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2021年10月24日 (日)

民主主義の欠陥は直らない

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中国が台頭してきた関係で、いわゆる専制主義と自由主義の対立概念が先鋭化している。G7の国々が標榜しているのは、自由と人権、開かれた資本という概念である。これを資本主義の原理原則と解釈されているが、これは専制主義の対立概念ではない。専制主義への対立概念は民主主義である。その民主主義の原則は主権在民であり、意思決定は多数決の原理と少数派への配慮という形で実現される。主権在民の制度下では、投票行動ですべての意思決定が行われる。こういうことは学校でもしつこく教えて貰っており、今更こんなブログで書くほどのことでもないのだが、これがどうにもうまく行っていない。日本だけでなく、世界中の民主主義国家で同じフラストレーションで悩まされて、各所で問題が発生している。そのフラストレーションが最も露見していたのが、アメリカで巻き起こったトランプ旋風であり、自由主義国家群で最近極右政党が勢力を伸ばしていることも、この民主主義に対するフラストレーションが温床になっていることは間違いない。

トランプ前大統領の行き方は間違いなく専制主義だ。民主主義の仮面を被った独裁者の登場であった。基本独裁者だから何でも実行できるし、金正恩ともウマが合う。しかし、これは主権在民の法則から言えば似て非なる振る舞いである。なぜこんなことが起きるかと言えば、民主主義の欠陥に見事に切り込んだからだ。では民主主義のフラストレーションの本質とは何だろうか?慶は代議制という蟻地獄だとみる。選良民を選択するために投票行動を行う訳だが、まずここで選ばれた選良民が自分が投票した候補者でなければ死票となる。また仮に意中の候補者が選良民として選ばれたとしても、全く期待外れの政治活動しかやらないケースがほとんどだ。いや、マトモに政治活動していない、サラリーマン化した政治家が多すぎるのだ。さらには、タレント議員など、見た目と人気だけのポピュリズムも横行しやすい。結局、投票しても何も変わらない、これが民主主義のフラストレーションであり、制度的に不可避の欠陥制度である。まさに蟻地獄である。

トランプはスローガンだけは「けたたましく」、やっている政治的決断はシンプルなものだ。国際的な貿易の枠組みから脱退する、隣国や同盟国には金を払えと圧力をかけ、ロシアや中国は敵国と罵倒してミサイル発射も辞さないと恫喝する。モンロー主義とも言われるが、体の良い孤立主義と言っても過言ではない。しかし、有権者から見れば、「有言実行」ということで、人気は出る。政策的に倒錯していても、民主主義のフラストレーション(現状が何も変わらない)を解消してくれるという快感は得られるのである。

新型コロナウイルスという大惨事を経験して初めての国政選挙になる。どうしても争点は感染症対策になりそうなのだが、感染症対策の基本は皆が住んでいる市町村や県が主体だ。国は新薬開発やワクチン調達、外国から感染者がジャカジャカ入ってこないような水際管理だけやって貰えば良いのだ。主権在民だからと言って、地元の市町村長の首長選挙や議員の選挙、都道府県知事選・議員、衆参国会議員選挙、全部同じ政策で投票行動するから訳が分からなくなるのだ。身の回りのことのほとんどは市町村、道路や橋など公共財や産業政策は都道府県、国政は年金制度や外交・国防、金融政策と政策を区切って選択することが重要だ。国会議員がコロナ対策だとか農業政策を演説で言って拍手を貰っている限り、国政レベルで選良民が出てくることはない。

大事なことは、投票するまでではなく、投票したあとにある。常に選良民がちゃんとやるべきことをやっているかどうか監視して、ダメなら次回の選挙で投票しない。これの繰り返しでやっていくしかない。そうすれば、反射神経だけのボンボン二世三世議員も少なくなるだろう。

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