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2020年6月20日 (土)

地方の魚肉練り製品を改めて見直す:カツタイプの練り製品


Umakatsu

魚肉練り製品の有名どころと言えば、宮城の笹かまぼこ、鹿児島の薩摩揚げあたりだろう。いずれもスーパーやコンビニで出回るほど、全国区になっている。魚肉練り製品というのは、原料はどこもだいたい同じで、ベースは北米から大量に輸入しているスケソウダラの冷凍すり身である。とにかく原料がたくさん漁獲され、冷凍で大量に、安く流通できる。これをベースに、地元で漁獲される魚などを練り込んで作成されている。魚肉に塩とデンプンを入れて練ると筋繊維がバラバラになって複雑な三次元構造となり、この状態で加熱すると筋繊維が架橋構造をとったまま固まって内部に水分を保持する。よって、あのプリプリの食感が生まれるという。練られた魚肉はまるで紙粘土のようにいかようにも形を加工できる。基本は竹輪、板蒲鉾となり、さらにカニカマや野菜やチーズを練り込んだタイプまで、バリエーションが広がってゆく。これが魚肉練り製品の製造に関する教科書的なパターンである。畜肉や乳製品が今ほど大量に供給されていなかった時代は、豆腐とかまぼこが日本人の貴重なタンパク源となっていたのである。
そうした中、慶が着目するのは、魚肉練り製品というイメージを根底から消し去る商品である。どういうことかと言うと、多くの魚肉練り製品は、「蒸す」「焼く」「揚げる」の3タイプからなり、どれも食べると魚をベースに作られているというのが分かるものだ。ただ慶が注目するのは、魚というイメージを全く持たせない、「カツタイプ」の魚肉練り製品である。具体的には、パン粉をまぶして薄く伸ばして揚げられたものである。このカツタイプの魚肉練り製品が、大阪と九州に挟まれた地区において濃密に分布している。なぜだか理由は分からないが、この地区に多い。慶が把握しているだけで、兵庫のカネテツが販売している「うまかつ」、徳島の「フィッシュカツ」、広島の「がんす」、島根の「赤天」など、パン粉を付けてあげられた魚肉練り製品のカツが普通にスーパーなどで販売されている。
予め断っておくが、魚肉練り製品をカツにするぐらいなら、本物の魚に衣を付けて揚げた「魚フライ」の方が良いに決まっている。アジフライなどは基本のキであるが、その方が美味いし、値段も若干高い程度である。だから日本全国の多くで、魚フライはあれども、魚肉練り製品のフライは熱烈には求められていない。従って、元々魚があまり流通せず、魚食文化が低い地域でないと、この魚肉練り製品のカツというのは登場しないのだと思う。そう考えると、瀬戸内海に面した中四国地方にこの手の製品が多い理由はうなずける。
じゃあ魚肉練り製品のカツを食べている地域を魚食文化が低いと見下せるかというと、現物を食べてみてから判断した方がよい。実は、ハッキリ言ってうまい。特にプリプリ感と特有の甘みは、酒の肴に良く合うのだ。また魚というイメージを持たせないので、ソースをぶっかけて食べても何ら違和感はない。もちろん醤油やマヨネーズでも構わない。さらに日持ちするし、朝でも夜でも十分おかずになる。オーブンで軽く炙って食べると、衣がぱりっとなってうまさも引き立つ。
現状では庶民のソウルフルフードに留まっている魚肉練り製品のカツだが、流通せずに捨てられている雑魚が大量にあるのだから、是非ともカツに生まれ変わって我々の食卓を賑わして欲しいものだ。

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