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2021年5月 9日 (日)

米中対立の構図下での日本の安全保障の今後

 

トランプ政権の後半、は公然と同盟国に大幅な軍事負担を突きつけ、応じなければ撤退だと恫喝外交をやり始めた。トランプの個人的資質がそうさせていたとは言え、これに多くのアメリカの労働者階級が賛同していたことも事実だ。しかし世界の警官が突然警備費を大幅値上げしてくる事に対してNATOも日本も韓国も激怒して当惑したものだ。アメリカを中心とした同盟関係にヒビがはいることは、ロシアや中国を利するというのは誰が考えても明白なことである。不動産屋で無学なトランプにはそうしたマクロな視点でアメリカの覇権を維持するという発想はなく、工場を国内に戻してジョブを増やすとか、個別案件ごとの対応しかできなかった。結局僅差ではあるが、こうしたトランプの下世話な外交方針が葬られ、中道右派のバイデン政権が発足した。先週、バイデンは議会で演説を行ったが、同盟国との関係を修復しつつ、中国の専制主義と対決して打ち勝つと宣言した。トランプ路線を継承しつつ、団体戦で中国を打ち負かそうという、堂々とした宣戦布告である。

これを受けて、日本はどう現状を再構築するかである。戦後日本は憲法で禁じられた戦力保持と交戦権についてそのままにしておき、日米安保条約と自衛、専守防衛のための自衛隊を保持することで安全保障体制を構築してきた。正に憲法の拡大解釈で無理強いの安全保障体制を維持してきたのである。憲法9条をどこまで引っ張るかにもよるが、既に拡大解釈は限界に来ているし、肝心のアメリカは勢力が落ちたので、共に闘おうと共同戦線を呼びかけている。日米安保も日本は主がアメリカで従は日本だと思い込んでいるが、アメリカはあくまで先頭で戦うのは日本であり、アメリカは後方支援しかしないよという立場である。そりゃそうだろう。アメリカに独立国家の防衛を全面請け負うという発想はない。まして、日本は白人国家でもキリスト教国家ではないし、何よりかつての敵国なのだから。
またロシアだけでなく、中国の台頭が著しく、加えて南朝鮮が北朝鮮とくっついてアメリカを中心とした同盟関係から抜けて親中の仮想敵国になる恐れもある。どう考えても、日本は自前で防衛体制を強化しないと立ち行かなくなるだろう。しかし、現実的には人口減少とGDP縮小、少子高齢化で防衛費負担や安全保障体制の強化は難しい。どう見ても日本の安全保障体制は八方塞がりにように見える。ただ現実を見据えて冷静に考えてゆくことも大事だ。
比較的日本の安全保障事情と近いのはイギリスやフランスだろう。国力もアメリカ、ロシア、中国と言った超大国と比べればそう大きくない。徴兵制もない。唯一の違いは旧植民地を世界中に持っているかどうかだ。日本は海外まで空母打撃群を展開して旧植民地を支配する必要はない。だからイギリスやフランスと比べればもっとシンプルでいい。何より周りを海に囲まれているので、早々には外国に占領されない。安全保障体制も制空権と制海権を維持しつつ、ミサイル攻撃に集中すればいい。世界展開をしているイギリスやフランスに比べれば、やることはとてもシンプルなのだ。
こうしてみると、今後の日本は独自の防衛力強化(徹底した自衛権の向上)で深化した安全保障体制を構築するしか道がない。特に潜水艦の機能強化とミサイル防衛システムの効率化が重要な視点だ。軍人の数が少なくてもIoTの技術を駆使すれば、無人攻撃機や無人潜水艦だって導入できる。スパイを使った情報収集やサイバー攻撃は憲法9条には一切触れられていないので、ジャンジャンやったら良いのだ。もう憲法の論議はうち捨てておいて、最前線での無人化、リモート化、サイバー攻撃能力の向上を推し進めるため、民間兵器産業の育成を通じて新たな安全保障体制を構築する必要がある。
日本の本土には日本人が多数住んでいるので敵国勢力が上陸することはなかろうが、ミサイルを撃ち込まれて焦土化し、厭戦気分に陥る可能性はある。特に原発に向けて集中的にミサイルを打ち込まれると福島原発と同じことが起きてしまうので最悪だ。そうした最悪の事態を想定した上で、対応を考えておく必要がある。またアメリカは日本と中国が衝突しても最前線では血を流さないと言っているが、有事の時に米軍の強力な支援がある事には変わりがない。従って、普段から自衛隊と米軍の一体化を進めておく必要があろう。米軍の強力な後方支援は憲法9条の枠外とみなすしかない。詭弁ではあるが、憲法9条の改正ができないなら、米軍との集団的自衛権については、憲法の規定する枠外、自衛権を巡る国際紛争であると言い切って、実質的な安全保障を担保するしかない。

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