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2021年9月26日 (日)

中国不動産バブルの行方はどうなる????

Chineseclaimer

コロナ禍になってから、株価の上昇が天井知らずだ。不況対策として世界的に金融緩和をやっている関係でお金がだぶついていて、猫も杓子も株式投資に熱心だ。特に少額でスマホから投資ができるようになった関係で、個人投資家の参入が著しい。こうしたなか、先週世界的に少しだけ株が暴落した。きっかけは中国だった。

中国の不動産デベロッパーである恒大集団が経営危機に直面しているのだ。この企業は国が所有する土地を仕入れてマンション開発を進め、中国の不動産バブルを追い風に急成長。2020年に物件販売面積で2位になった。不動産以外にも、映画制作や自動車製造、ヘルスケアなど幅広く事業を展開。傘下のサッカーチーム、広州FCは2度のアジア王者に輝く強豪で、元イタリア代表DFのカンナバロ氏が監督を務める。この絵に描いたようなバブリー企業が、33兆円もの負債を抱えて、利払いの度に経営危機が叫ばれているのである。

報道によれば、中国当局は地方政府に対し、恒大集団の経営破綻に備えるよう指示しているようだ。中共は巨額の債務を抱える同社の救済に二の足を踏み、経営破綻による経済・社会的影響をにらんで対策を進めているようだ。前々から資金繰りに行き詰まっているという噂があった企業なのだが、ギリギリまで引っ張っていたところ、ついにデフォルトの危機が目の前に来たということだろう。

こういう場合、対応は2通りある。1つは政府による救済(国有化)。もう一つは完全整理(倒産、解体して営業譲渡)である。通常は後者が多く、事業ごとに他社に営業譲渡されたりするのだが、あまりに影響が大きいと取り付け騒ぎになって、他社も連鎖的に経営悪化を招いてデフォルトの嵐になってしまう。そうなると手がつけられないので、その前段で政府による救済策、いわゆる徳政令が発せられる。おそらく、資本主義国家と異なって中共による怪力が発せられる可能性が高い。一時的に国有化して分社化されるという流れだ。

日本のバブルは100兆円もの負債を抱えていた。それに比べれば、世界第2位のGDP国家が33兆円を肩代わりするのは難しいことではない。しかし、日本でも100兆円の負債のうち、最初に焦げ付いた6.4兆円あまりの負債を処理するために、大もめにもめた、いわゆる住専問題だ。住専とはバブルの真っ最中に投機的な不動産投資を行っていたノンバンクだ。正にバブルの急先鋒で、多くは都市銀行や農林系金融機関が出資した会社が派手に土地や建物の転売をやっていた。当然最初に負債が焦げ付いた。これを精算するために、政府与党は税金6700億円を投入して処理したのだ。6.4兆円すべてを税金で面倒見たわけではなく、親元の銀行にも手分けして精算させた訳だが、これには国民が大激怒した。そう、バブルで散々踊って勝手に損をした成金崩れの連中(会社)を、なんで血税を入れて助けるのか(実際は潰したのだが)、そういう不満である。一般庶民はボーナスが増える以外、バブルの恩恵はほとんどなかったのだから、当然の怒りである。当時の国民は連鎖倒産というリスクに疎く、潰れるべきものは潰せ、税金は1円も使うなというのが既定路線だったのだ。

その後、さらに負債が表面化する度に政府の動きが注目されたが、住専問題処理で政府与党も官僚(大蔵省)もトラウマを負ってしまい、それ以降は税金投入による救済はできるだけやらない方向で進んだ。細かく言うと、公的資金を資本投入して一時的に返済能力を高めることがあっても、それが完了したら投入した資本部分は国に返してもらう、一時的に税金を投入するが全額返して貰うという行き方だ。結果、状態が非常に悪い山一証券、北海道拓殖銀行は経営破綻で消滅、日本長期信用銀行はハゲタカファンドに10億円で買い取られて、新生銀行として2200億円以上で売り飛ばされるなど、バブルの精算を代表するような結果となった。大蔵省による「銀行は1行も潰さない」という神話が崩れた瞬間であった。

こうした日本の過去の状況に照らし合わせると、中国バブルの担い手はかつての日本のノンバンクそものであり、恒大集団の救済は住専処理のようなものである。これだけ大きくなった中国バブル、はじけるはじけると言いながらもう5年ぐらい続いていたが、大手が潰れると一気に潮目が変わるのは過去も今も同じだ。恒大集団をうまく処置できたとしても、バブルの精算はさらに続くことになるだろう。また日本が国際社会で資金調達を行う際にジャパンプレミアムという余計な金利を取られて苦しんだのだが、もし中国のバブルが弾ければ同様な道を歩むことになる。

日本のバブル崩壊は日本人には大きな痛手で、経済の没落要因となったが、世界経済には何の影響も及ぼさなかった。日本国内でお金がグルグル回っていて、損をしたのは日本人そのものだったからだ。今の日本政府負債もほとんど日本人が持っていて、いざとなれば外国に借金することにはならない。現在の中国の不動産バブルも、踊っているのは中国人で、しかも個人が結構な投資の担い手になっている。だからデフォルトしても世界恐慌にはならない。中国人が損しておしまいなのだ。一方でもしバブルが完全に弾けると負債者が億人単位で出てくる。中国人がそもそも不動産投資など元本保証ではない、損すれば自己責任であるということを100%知った上でやっているなら良いのだが、どうも写真の中国人はそう見えない。投資したからには必ずリターンがあると信じ切っているようだ。それで暴れ始めたら、手がつけられないが、たぶん、香港のように、国民に銃口を向けて弾圧するのだろう。

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