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2021年11月23日 (火)

日本だけ新型コロナウイルスが終息した状態にある摩訶不思議

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あれだけ猛威を奮っていた新型コロナウイルス。オリンピックが終わる頃から急激に減少しはじめて、11月23日の全国の新規感染者はたったの113人。26の県で感染者ゼロとなっている。第5波の時は、全国で1日あたり2万5千人も感染者が出ていたのだ。それからすると、ほとんど終息したと言っても過言ではない。

9月いっぱいで各種の規制が緩和されて、街中の人流はかなり増えている。そろそろリバウンドするぞと何度も言われてきた。昨年も10月いっぱいはおとなしかったが、11月に入ったぐらいから激増して、年末はすさまじい感染者数であった。しかし、各種のお願いモードの規制がなくなり、人流が戻って2ヶ月近く経過した11月末の現段階で、リバウンドの兆候は全くない。おかげで日本シリーズも通常に近い観客を入れての開催となっている。

これが世界的な傾向なら疑問もわかないが、なぜか日本だけなのである。世界的、特にヨーロッパでは10月に入ってから秋冬の流行モードになっている。お隣の韓国でさえ、過去最高の感染者数を叩きだしている。つまり、日本だけ終息モードなのだ。これは明らかに何かがおかしい。

ロシアで感染者が多い理由はワクチン接種率の低さにあると言われる。しかし、ドイツや韓国のワクチン接種率は日本と同じか高いので、感染者数の違いはワクチン接種率の違いだけでは説明できない。人種や地理的な問題も関係ない。そうなると、ウイルスの性質が変わってしまったというところに単純解を求めないと説明できなくなる。国立遺伝学研究所が提示したウイルスのコピーミスの累積による自滅説というのがネット上に流れている。確かにそれは仮説として魅力があるが、なぜ日本だけそうなっているかの説明にはなっていない。感染者数が多ければ多いほどコピーミスも発生する訳で、なぜ諸外国より感染者数が少ない日本でコピーミスが発生するのか説明がつかないのではないか。何より、実行再生産指数は、1を下回っているものの、だいたい0.8前後で一定数なので、ウイルスが自滅して感染力が劇的に下がったとも判断されない。

また、慶が以前のブログで提示した、「日本では一通りウイルスが蔓延し尽くした」という考え方も、英エディンバラ大学で疫学を研究するマーク・ウールハウス教授が唱えているようだ。ウールハウス教授によれば、「一定の人」の間でウイルスが感染し終えた可能性を指摘している。特にデルタ株は、急速に感染拡大する特性を持つが、感染の収束も早いと、日本の感染者数減少についてコメントしている。つまり、感染リスクの高い行動を取る人たちがほとんど感染したことで免疫を獲得し、ウイルスの連鎖が起きにくくなったというわけだ。局所的に集団免疫が発生したと考えればわかりやすい。都市部の若者で第5波までの感染による局所免疫ができた可能性は高いだろう。ここまでは慶の見立てと同じことを言っている。

インドにおけるデルタ株の大流行でも、急激な拡大と収束が見られている。しかし、インドでは感染によると思われる抗体の保有率が90%以上と日本と比べると異常に高い。日本はそこまで感染していない。インドと日本の現象を同じ目線で比べることはできない。なにより、デルタ株はワクチンによる免疫を持っていてもブレークスルー感染を引き起こす。実際日本でも、第3波で感染した人が第5波でも感染している。一度感染しても、一定時間経過したらまた感染するものなのだ。インドもあと半年したらまた感染者が増え始める可能性が高い。

そうすると、「ワクチン接種率の高さ」に加えて、人流が増えてもなお、日本人だけ感染が起こりにくい行動特性が維持されていると考えないと今の現状は説明できないもちろんウイルスに感染しやすい行動をとる若者が一通り感染してインドのような感染による集団免疫ができた可能性はひとつある。これに加えて、特に他の国で起きているブレークスルー感染が日本ではあまり起きていないことが挙げられる。それは、なんだかんだ言って、マスク着用率や手指の消毒率の高さで説明できるのではないだろうか。すなわち、他の国ではワクチン接種者がマスクを取って通常生活に戻るのに対して、日本人はワクチンを接種完了してもなおマスク着用や手指消毒を愚直に続けている。それも第5波以降は不織布マスクを中心にやっている。お店の入口にはアルコール噴霧器が相変わらず常設されている。ワクチン単独効果だとブレークスルー感染で秋冬の再拡大を止めれないが、ワクチン+全員不織布マスクだとブレークスルー感染さえ防御してウイルスの再拡大を完全阻止する。そう考えたが良い。

しかしこれから早期のワクチン接種者の免疫が徐々に落ちてくる時期に入る。ブレークスルー感染もこのワクチンの感染抑制効果が落ちれば自ずと増えるので、このまま日本だけ終息することはなく、年末ぐらいからジリジリ上昇モードになるのは明らかだろう。高齢者から順番に免疫が切れるので、また病院や高齢者施設でのクラスターが年明けぐらいから出てくるかもしれない。ただ、これも3回目のブースター接種で回避することができるので、仮に第6波が来たとしても、これまでよりもかなり小さい山でかつ死亡者も少ないということで済みそうだ。そうなると、日本だけは、ほぼ出口が見えたと言って良い状態だろう。ゼロコロナ対策をやっていた国は中国と台湾以外ほぼ失敗している。日本は最初からゼロコロナ対策をしていないし、ロックダウンも営業禁止措置もしていない中で、感染者や死亡者を相当に抑制した勝利国になるだろう。

 

 

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