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2020年5月12日 (火)

西洋人に告ぐ:アジアを見習え

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新型コロナウイルスによるパンデミックも、欧米ではピークアウトしてひとまず大きな第1波をやり過ごしつつある。感染症対策として、徹底した都市封鎖で感染拡大を押さえ込んだのは、おそらく人類史上初めてのことではなかろうか。もちろん、新型コロナウイルスとの闘いはこの後も続くので、これで安心という訳ではない。まだまだ先は長い。特にこれから冬を迎える南米、あるいは医療体制が整っていないアフリカなどで拡大すると、さらに取り返しがつかない状況に陥る。先が見えないことには変わりない。この第1波でも多くの人々が命を落としたが、ここでの反省を踏まえて、次の対策を考えていく必要がある。

この第1波でわかったことではあるが、死亡者数が国ごとにかなり異なっていた。感染拡大が続いたヨーロッパとアメリカの中での違いについて、特にドイツの死亡者数の少なさでいろいろ論議されているが、慶が整理したグラフを見ると、ドイツがこのウイルスとの闘いで勝利したとは言えないのではないか。最終死亡者数は確かに他の国と比較すると少ないが、感染拡大期に重傷患者への医療資源の配分が追いついたということであって、要するに医療資源が過剰だったことが幸いしているのである。死亡者数のグラフの傾きを見ると、ドイツはイランにも負けているのである。日本のグラフを見れば、圧倒的に日本の方が死亡者数を抑制できていることがわかる。

日本を含めて、アジア各国は軒並みこのウイルスとの闘いで善戦しており、世界のお手本といえるほどである。では、その要因は何かと言えば、そもそもの感染者数の増加を抑制できたという一言に尽きる。中国が善戦したのは、その徹底した都市封鎖と外出抑制であって、これは全体主義的な国でないとできない芸当だ。なにせ道路に盛土して物理的に封鎖し、警察が自宅に居るように巡回し、言うこと聞かない世帯は外からドアに釘を打ち付けて出れないようにする。そんなこと、民主主義国家ではできない。せいぜい罰金を取るぐらいのものだ。このことの善し悪しを論議しても感染症対策とは別次元のことなので、ここでは論議しない。

次に日本や韓国は、かなり感染拡大を阻止できているが、日本と韓国ではやや趣が異なる。韓国の場合は検査を徹底して行って、発症していない感染者も見つけ出し、これを隔離する対策を行っている。これは、モグラたたきをハンマー1本ではなく、何十本もつぎ込んでやる方法で、手間はかかるが、効果は抜群である。特にスマートフォンが普及した現代では、検査結果に基づいて接触者を徹底して見つけ出し、さらに検査して隔離するというのができるのである。日本はどうだったかと言うと、この検査が全然追いついていなかった。結果的に、無症状の感染者が野放しになり、スポーツジムだ、ライブ会場だ、ナイトクラブだとかいろんな場所で市中感染が起きてしまい、さらにそれが老人ホームや病院に持ち込まれてしまった。また、個人のプライバシーへ異常配慮した結果、スマートフォンの位置情報による感染者の行動経路を公開して自ら検査を申し出るシステムも作れず、常に後手後手対応に終始した。

ただし、人口100万人あたりの死者数で言うと、中国も韓国も日本も同じレベルだった。対策の方法は3者3様なのだが、死亡者数という最悪の結果はそう変わらなかったということである。日本の場合は、都市封鎖もやっていないし、PCR検査もまじめにやっていない。陽性者の徹底追跡も、有症者のみで、無症者は見つけ出せてないので、追跡できていない。よくこれで死亡者数をここまで抑制できたものだ。ある意味で奇跡である。世界的に事後検証が行われるとは思うが、ロックダウンなし、PCR検査手抜きで死亡者数を抑制できたジャパン・パラドックスが話題になるのではないだろうか。慶が思うに、日本が健闘したのは、政府の施策が良かった訳ではなく、国民が外出抑制やマスク、手洗い励行について「忠実に従った」ということに尽きるのではないだろうか。マスクの着用率は確かに高かったし、お店も休業要請に従った。どんな厳しい法律を作っても、国民が行動で変えていかないと結果が伴わない。ヨーロッパやアメリカのように、マスクはウイルスをブロックできないから非合理的な対策だとか、できない理由を並べ立てて放置しているようなところは、今回の新型コロナウイルスとの闘いで完全に敗北となった。イギリスなどは、中国で感染爆発が出ても、イタリアやスペインで感染爆発が起きても、ずっと対岸の火事を決め込んでいたが、案の定ヨーロッパで最も死者数が多くなってしまった。だいたい首相が感染して、一時は首相死亡報告の準備までしていたというから、その暢気さは呆れる。同じ島国でも、まだ日本の方が危機感を共有していたというものだ。ちょっとは見習えと言いたい。


追伸

今日ロックダウンが一部解除されたフランスの様子が出ていたが、誰もマスクせず、集まって飲食していたので、あいつらはまた感染拡大ですぐ後戻りするんじゃないかな。

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