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2022年6月 5日 (日)

失われた30年の原因・要因を考えて提言する

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GD Freak!より引用

日本の経済的な停滞が続いて既に30年経過している。気がつけば中国にGDPは追い抜かれ、国内で半導体もスマホもマスクもワクチンも開発・自給できない弱小国になってしまった。この先も日本経済の没落が進むため、日本円はどんどん売られてすさまじい円安が進行している。国際通貨の円がまるで通貨危機のような売られ方である。この長期の景気低迷から抜け出すために、ありとあらゆる方策が打ち出されてきた。公共事業によるバラマキ、法人税減税、現金や商品券のバラマキ、異次元の金融緩和。やることはすべてやったと言えよう。しかし、すべて不発だった。
なぜにあらゆる施策が空振りに終わるのか?この原因を考える前に、我々国民をめぐるお金の流れに関する事実関係を押さえておく必要がある。
寺島実朗さんが発信するYouTubeチャンネルにおける解説で詳しいが(https://www.youtube.com/watch?v=u4fws877ln0&ab_channel=TOKYOMX)、勤労者家庭可処分所得や家計支出が長期的に減少していることがとても重要だ。日本人が一番消費のために金を出していたのは、1993~1997年の間であり、それ以降、一環して減少している。日本のGDPの6割が内需なので、この消費支出の減少はGDPの減少、金回りの低下を即引き起こす。面白いのは、バブルの頃がピークではなく、バブルが弾けて、3~7年後ぐらいにピークが来ていることである。この1990年代の中頃というのは、消費支出が多いだけでなく、公共交通機関の輸送量などもピークだ。このピークが現れた原因を説明できれば、現在の消費支出の減少を説明できるのではないだろうか。
1人あたりのGDPをみると、1990年代前半にピークに達して、その後は横ばいが続いている。GDP自体は減っているのではなく横ばいなので、パイの大きさから言えば、1990年代のピークの頃の経済規模を維持することは可能な筈だ。このピークに達して4,5年間は日本人も金を使っていたが、その後使う量を漸減させ続けている。すなわち、金回りが悪くなっている証拠である。実際、変わらないGDPの中で国民の資産は増えているので、金を使わず貯蓄に回していることが明白である。これは企業の内部留保が増えるのと同じ心理だ。長期的に経済が低迷するという前提で、危機に備えている。結果として、金回りが悪くなって経済が停滞している。これを打破する切り札として異次元の金融緩和を行ったが、やはり将来不安が消えない以上、企業も個人も態度を変えることはなかった。
次に人口構成比であるが、これはとても明瞭で、この1990年代の消費支出ピーク時は、18~60才までの労働人口が一番多かった時代である。団塊の世代とその子供が同時に働いて居た時代である。給与収入で生計を立てている人が多ければ、それだけ支出も多くなるのは当たり前だ。今は団塊の世代はすべて労働者人口から退出している。それだけ年金生活者の比率が高ければ、消費支出は自然と減少する。年寄りは飲み食いと病院代ぐらいなもので、あとは孫にばらまくお小遣いぐらいなものだ。お金を使う働く世代が減少したことは、金回りを悪くした要因の一つである。
それと、少なくなった労働者の質も大きく変わった。まず非正規労働者が増えた。派遣やパート労働者が増えたのだ。当然実質給与は少ないから、特に派遣労働者は消費支出が少なくなる。パートの方も上がらない正規職員の給料の下支えなので、これが消費支出に回る可能性は高くない。増えない給料が前提であれば、外食をやめる、無駄な習い事には通わせない、車は維持費の少ない軽自動車に買い換える。そういう動きが全国的に進んだのだ。
そして、慶が金回りが悪くなった最大の戦犯と考えるのは、今の働き方改革に繋がる超過勤務撲滅運動だろう。1990年代までは超過勤務が非常に多かった。民間企業などでは、夜の10時、11時に帰宅なんていうのもザラだった。正に働いて、帰って寝るだけの生活である。その分、本給に毎月5~10万円ぐらいの上乗せがあった。もちろんボーナスも別にある。そうなると、金はあるが時間はないという状況になるので、消費支出としては、土日に散財旅行したり、趣味に金をつぎ込んだり、外食したりと、貯金ではなく使う方向にベクトルが向かう。今は金は減って時間はたっぷりあるという環境なので、金のかからない土日の過ごし方という方向に流れてしまう。家でネット動画をずっと見ている、キャンプが流行るというのは、一見相反する現象のように見えるが、金を使わず時間をダラダラ潰すという意味では同じ行為だ。
要約すると、以下のような現状がある
1.GDPはまだまだ高い水準で維持されている
2.余暇の時間が増えてもGDPには貢献しない
3.正規給与以外の上乗せ分が多いと消費が増える
4.資産増えても運用はしない
5.労働人口は増えた方が良い
以上のことから、今後日本の経済を回復させる、わかりやすく言えば、金回りを良くする秘策が見えてくる。

1.休暇を減らす
 余暇が多いとダラダラして金を使わない。一方で、労働時間を減らすのは国是なので、労働時間を延ばすことはできない。そうなると、国民の休日を減らすことがいい。国民の反感は大きいかもしれないが、毎日定時で帰れるなら、休日は要らないだろうという理屈も成立可能だ。そもそも年金生活者が多くなっている。年金生活者は毎日が土日なので、少なくなった労働人口の人にはめいいっぱい働いて、お金を使って貰ったが良い。元天皇の誕生日とかを国民の休日にするのでは、大義がない。国民の休日は減らした方が良い。

2.一時金を増やす
 超過勤務は企業としても避けたいところなので、労働再分配率を増やすために、ボーナスの上乗せで対応するのが良い。その際、働かないおじさんではないが、労働生産性の低い社員については、ボーナスの大幅カットを行うことが望ましい。ボトム2割を大幅カット、あるいはゼロにして、ミドルと上位2割に大幅に上乗せするのだ。能力給は世界的に当然の流れであり、このことにより、労働者の流動性もさらに増すことになる。

3.女性の正社員を増やす
 少子高齢化の中で労働者を増やすためには、専業主婦撲滅作戦を行うことだ。専業主婦が多い理由は、扶養手当で守られているからである。表向きは少子化対策となっているように思われているが、全然少子化に歯止めがかからない。ならば、この制度はいますぐに廃止して、専業主婦が多いと年金の受け取りも不利になるように制度を改変することだ。逆に正社員として働けば、乳幼児の預かりや子供手当増額など、様々なメリットがあるようにすると良い。乳幼児を抱えて職場に通勤できるなら、少子化対策の切り札になる。企業の内部留保が多いのだから、会社内に保育施設を設けることなど簡単の筈だ。

4.普通預金はマイナスとなる制度にする
 通常の普通預金では、預けても実質マイナスになるような制度にする必要がある。すなわち、元本割れだ。課税するという道もあるが、それをやると政権交代が何回も起きる。元本保証があるから、運用せず預金するのである。普通預金で持っていても、インフレになれば実質マイナスである。そのことを国民に思い知らせる必要がある。どうしても元本を保持したい人は国債を買うか、自宅で現金もしくは貴金属でもっておく。そうでなければ、投資信託や株や外国為替で運用させる。それだけでも、国内の金回りが劇的に良くなる。特に高齢者は預貯金の運用で資産を増やして欲しい。金を抱えてあの世には行けないのだから、人生の中で資産は使い切るという覚悟が必要だ。

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