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2020年1月17日 (金)

孤高のスピードランナー「新快速」

Rapid-liner-for-himeji

最初に断っておくが、慶は列車オタクではない。車両の種類や車両名などさっぱりわからないぐらいだ。その列車に興味がない慶でさえ、卓越した利便性にで、思わずため息をつく列車がある。それは関西を東西に駆け抜ける「新快速」である。

言うまでも無いが、神戸、大阪、京都という関西の3大都市を往来する人の数はすさまじい。関東で言えば、東京と横浜を結ぶようなものである。この大動脈は、3,4社の私鉄とJRが客の奪い合いのため、しのぎを削ってきたドル箱路線である。1970年代から続くこの戦いは、最終的に新快速を基幹輸送に位置づけたJRの圧勝で結論が出ている。新快速が関西人に選択された一番の理由は、「他社より速い」ことに尽きる。

ではどのくらいの速度なのか。東京も大阪も、JRも私鉄も、基本的に特急列車ではない限り、最高速度はおおむね100km/hである。それでもかなりの速度で、通常は80km/hで「早いな~」と感じる。京浜急行が一瞬110km/hまで出るが、それこそ一瞬だ。ではJR西日本の新快速は何キロかと言えば、停車駅の間の直線部分を120~130km/hで快走している。これは地方を走っている特急列車よりも速いのである。それでいて、特急料金は要らない。何より、姫路と米原間の間は、1時間に4本の驚異的なペースで運行されている。この間に、さらに急行や普通列車も走っているのである。これはJRの話であって、例えば、神戸と大阪の間はJR以外に阪神と阪急が併走している。大阪と京都の間となれば、阪急と京阪が、少し遠回りではあるが、近鉄も併走している。これだけ競争の激しい区間でJRが圧勝とはすごい。

この新快速の高速運転により、京都駅 - 大阪駅間が28分、大阪駅 - 三ノ宮駅間が22分となっている。大阪から神戸に行くにも京都に行くにも30分かからないのである。この利便性を、乗客の収入から分割りして金に換算したら一体何兆円になるのだろうか。輸送効率は、距離当たりの運賃だけでなく、時間の概念も入れて計算すべきだ。例えば、同じ距離を200円で走ったとしても、時間が半分なら効率は倍である。大阪駅と三ノ宮駅の間の距離と運賃は30.6kmで400円だ(消費増税前)。運賃と時間を掛け合わせて距離で割ると、287.6/kmとなる。東京駅と横浜駅のJR最速は東海道本線で、28.8kmで470円、31分で走り抜ける。同様に計算すると、505.9/kmとなる。なんと効率が1.75倍もあるのだ。同じ電車運賃でも距離と時間の相乗作用でここまで違いが出るのである。時間だけ見ても3割ぐらい少なくて済むので、同じ通勤距離なら、3割、すなわち、東京の人が往復で2時間通勤時間にかけているなら、関西の新快速を利用している人は同じ距離でも1時間15分、差分の45分が累積すると、月に15時間強も東京の人より時間があまり、ほぼ勤務時間を2日分も節約できる計算なのだ。これはでかい。関西の新快速沿線に住んだ方が、東京に住むよりも、月あたりの余暇の時間が2日分多いとみたが良い。

赤信号で停まらない、エレベーターのドアが閉まるのも早い、エスカレーターが速い、など、関西人はせっかちだ。これが新快速を産んだ素地なのかもしれない。

新快速のおかげで、姫路以西の兵庫県西部や、大津以西の滋賀県も大阪都市圏の通勤範囲となり、宅地開発が進んでいる。これは新快速のおかげだ。新快速は圧倒的な勝者となってしまい無双となったが、その速さ・利便性が逆に慢性的な混雑を引き起こしている。

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