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2020年9月30日 (水)

日本民族の成立過程ー1/2

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慶もこのブログでだいぶ歴史や民族について独自の視点で語ってきたところである。日本人のルーツにこだわってきたところもあって、かなり弥生時代に傾注した記事が多数並んでいるところだ。しかし、ルーツとなると、そもそも日本列島に人類が降り立ったところから論議しないといけない。弥生時代の前史、縄文時代や旧石器時代については、自分で書いた記事がほとんどない。そこで、今回は思い切り遡って、人類の起源、旧石器時代から縄文時代までを一気に振り返ってみたい。

そもそもであるが、現生人類、いわゆるホモ サピエンスが出現したのは今から12万年前、アフリカ大陸中央部で、人類はそれから遙かなる拡散の旅を続けてきた。アフリカを出発した人類は、主に4方向へ散らばった。一つはそのままアフリカに留まった人類。これは現在のアフリカ大陸の黒人が直系の祖先である。また、一度アフリカを出たのち、イランの辺りから、西、すなわちヨーロッパ方面へ移動したのがコーカソイド、いわゆる今の白人である。また、海岸沿いにインドを経由して、さらに海を渡ってオーストラリアやニュージーランドへ移動したのがアボリジニの直系である。イランの辺りから東、広大なユーラシア大陸を分散しながら東進したのがモンゴロイドだ。当然だが、我々日本人の祖先、縄文人はこのモンゴロイドの直系である。

人類がアフリカを出発した時点から、日本列島は島国である。大陸から海を渡って上陸しないと日本列島にはたどり着けない。アフリカから遠く、かつ離島ということで、人類が進出するにはハードルが高いお土地柄だ。では、日本列島にモンゴロイドが上陸したのはいつ頃か。これは教科書的には3万5千年前と言われている。なぜなら、長崎県佐世保市の福井洞穴から、日本列島最古である、3万2千年以上前の石器(サヌカイト)が出土しているからだ。石器となれば、自然に出来たものではないし、そもそもサヌカイトは香川県で出土する鉱石であり、それが長崎県に自然と飛来したり流れ着くことはない。間違いなく、上陸した人類が、石器を見つけて流通させていた証拠である。しかも、この洞窟は津波が来たり、あるいは地滑りを起こすような大規模な地震が起きそうにない場所で、時間通りに地層が積層している。すなわち、やらさせはまず絶対にない。人類、日本人の祖先が、3万2千年前に存在した絶対的な証拠である。ただし、石器や土器や壁画が出てきたから、全部それは現世人類であるホモ サピエンスであったとは断定できない。なぜなら、今は絶滅しているネアンデータル人やデニソワ人についても、ホモサピエンスに近い能力を持っていたことが分かってきたからである。例えば8万年前の石器が出てきたから、それが即縄文人とは断定できない。場合によってはデニソワ人が上陸して作成したものの可能性も捨てきれないからだ。ただ、日本人にデニソワ人のDNAがみられるという証拠は今のところないので、この可能性は低い。沖縄あたりから島伝いに本土へとホモ サピエンスが入り込んで来たようだ。

そこはさておき、日本列島に上陸した現世人類の直系である縄文人であるが、種々の状況証拠からアイヌ人と完全に同じらしい。アイヌ人というのは、江戸時代まで北海道に前史以来の生活様式を保持し、混血もなく暮らしていた。なんと明治時代にはアイヌ民族を取り扱うために、「北海道旧土人保護法」なる法律もあったほどである。しかし、まだ混血が進む前のアイヌ人の写真を見て、腑に落ちない人が多いかもしれない。アイヌ人は毛深く、まるで西洋人のように目鼻立ちがしっかりとしており、今の現代日本人とは似ても似つかない。服装なども、日本の伝統様式とはかなり異なり、装飾が多く、動物の皮革や羽を多用している。そもそも遺伝子解析技術が発達する前は、アイヌ人はコーカソイド、すなわち今の白人やインド人の祖先と同じだと思われていたのである。学術的には、人類が移動を開始した当時の外部形態を保持しているので、彫りの深い形質をしていたと言われる。アメリカで記録されている縄文人の直系であるアメリカインディアンも、アイヌ同様に掘りの深い顔立ちで毛深く、今の日本人とは似ても似つかない。今の日本人は弥生時代に大陸から押し寄せたのっぺり顔の弥生人と掘りの深い縄文人の混血なので、顔つきや体格が大きく変わってしまったという風に解釈されている。
弥生時代に元々日本列島に居住していた縄文人は、「毛人」と記されている。まさにアイヌの人々の形質を良く言い当てている表現だ。毛深く彫りの深い古モンゴロイドである縄文人と、寒冷地適応を果たしたのっぺり顔の弥生人は、間違いなく日本列島内部で混血が進んだ。原始的な狩猟民族である縄文人と、水田農耕を主とする弥生人のハイブリッドが現代の日本人の直系の祖先である。

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