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2021年11月 2日 (火)

2021衆議院選挙の構図を読む

Soumusho_vote-racio
総務省で公開している過去の衆議院選挙の世代別投票率
今回の第49回衆議院選挙については、当初の下馬評を覆すかのように、自民党・公明党の政権与党の圧勝に終わった。その理由は、「投票率の低さ」に収斂する。どちらの政党も組織票が多いからだ。いわゆる無党派層と言われる浮動票は、有権者に占める割合も多く、バランサーのようにどっちに転ぶか分からない。しかし、この浮動票は滅多に投票所に足を運ばない。無党派層=政治に興味なしなのである。世論調査で、「たぶん投票する」と回答する3割の人間は、よほどのことが無い限り投票しないという無党派層である。その多くは、若い世代、働き盛り、女性である。しかし、「サイレントマジョリティー」と言われるように、物言わない有権者の意思もくみ取るのが民主主義の王道である。
投票率が低くなりはじめたのは平成に入ってからだ。政治の安定性が増して、何もしなくてもそこそこ世の中が回るようになったからだ。ただし、何回選挙をやっても投票率が上がらない理由は、一昔前と現在は微妙に異なる。一昔前(10年前後より以前)は、政治への期待度、問題解決のニーズに合わせて投票率が上下していた。バブル崩壊後の不景気が深刻化していた2005年あるいは2009年の選挙では投票率が高かった。まさに、世の中が政治によって閉塞感を打破することを求めていたからだ。実際2009年の高い投票率であった第45回衆議院選挙時では政権交代が起きた。しかし、その後は低投票率状態が常態化している。この要因は政権交代のニーズがどうのこうのではなく、メディア側に問題があると思われる。
いわゆるメディアによる世論調査が細かくなってきて、事前に有権者の動向が報道されるようになってきた。与党と野党のどちらが優勢か、あるいはある選挙区の候補が拮抗しているか、それとも無風選挙になりそうなのか、事前に粗々分かるのである。そうすると有権者の心理として、「どうせ投票しても自分の1票が反映されない」となり、投票所に足が向かわない。投票率が下がれば、組織票に強い自民党と公明党が躍進する。ここ10年あまりはこれの繰り返しなのである。
メディアの世論調査をやめろとは言えないので、そういう状況で投票率を上げるためには、もう投票所に足を運ばなくても、スマホでポチっとするだけ一票の投票行為を行えるようにしなければならない。しかし、これは組織票で持っている政権与党には致命傷になる可能性もあり、まずやらないだろう。だから野党は政権与党の批判をする前に、まずは投票率を上げるための政策提案をし続けることに尽きる。

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