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2021年12月27日 (月)

岸田内閣発足後すでに84日間が経過

Kishidashijiritsu

毎日新聞の世論調査結果

岸田内閣が発足して84日間。政権の正体が見えてくるのに発足後100日間というのが重要な見極め期間であることは、民主主義国家ならどこも同じだ。要職をこなしながらも、カリスマがなく決め切れないという評判の岸田さん。お手並拝見というところで、野党も表立った個人攻撃は控えているようだ。前任の管総理は安倍政権を忠犬のように下支えして、自身が総理になってもその路線を変更せず、野党の反発を喰らっただけでなく、国民にもその強権的な素性を知られてしまってレームダック化していた。従って、岸田政権は、発足直後からその後始末で苦労することは想像に難くない。支持率を見ると、出だしはそうでもなかったが、現時点で支持率の下降傾向はなく、むしろ上昇している。

まず政権人事をみてみる。最重要ポストである幹事長に論功労賞として当初甘利議員を充てたが、なんと直後の選挙で落選して自滅した。選挙自体は自民党圧勝だったのだが、さすがに陣頭指揮を執る幹事長自らが落選では格好が付かず、辞任。その後、実務派で派閥や安倍元総理のコントロールが効きにくい茂木議員を幹事長ポストに充てている。加えて、茂木議員が動いた後の外務大臣ポストに同じ山口県を地盤とし、安倍元総理とは選挙区内で相当な競合関係にある林議員(参議院からの鞍替え出馬)を充てている。また、安倍元総理におんぶにだっこで担がれて総裁選で高得票を得た高市議員も、閣僚には入れずに総務会長というポストにつけたことも手堅い。この人事を見ると、かなり用心はしているが、要所で脱安倍色(3A支配からの脱却)が出ており、岸田総理としても、かなりフリーハンドを得た形になっている。まあ年齢といい政治経歴といい安倍元総理も岸田総理もほぼ同じなので、別に遠慮することはないのだ。自らの意志で自由にデッサンすることが良いに決まっている。

他の閣僚はベテランでガチガチに固めてある。安倍内閣時代は安倍と個人的に近い人脈・思想で固めていたので何かと失言ばかりしている閣僚が多かったが、今のところ閣僚の滑り出しは手堅い。失言もスキャンダルもほとんどない。官房長官も手堅いし、鈴木善幸の息子の財務大臣も手堅い。反射神経だけが取り柄の、前の経済再生担当大臣のようなハリボテも見当たらない。特に安倍・管政権時代の失言王である麻生太郎議員を名誉職に追いやった効果は絶大だ。これだと野党も攻めにくいだろう。

政策的なところを見ると、まだ政権発足直後で国会論戦がほとんどない状態なので評価が難しいが、管理費が莫大にかかっていたアベノマスクの処分を発表、森友問題で自殺した官僚の妻が民事で訴訟していた裁判で争わずに敗訴を受け入れrるなど、安倍政権時代の負の遺産を精算しつつある。国民レベルでは、無症状者でも無料でPCRを受けることができる体制作りを表明。さらに、最近はコロナに感染したあるいは濃厚接触者となった受験生も安心して受験できるように文科省へ指示するなど、安倍・管政権と比べるとアドバルーン的な愚策ではなく、地に足着いた善政重視で様変わりした様子が感じられる。岸田議員は一貫してハト派路線を歩んできたので、聞く耳持たずで権力を振りかざし、官僚を好き放題にコントロールしたりマスコミをあげつらったりは絶対にしないだろう。「人の話を聞くことだけが唯一の特技」というだけあって、どこに政治的な判断のニーズがあるのかよくわかっているようだ。

ということで、慶の岸田政権への評価はかなり高いと言える。ただ現在は新型コロナウイルスの流行が落ち着いており、外交的にも突発的なイベントは無いので、そもそも静かと言えば静かだ。少なくとも中国は北京オリンピックが終わるまではおとなしいだろうし、アメリカもバイデン政権が早くもレームダック化していて、トランプのように日本にあれこれ要求してくる余力もない。朝鮮半島は向こうの大統領選挙が終わるまで放置だ。景気は原油価格、その他材料価格や輸入品停滞や運送料上昇でこの先も急上昇傾向が続くことは必至で、よちよち歩きを始めた消費回復に急ブレーキがかかる恐れもある。公明党に押し切られた10万円配布では、岸田カラーを出せずに調整能力が弱いところが露呈した。アメリカが人権問題で外交的ボイコットを表面しているが、日本は判断を先延ばしでうやむやにしようとしている。もちろん、アメリカのご機嫌ばかり取っている必要はないのだが、判断を先延ばしにしても結果は変わらない。日本だって、尖閣を盗み取ろういとされているのに、笑顔で政府要人をゾロゾロと中国に派遣することなどできる訳ないのだから。正に決めきれない男の本領発揮という瞬間でもあった。これから、難問が次々に押し寄せて来た時に、決め切れない男が本当に迅速に適切な判断ができるのか、お手並み拝見というところだろう。

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