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2018年7月31日 (火)

本場のインドのカレーと日本のカレーがなぜ渡り合っているのか

よく日本料理を食べた時の外国人の反応をテレビでやっている。寿司、ラーメン、焼き鳥、天ぷらなど、外国人でも好む鉄板料理への反応は一律同じである。うまいに決まっている。うどんやそばが受けないのも、肉料理で脂っこいものに慣れている外国人なら淡白すぎて受けないだろう。納豆や魚の開きは敷居が高くて無理なのは折り込み済み。そうしたなか、1点不思議な反応がある。カレーだ。日本のカレーに関して、悪く言う外国人が居ないだけでなく、カレー本場のインド人が「うまい」というのである。
例えば、韓国人は日本のキムチをボロカスいう。これはキムチではない、色の付いた漬け物だと。辛みも弱いし、ニンニクやショウガも弱く、具材も種類も貧相だ。日本では白菜キムチばかりだが、本場は大根やニラやワケギ、カニやカキまであるし、果ては卵焼きやビーフンもキムチに仕立てている。韓国におけるキムチのスパイシーさとバリエーションの広さは全くたてうちできない(逆にキムチ取ると何も残らないのだが)。
当然カレーの本場のインド人はインド料理の象徴であるカレーは、自国のものが一番うまいと言うに決まっている筈だ。それが、なぜ日本の変質したカレーを褒めるのか。
そこで良く良く観察すると、日本にはインド料理屋が少ない。全くない訳ではないが、中華料理店と比較すれば少ない。世界に出ると、中華料理屋とインド料理屋が競うように出店していて、比率はどっこいどっこいである。世界の果てとは言わないが、外国の地方都市に行っても、中華料理とインド料理は展開している。低緯度地方でインド料理が優勢で、中高緯度では中華料理優勢という感じだ(単純にインド人が寒さに弱いだけか)。中国もインドも昔から人口が多く、国内で飯を食えない人は外国へ出て、手っ取り早い現金収入となる飲食店を経営するのは当然の流れである。
日本でインド料理屋が少ない理由は、インド料理の鉄板であるカレーが日常的に家庭で食されているからではないか。お店でもカレーがメニューにないお店を探す方が難しい。日本に出てきても、既にインド料理の象徴であるカレーが普及している。それも家庭料理にまで。要するに、外食する理由がないのである。しかも、インド人が褒めるほど日本のカレーはうまいようだ。慶も外国でインド料理を食べる機会は何度もあった。それは肉とパンで飽きた時には本能的に身体がご飯を欲するようになり、中華料理屋かインド料理屋へ駆け込めば、とりあえず米にありつけるという状況からそうなる。そのインド料理屋であるが、カレーのラインナップは実に多彩だ。ベースは同じでも、香辛料の配合比率が異なり、いろいろチョイスできる。香辛料の香りも味も突出していて、1つとして同じものはない。香辛料を大量に使っていると当然高いので、少量で、味の濃いルーが皿の縁に厳かに供され、ナンや米をチマチマつけて食べる感じだ。
しかし、日本のカレーは豪快だ。皿全面に敷き詰められたライスに、ライスが全く見えないほどルーをぶっかける。要するにボリューム感がハンパではない。まずここが本場のカレーと異なる。また本場インドのカレーは、具材をすりつぶしていて、ほぼ具はないに等しい。ペースト状になっているのである。ルーには具がなく、ライスや豆やナンを付けて具にするという感じである。しかし、日本のカレーにはにんじん、ジャガイモ、タマネギ、肉などがゴロゴロ入っている。すなわち、見た目のボリューム感があり、かつ贅沢なのである。
ルーの香辛料はあまり効いていない。ウコンは少なく、油脂類、タマネギ、小麦粉がメインだ。香辛料が少ないから価格を下げてボリュームを出せるのである。もちろん、香辛料をけちりつつ、カレーとしての本来のスパイスさも残さなければならないので、ここで食品メーカーが改良に改良を加えるという研究開発に明け暮れて今があるのである。その労力には敬意を払うしかない。この「上げ底ルー」は、本場のインド人を納得させるのだからすばらしい。高品質で高価格を目指す傾向にある日本において、このカレーなどの食品に関しては、徹底して安上がりな原料でも限りなくホンモノに近い商品を開発する方向でやってきている。カップラーメンや駄菓子もそうだが、ジャンクフードに関してはプロに近い。カニカマなどは、そのイミテーション食品文化の頂点に君臨している。
Curry_vegtables


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