« シャカタクShakatakuの衝撃 | トップページ | テロとの戦いから20年経過、結局は憎しみと虚無感だけが残った »

2021年9月 3日 (金)

パッとしない総理大臣、たった1年でおしまい

Ex-jpn-prime-suga
昨年の8月末、持病の悪化で突然総理を辞任した安倍前総理のあとを受けて、当時長年官房長官として安倍内閣を支えてきた管が総裁選に立候補、大派閥の推薦を受けて、ほぼ不戦勝に近い状態で総理大臣の椅子を射止めた。ここで管は解散総選挙を行わず、政策実行で国民へアピールする戦略を打ち出した。携帯電話の値下げ要請、デジタル庁の創設、温室効果ガスの大幅削減、安心安全な東京オリンピック・パラリンピックの開催など具体的な政策を並べ、国民に対して「仕事師」としての自分を強くアピールしたものだ。
農家出身だ、東京に出稼ぎで出てきて苦労したなど、世襲議員ではない、「たたき上げの苦労人」「庶民派」のイメージを強調し、官房長官時代の人脈を活用して、周りの意見や考え方をよく聞いて判断し、人心を掌握できる人物だと思われていた。

しかし、マスコミから聞こえてくる印象は実態とはだいぶかけ離れている。総務大臣や官房長官時代には、官邸主導を徹底するために、お気に入りの官僚を登用し、刃向かう官僚はどんどん人事異動で閑職に追いやる。結果、霞ヶ関の官僚は恐れおののき、忖度という言葉まで流行したものだ。森友・加計問題はその極みであった。官房長官からそのまま日本のトップに躍り出て威勢は良かったが、この忖度官僚が次々に不正で退場処分となった。森友・加計問題で足元をすくわれないよう、検察トップで政権よりの黒川検事長の定年延長をしかけたものの、賭けマージンをマスコミにバラされてあえなく沈、総務省などは、菅のドラ息子と飲食してしまったために、主要な幹部が全部処罰されて出世街道から消えてしまった。その際も、あれだけ子飼いにしていた官僚が消えて行くのを、ただ黙って見送っていたものだ。冷徹、使い捨てとはこのことだ。横浜市長選挙では、腹心の小此木議員を国会議員を辞めさせてでも立候補させたものの惨敗。しまいには、神奈川県連から、総理の選挙応援はしないとまで言われてしまった。

とにかく、自分の思う通りにしないと気が済まない。意見に耳を傾ける素振りもない。そのくせ権力にはしがみつく。わがままジジイ化している。悪いことに国民へ直接語りかける術がなく、マスコミの質問にも真摯に答えない。これが果たして国の舵取りという重い責任を担うことができる政治家なのだろうか。そう思わせる、凡庸すぎる総理だった。人気が落ちるとマスコミアピールとばかりに、コロナ対策を19時と21時のNHKニュースに合わせて発表したり、姑息な対応をやっていたが、そもそもネットに地上波のテレビは食われていて、そんな時間でNHKニュースを観ているのは、高齢者ばかりでほとんど効果はない。

今回起死回生とばかりに大好きな人事権を行使しようということで、自民党の役員や閣僚を一新して選挙に臨もうとしたが、そもそも党の顔が不人気なわけで、管が総理に座ったまま選挙に突入して勝てると思っている人は誰もおらず、そもそも選挙前に人事するのはおかしいという反発を食らって腰砕け状態となって辞任に追い込まれた。結局のところ権力欲に溺れた爺さんなのだろう。正に老害だ。伏線は政権発足当時からあった。日本学術会議の任免権問題だ。共産党に関わりのある大学教授を排除した訳だが、学術会議という政治とは何の関わりもない組織の人事まで、いちいち総理大臣が口出しするのかと驚いたものだ。そう、人事大好きジジイなのだ。地元横浜では、市役所の課長レベルの人事まで口出ししていたようだ。政治家、官僚を人事で抑え込み、意のままに操るのは彼の唯一の十八番だった。だが、最後に伝家の宝刀である人事権を抜刀して振りかざしたものの、その陰で使い捨てにされた人々が累々と横臥していく事実が知れ渡っていて、もう辟易として裸の王様になっており、みんなにそっぽを向かれた。正に、策士、策に溺れるという結果になった。

正直こんな最低の総理大臣に、戦争並の国難であるコロナ対策を任せるなどどだい無理だったのだ。1年で退陣に追い込まれて、国民のほぼ全員が残念と思うことは一切なく、「やっと無能で権力ボケした爺さんが居なくなる」と一息付くのだ。

勝海舟が、政治は誠心誠意で行くしかないと残しているが、他力本願で実力もない、日本国の羅針盤となるビジョンも欠如し、ただただ権力欲ばかりで、それでいてトップの器でない人間が裏工作だけでのし上がった成れの果てがこれだということだ。

次の自民党総裁選は候補者乱立でワイドショー的には注目されるだろう。国民は指をくわえて見ているだけなのだが、権力闘争に縁遠く、視野が壮大で、私利私欲に溺れず、日本国のビジョンを明確に示して未来に投資できる清貧でカリスマ性を備えた人材に絞り込んで欲しいものだ。

« シャカタクShakatakuの衝撃 | トップページ | テロとの戦いから20年経過、結局は憎しみと虚無感だけが残った »

経済・政治・国際」カテゴリの記事