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2017年10月 2日 (月)

O157はどこで混入したのか?

群馬県や埼玉県の総菜店で、量り売りのポテトサラダ等を購入して食べた客が次々に病原性大腸菌O157を発症し、死者まで出ている。食中毒は数あれど、このO157は死亡や後遺症のリスクが高く、非常に病原性の高い細菌である。なぜそこまで病原性が高いのかと言えば、赤痢菌と同様のベロ毒素という強烈な毒素を産生するからである。
そのO157は家畜など動物の内臓に多く存在し、内臓と接触した肉の加熱不足などによって中毒に陥ることが多い。焼肉でレバーやホルモンを十分に加熱せずに食べて中毒に陥るケースが圧倒的に多い。しかし、希にその汚染ルートがさっぱり分からないケースがある。堺市で発生したケースでは、カイワレ大根から汚染菌のDNAが検出されて話題となったが、製造元のカイワレ大根業者の施設からO157は検出されず、この事件も結局カイワレ大根がなぜ汚染されたのか未解明のままお蔵入りとなった。
今回のポテトサラダは特に解明が難しいという。食中毒の汚染源解明には、「疫学調査」と「食材・調理者検査」の2つの切口から行われる。まず今回の場合、ポテトサラダは、元をたどれば同じ食品加工工場から出荷されたものであった。ポテトサラダは工場から納入されたポテトサラダを各店で開封し、これにリンゴやハムを追加で混ぜ合わせて店頭に並べるという。そのリンゴを入れた方でもハムを入れた方の両方で患者が出ているので、リンゴやハムが汚染されていた可能性は低いし、お店での調理の過程で菌が混入したとしても、複数の店舗で同時に汚染というのは、確率論的にまず考えられない。従って、疫学調査的には、ポテトサラダを最初に加工した工場の生産工程で汚染した可能性が高くなる。
そこで、次に実サンプルでの検出に入る訳だが、保健所による厳しい検査の結果、ポテトサラダの加工工場の保存サンプルから菌は検出されていない。工場自体も衛生管理は厳しくやっていて、混入する可能性はかなり低いとのこと。そうなると、工場を出て、お店に到着するまでの間、あるいは店頭で展示中に汚染されたことになるが、冷蔵車で輸送する過程で、密封されたポテトサラダが汚染される可能性はとても低い。
結局、ポテトサラダ以外の食材でも中毒が出ていたということで、店側での加工か展示中に汚染されたということになりそうだ。このままだと迷宮入りの可能性が高いのだが、中毒患者が出たことは事実なので、どこかで菌が混入したことだけは間違いない。ここで食中毒の御三家であるノロウイルス、サルモネラ、カンピロバクターの汚染を少しばかり調べると、サルモネラは卵の汚染から、カンピロバクターは鶏肉の汚染から中毒が広がる。いわゆる食材が汚染源となっているケースである。ノロウイルスはヒトが宿主なので、調理に従事している人から感染することがしょっちゅうだ。調理者が汚染源になるパターンである。ではO157はどうかと言えば、これまで牛肉など食材を経由して汚染されるタイプである。生肉を取り扱っていない、人の手から汚染するようなものではない。この総菜店で、生肉を取り扱っていて、その肉汁が他の調理食材にうつってしまったなら汚染ルートが確定されるのだが、どうもそういう雰囲気はない。客が汚染させることは考えにくい。もしO157に感染した患者が、汚い手で患者を出した店を巡ってトングを握りまくったか、肉汁をわざと食材にふりまいたかなどの可能性も考えられるが、そうなると犯罪性が出てくる。この問題は一地方の問題では収まらないので、全力を挙げて汚染ルートの解明に取り組み、堺市のような迷宮入りにしないようにお願いしたい。
Kannaoto


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