« 民主主義の欠陥は直らない | トップページ | 2021衆議院選挙の構図を読む »

2021年10月28日 (木)

デジタル敗戦を受けてどこまで修正されるのだろうか

All-home-working
新型コロナウイルスのパンデミックにより、国内は非常事態宣言下と同じような臨戦態勢となった。闘う相手はウイルスという目に見えない微生物、しかもヒトからヒトへと伝播する感染症だ。対策はソーシャルディスタンスという新語が示すように、できるだけ他人と会わないことが主な対策だ。運良くというか、過去のパンデミックと異なり、現代はインターネット情報網ですべての情報がやりとりできる時代だ。対策はネット環境を使ってできるだけ情報のみやりとりする方式が各国でとられた。
しかし、日本社会はこのネットへの対応で、世界の嘲笑を受けるほど遅れていた。その嘲笑の具体例を以下に示す。
・コロナの発生情報を国が集計するのに都道府県からのファックスをフル活用、2日遅れの情報集約。博物館に置いてあるファックスをまだ使っている国があるとバカにされると、都道府県のホームページの情報を、国が委託した民間業者が閲覧して数字を手集計する方式に改めるというお粗末さ。
・保健所によるクラスター追跡も電話ベース。保健所職員は疲弊。SNSを使って陽性者に問診する特別サイトもない。
・公立の小中高ではオンラインなど全く出来ず休校。大学はオンライン授業に切り替えたが、ほとんど通信教育状態で、これで授業料丸々とるのかとクレーム続出。
・給付金はオンライン申請されたのを紙で打ち出して口頭で読み合わせ。しまいには、手書きで郵送の方が早く処理できると呼びかける始末。申請内容をそのままシステム上で処理できないのだ。
・在宅勤務は1、2割止まり。非常事態宣言が出ると無理矢理在宅勤務に切り替えるが、実質は家でブラブラ。
ここまでダメダメ状態が続いたので、メディアでは「デジタル敗戦」という言葉まで出てきた。実際OECD加盟国の中では、感染症対策はダントツでできていたのだが、肝心のデジタル化で効率化させるという部分では完敗だった。負けは負けとして認めるしかないだろう。
元々日本は労働生産性を上げる必要性があったので、これはピンチでもありチャンスでもある。当然ここで嘲笑を浴びたものは、すべて徹底して改革して行くしかない。
まずやるべきは役所関係の申請の徹底デジタル化である。申し込み画面がスマホでできても、その後の処理が機械的にシステムの中で進まないと真にデジタル化とは言えない。入力間違いやなんやらで役人のチェックが必要というが、結局は文字情報のチェックである。住所、氏名、生年月日、収入情報などなど、あらゆる個人情報はデジタル化して暗号化できる。そのためにマイナンバーカード制度があるのではないか。今回のコロナウイルス対策でも、給付金申請でマイナンバーカードを読み取ることはあったが、もっとこれを徹底したら良いのだ。国が運用するシステムと個人がダイレクトにオンラインで結ばれれば、紙ベースで手続きする必要などない筈だ。そのことによって、膨大な事務手続きが省略できる。
次に在宅勤務だ。既に欧米では在宅勤務が当たり前になりつつあり、そうなると会社に通勤する必要もないので、郊外に出て自宅で働く方向に切り替えが進み始めた。このおかげで戸建て住宅の建設ラッシュとなり、木材価格が暴騰しているほどだ。少なくともエッセンシャルワーカーを除く、三次産業のホワイトカラーは在宅勤務でほとんどができるだろう。営業も自宅から直接顧客のところへ足を運んでも良いのだ。会社は結果だけ報告を受ければ済む。日本ではもともと通勤時刻が長らくストレス要因だったが、在宅勤務が増えれば毎日行く必要もないし、通勤時間も自由に設定できるだろう。たまに会社に行くにしても、朝から行く必要なく、昼飯食ってから出かける半日出勤でも良いのだ。
また病院とかでも、リモート問診なら自宅でできる。年寄りとか、薬を貰うためだけに病院に行って問診を受けて、薬局で薬を貰って帰るというパターンが多いが、リモート問診を受けて、自宅近くの薬局で薬を受け取るということは簡単にできる筈だ。
事業所での労働はリモート化が難しいが、生産現場のオートメーション化はさらに進むだろう。そうなると資本力がモノを言うので、多くの中小企業が統廃合で系列化されることはありだろう。
問題は義務教育の学校だ。ハッキリ言ってリモート化が非常に難しい。もちろん技術的にはできるが、対面とリモートの併用だと、逆に学校側の負担が大きい。パソコンを導入できない貧しい家庭への補助も必要となり、行政コストが上昇する。親が在宅勤務で子供もリモート授業だと、パソコンが各自1台必要ということにもなる。ここは諸外国の動きもみながらの対応になるだろう。ただ、地方の僻地では、子供が何キロも歩いて通学したりバス通学しているので、そうしたところは徹底してリモート化すれば、行政コストが大きく減る。

« 民主主義の欠陥は直らない | トップページ | 2021衆議院選挙の構図を読む »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 民主主義の欠陥は直らない | トップページ | 2021衆議院選挙の構図を読む »