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2020年2月 7日 (金)

調理とは殺菌と可食化作業の繰り返し

料理(調理)とはなんぞや?この本質を見極めるためには、調理をできない野生動物を観察したら良い。野生では食う、食われるの繰り返しなのだが、ほとんど調理などせず丸呑み、丸かじりの「生食」である。ヘビはネズミを丸呑みし、マグロは小魚を丸かじり。おとなしいマナティーやジュゴンでも、海草をバクバク食いまくりである。

生きたまま捕食するから、食中毒などの問題はない。逆に、捕食される側は、早く逃げる、集団で対抗する、臭い臭いを出す、固い殻や棘で身を守る、毒を蓄積して食べられないにする、などなど、いろいろな対抗策を講じている。

我々ヒトであるが、基本的には生態系の頂点に君臨しており、ヒトを捕食する生物はほとんどいない。強いて言えばサメやワニやオオカミぐらいだが、そういう危険生物とは住み分けしているし、仮に出会っても撃退できる武器を持っているので、食べられるリスクはほとんどない。

ヒトは植物(野菜、果物、穀物)から菌類だけでなく、動物まで捕食する「超雑食性」である。しかし、ヒトの祖先である類人猿は基本的に肉かフルーツしか食べていない。我々の味覚や内臓も、基本的に肉やフルーツを食べることを前提に構成されている。特にタンパク質の要求性が高く、ビタミンCを体内で合成できない生理的特性から、祖先から代々、「肉とフルーツ」が主食であることに間違いない。

しかし、ヒトが地球上で70億個体も存在し、生物として我が世の春を謳歌している背景は、その雑食性にある。もし、類人猿の時と同様に、フルーツと肉しか食えなければ、これだけの人口を維持することは困難だ。
何でも食べて栄養にできる秘密は、「調理技術」にあることは疑いようがない。主食の小麦や米やトウモロコシや芋類などの穀物は、基本的に生で食べたら消化不良で下痢をするだけだ。これら穀物の内部に存在する「澱粉」は、うまく摂取できれば糖類という、重要なエネルギー源へと変換可能だ。そのためヒトは、これら穀物を加熱したり粉末にして、利用できる形へと変換している。ここに調理技術の原点がある。この穀物を大量栽培し、加工してパンや米などの主食へと変換することで、我々は人口を増やしてきた。
また肉類や根菜類についても、加熱や煮込みによって消化が良くなるだけでなく、強烈な病原体(細菌、ウイルス、寄生虫など)を殺して、摂取可能な状態へと変換してくれる。また乾燥させたり燻製にすることで、保存性も高まる。要するに、調理技術が発達すればするほど、ヒトが摂取できる食物の範囲が広がり、安全性も栄養価も上昇、その栽培や飼育技術向上とも相乗効果を発揮して、人口増加へ貢献しているのである。

ヒトが雑食性を発揮するために、裁断や加熱や保存性を高める調理技術を進展させたことは、まさにヒトがヒトである所以であり、生物として大いに敬意を表するべき能力である。

 

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