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2021年8月 6日 (金)

最強のアペタイザーかもしれない「ところてん」

Tokoroten
慶は家庭の食事にもコース料理方式を導入すべきではないかという考えを持っている。日本人はせっかちというか、いわゆる定食が典型的なのだが、最初に全品ドーンと並べて出す。確かに広いお盆に全品並べてテーブルに置かれると、「お~」という贅沢な気分にはなる。しかし、どうしてもがっついて、血糖値が上がるし、食事をゆっくりと楽しむという食べ方ではない。家庭でも同じだ。カレーライスの日は、サラダとてんこもりのカレーライスが最初からテーブルにある。コース料理というものが日本で普及するかどうかは別にして、じゃあ、コース料理はどういうものを想定するかがポイントとなる。コース料理というのは、サラダ、前菜、メインディッシュ、デザートが基本である。日本人は夕食でパンをつまんだりしないので、日本人的には、サラダ、前菜、メインディッシュ、ご飯もの、デザートもしくはお茶という順番が基本だろう。
外食だと、最初に出てくるのはサラダだ。これはこれで良い風習だと思うが、お腹が空いている時は、最初にガツンと行きたいという気分もある。サラダが出ても、野菜嫌いの人は見向きもしないケースもある。居酒屋だとお通しということで、きんぴらゴボウやほうれん草のおひたしなどが出たりする。しかし、これとて、根菜であり、サラダの延長線上だ。
健康を気にする人ならだいたい基礎知識として入って居るかと思うが、血糖値がガツーンと上がるのが体には良くない。お昼に丼やラーメンを食うと、最初の一発目で炭水化物が入るので、血糖値が急上昇するのだ。これはインシュリン分泌に負担をかけ、こういう食生活を続けると肥満体質となり、血管も痛んでいく。そういった意味で、前菜にサラダとう選択は、健康のことを考えると、実に合理的な選択なのである。ただ、どうしても最初にガツンと行きたいという欲望に、サラダで応えることは難しい。
しかし、日本人というのは天才というか、歴史的にいろいろと吟味されて、最適な食材を見つけ出している。食事の前の最初に一発目に胃袋に放り込む候補として、サラダに勝る食材がある。それは「ところてん」だ。
そもそも、ところてんとは何者か。材料は海藻(テングサ)だ。これを煮詰めて凝集させた、無色透明の凝固体である。全体の98〜99%が水分で、残りの成分のほとんどはアガロース(多糖類)である。食べても腸内で消化されないので、栄養価はほとんどない。ただの水と食物繊維である。しかし、その効果は絶大だ。血糖値の上昇を抑制できる。空腹の状態で食事を摂って、血糖値が急上昇すると、血糖値を下げる「インスリン」が過剰に分泌され、糖質が脂肪として身体に蓄えられやすくなる。しかし、ところてんに含まれる食物繊維は、糖質を吸着しながら、胃から腸へとゆっくり移動していくため小腸において栄養素の吸収スピードがゆるやかになり、食後の血糖値の急上昇を抑えるのだ。さらに、動脈硬化や心疾患のリスクが高まるコレステロール値に関して、ところてんに含まれている食物繊維は胃で吸収されないまま腸へ移動した後、コレステロールや胆汁酸を吸着するなど、コレステロール値低下につながる。ほか、ところてんには腸内環境を正常化し、便をやわらかくすることもできる。生野菜のサラダに含まれる食物繊維は微々たるものなので、ところてんの効果は絶大である・
ところてん自体は味のないゼリーなので、当然味付けが必要だ。前菜、すなわち、お腹が空いた時にドーンと胃に放り込むアペタイザーとしては味付けが重要だ。幸いなことに、ところてんは様々な調味料と相性が良い。最も普遍的なのは二杯酢あるいは三杯酢をかけた物にゴマやノリなどを添えて食べるのが一般的だ。ほか、ネギ、きな粉、刻んだキムチ、ドレッシング、何でも合うのだ。これをつるっと一発目に食べれば、しばらく空腹が和らぐ。毎日行けるのではないか。特に夏の暑いときほど冷えたところてんは心地よい。
日本人がところてんを食べ始めた歴史は古い。最古の記録は、正倉院の木簡に記されているという。江戸時代には庶民の間食として好まれ、砂糖もしくは醤油をかけて食べられた。いまでいうところのスイーツ的な存在だったのだろう。これだけ歴史のある食材なのだから、今後もずっと存在感を示して欲しいものだ。

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