剤を100倍程度に薄める。これで相当な泡が発生する筈だ。流しに食品トレーなどを置き、この上に好物の野菜や果物の切れ端、肉汁などを染みこませたテッシュなどを置いておく。そうすると、数分もしないうちに、小バエが群がってくる。連中は人間の存在などお構いなしにたかってくる。ここで薄めた界面活性剤をスプレーして、濡らしてしまうのである。小バエの体は水をはじくようにできているが、界面活性剤入りのスプレーでは見事に絡められてしまう。そして、ぬれて3秒もすれば動きが停止し、即死する。実にあっけないものだ。これを繰り返していると、驚くほど早く室内から小バエが殲滅される。濡れるとすぐに死ぬので、そのうちハンティング感覚で楽しみながら駆除できる。気がつけば、あれほど悩まされた小バエが、1日で消滅することになる。小バエに悩まされている人は、是非試してみてはいかが?
ちなみにこの界面活性剤攻撃は、ゴキブリやムカデなど、殺虫剤で即死しない相手でも有効である(濃度はかなり高くする必要あり)。
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2017年5月10日 (水)

シナミザクラ(暖地桜桃)サイコーです

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我が家の庭木の一つであるサクランボ。正式には「シナミザクラ」という。商品名は暖地桜桃である。以前ブログで実ができたことを書き込んだが、その後連続して実を結実し続けている。3月上旬には満開の花を咲かせてくれる。花の寿命は3~5日ぐらいと短いが、ソメイヨシノ同様に、まず先に花弁が満開になるのできれいなものだ。そしてだいたいGW後半から明けに実が赤く熟して食べ頃となる。花で魅せて、実で楽しませる。真夏の盛りでも青々とした葉を繁らせて生き生きとしている。なんとも優秀な庭木である。

このシナミザクラの最大のメリットは、「結実性」、すなわち、1本で自家受粉して実がなるということだ。大概の果樹では雄木と雌木があって、最低2本並べて植えないと受粉せず、思うように結実しない。ヤマモモやサクランボが典型である。1本だけだと虫が運んでくれるか、もしくは風で遠くから飛来した花粉がまぐれあたりで受粉するしかない。農家なら手作業で受粉を行うが、素人の狭い庭木で同じものを2本も植えるのは無理だ。その点、シナミザクラは自家受粉するから、確実にすべて結実する。鈴なりの実を見ると、「お見事!」としか言いようがない。さすが中国原産だけあって、しぶとい。また実も色がきれいだし、食べても甘酸っぱく、立派なサクランボである。調べると缶詰のシロップ漬はコレのようだ。

一方、残念な部分もある。まず実の数は多いが、サイズはかなり小さい。食べ応えがないのである。もちろん、沢山結実するから絶対量は十分であるが、何度も何度もくわえては種を出すという作業は面倒である。また、この実が小さいうえに非常にデリケートで、軽く指でつまむだけで皮がずるむけたり、傷ついて傷んだりする。冷蔵庫で2日も持たない。魚の賞味期限より短いこのサクランボの実は、ほぼ流通不可能である。自家消費しかあり得ない。
生食ですべて食べるのは無理なので、慶は2通りの方法で賞味している。まずいずれも種をとってから冷凍保存する。種の取り方であるが、へたのところに右手親指の爪を立ててマイナスの切り込みを入れ、先端部分を左手でつまむと種だけが出てくる。これを延々繰り返す。できるだけ滴り落ちる果汁を漏らさないようにする。そうして種を取った実をフリーザーバッグなどに入れて一旦冷凍保存する。冷凍保存すると若干どす黒くなるが、味は変わらない。1つめの賞味方法はジュースだ。溶かして、バナナやパイナップルと一緒にミルクシェイクにする。イチゴとはまた違う、高貴な香りが楽しめる。これが最も簡単な賞味法だ。2つめはジャム。このシナミザクラの実でも、イチゴ同様にきれいなジャムができあがる。ただ皮が薄く実は白いので着色は弱い。これをパンに塗ってもよいが、クラッカーの上にのせたり、ヨーグルトに入れたり、実に楽しいものだ。
それで結論としては、もし家を購入したりして、庭木を検討するのであれば、何も悩まず、このシナミザクラを植えた方がよい、ということである。



2017年2月13日 (月)

文化財の民間保存は良いことだ

テレビ東京の「開運!何でも鑑定団」は実に興味深い番組である。鑑定に付されるお宝は実に様々。陶磁器、掛け軸、絵、書、おもちゃに景品と、ありとあらゆるものを鑑定し、価格を付けて行く。いわゆる骨董価値を専門家が鑑定するということで、実にわかりやすい番組である。既に23年間も放送されている長寿番組である。
番組としては、「本物か偽物か」「いくらぐらいするのか」が焦点である。いろんな人がお宝を抱えて現れ、お宝の自己鑑定結果、取得することになった経緯、持っていることでの不安感などいろんなストーリーを吐露し、最後に鑑定で真偽を決するというものだ。お宝はほぼ無限に出てくる。
Everything_judgements

正直鑑定結果はアテにならない。かなり腕利きの鑑定士が出演しているとは言え、間違いもあるだろうし、価格は主観が入る。例えば中島先生は「高め」の鑑定結果を下してくれるが、渋ちんの大河内先生は「屑同然の価格」しか下してくれない。弁護士の見解も良く分かれるぐらいだから、やはり1つの商品に対して、3人ぐらいの鑑定結果を得てざっと平均をとるべきである。
しかし、慶は価格や真偽には着目していない。以下の2点でこの番組はとても貴重であると思う。
1つめは、民間に流れてしまった貴重な文化遺産の再発掘である。この番組がなければ、行方不明になった文化遺産の所在を明らかにすることはできない。国や自治体の博物館で所蔵すべき地域の名品が、次々に明らかになっている。まるで地中に埋まったお宝を織り出すように、民間からお宝が出てくる爽快さはなんとも言えない。日本は幕末期と戦後の貧乏な時に、国内の文化遺産を相当外国に売り渡した。また、先の戦争で焼けたりして遺産は相当なくなっている。特に本来沢山あるべき古い絵画や屏風、武具の類いはこの番組でもあまり登場しない。かろうじて残っている遺産を掘り起こし、真偽と所在を明確にすることは大事な遺産データベース作業であろう。
2つめは分散保存の重要性だ。博物館などに重要物品を所蔵することは一見重要に思えるが、火事や津波のような天災が起こると、一気に遺産が紛失あるいは瑕疵してしまう。だいたい今の博物館とかも、展示しているのは所蔵品の一部であって、しかもレプリカばかり。どうせ本物を展示することはないのだから、レプリカごときに金を払って見物するなどばからしい。金目のものはリスク分散、広く薄く保管することが基本である。従って、民間に流出した遺産を買い戻したりはせず、そのまま善良な所有者において継続保管して貰った方がよい。その本物の映像を4K映像を駆使して博物館などで上映すれば良いのである。

2016年11月 8日 (火)

たまには地面も意識しろ


博多駅前の目抜き通りにおいて、巨大な陥没事故が発生した。地下鉄の掘削中に地下水層を打ち抜いてしまい、土砂ごとごっそり落盤し、地上に巨大な陥没が生じた。この手の事故は、乱開発著しい中国などでは日常茶飯事である。彼の国から届けられる画像を指さしながら、「こんないい加減な工事は日本ではあり得ない」と笑っている訳だが、なんと日本でも起きてしまった。
Hakata_kanbotsu

ただ奇跡的であるが、穴には誰一人、車両1台とも落ちなかった。陥没が起きる前に素早く交通規制を敷いたからだ。また、陥没した地点のビルについても、しっかり岩盤まで杭が打ってあり、倒壊の危険性もないとのこと。ここらの「失点回復力」「転ばぬ先の杖」に関しては、さすが日本という感じがした。
それにしても、今回の陥没地点の断面をみても分かるように、地下にはいろんなライフライン、鉄道などが縦横無尽に走っているのである。東京の地下鉄工事のルポなどを見ていても、地下は構造物が網の目のように走っており、その隙間を縫うようにトンネルが掘られている。我々が想像する以上に、地下は空間だらけなのである。こういう事故が起きて始めて、地下は穴だらけというのを実感する次第である。
日常において、地面というのは、不動の存在だ。木の苗一つ植えるのに、穴を掘るのは大変だ。黙っていれば、地面というのは、千年、万年不動である、という意識で凝り固まっている。しかし、我々が都市開発をすることにより、地面というのは不均一な重力の影響を受けて、いつでもゆがんだり陥没する危険性があるのである。穴がなくとも、元河川敷、池、海というところを埋め立てて都市開発した場合、地震の際に液状化を引き起こして建物が倒壊する恐れもある。だから、自分が住んでいる、通っている地面というのは、本当に不動の存在であるのかどうか、この機会に点検した方がよいだろう。

2014年9月20日 (土)

イラガ駆除に四苦八苦

うちの庭木の中で、唯一食用できる実をつけて呉れるのがサクランボである。人の背丈を少し超える程度まで大きくなり、植えて5年のうち、3年間実をつけている。買ってきた初年度から実をつけていたが、3年目に病気にかかり、葉が黄緑色で萎縮したままほとんど成長しなかった。翌年も不調だったので、住友化学園芸の「ビスダイセン」を夏頃処方したところ、半分ぐらい復活したがすぐに落葉時期になり、残念ながらその次の年も実がならなかった。5年目は春先から快調で、100個ぐらいおいしい実を実らせてくれたのである。実をつける庭木ほど愛おしいものはない。
今年は農薬を使わなくても葉が青々と茂っていた。しかし、9月に入ってから葉っぱがどんどん少なくなってきた。サクランボは結構早めに落葉する木ではあるが、青々しているのに葉が少なくなるのはおかしい。良く良く見ると、黒い糞が大量に葉の上に乗っているし、葉っぱが鋭利にかじられている。犯人を捜すと、イラガの幼虫であった。どっさり食らいついている。
背中に濃いブルーのラインがあり、オレンジ色の角が2カ所ある。イラガなので、全身棘だらけ。ネットで調べると、「ヒロヘリアオイラガ」という東南アジアからの侵入種とのこと。畜生、去年は何も無かったのに、今年はこいつらか。ここで何もしないと葉が食い尽くされてボウズになってしまい、来年の春にサクランボの実が期待できない。面倒だが駆除するしかない。
殺虫剤は使いたくないので、割り箸で1匹ずつつまみ上げていく。見るからに毒々しい幼虫だ。1時間ぐらい格闘すると、トータル49匹も出てきた。何たることか。気がつくのがまだ早かったので良かった。子供の中学校の校庭に植えられたサクラの小木で、イラガに食い尽くされてボウズになったのをみたことがある。愛おしいサクランボがボウズになるのだけは何としても避けなければならない。
Iraga_juvenile




駆除して一安心と思いきや、途中不用意に右手の甲が幼虫に当ってしまい、激痛が走り始めた。刺されてしまったのである。害虫の逆襲である。虫刺されの薬(オイラックス)を塗ったら30分ぐらいで傷みは収まったが、翌日から激しいかゆみに襲われる。命に別状はなく事なきを得たが、招かざる客に苦闘してしまうものである。
よく無農薬、減農薬野菜がもてはやされているが、露地栽培で農薬使わずに野菜を栽培するなど至難の業である。農家にとって、雑草と害虫はこの世から抹殺してやりたいほど敵である。そのためなら除草剤だろうが農薬だろうが使える手は徹底して使いたいというのが本音に違いない。だって、ネコの額程度の庭しかない慶だって、人力で雑草や害虫を駆除するにはとてつもない手間と時間がかかる。農家でもないサラリーマンが、土日をどんなに使っても、投入できる尽力には限界がある。それを越えた分を除草剤や農薬に頼ることは致し方ないのではないだろうか。
害虫も雑草も、己の種を保存するのに必至だから、戦いでどちらが生き残るか、根気比べの世界である。自然相手にチキンレースを繰り広げるのは勘弁したいが、ある意味人生ゲームにも似たところかあり、結局おつきあいして折り合いをつけて、「人生の糧」と位置づけて行くしかないのだろうなあ。