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2017年8月13日 (日)

アメリカと北朝鮮のチキンレース真っ盛り: 今後を予測

5月に北朝鮮がミサイル乱射と核実験をちらつかせ、アメリカも空母を日本海に派遣して軍事的な圧力を強めるなど、一時的に緊張した状態があった。その後は北朝鮮が田植えの時期に入ったこともあり、しばらく様子見の状態になっていたところである。またここに来て北朝鮮がICBMの開発にほぼ成功し、これに小型核弾頭を搭載すれば、確実に核保有国として名乗り上げることが可能となる。アメリカの軍事情報筋によれば、少なくとも60発相当の核弾頭を開発するだけのストックを持っているとのことである。我々が想像するより数年も早く、北朝鮮の核開発は進んでいる。
こうした情報は日本や韓国にももたらされていると思われる。これまで親北を標榜していた文政権は突如態度を豹変させ、中国や平和ボケした国民が嫌うTHAAD配備を丸呑みし、実践配備を一気に進めている。日本も、グアムへミサイルを発射した場合の通り道である中四国4県に、PAC3を急遽配備した。ここに来て、受け手の日本や韓国の動きが活発になってきた。
アメリカという国は、こと戦争に関しては恐ろしく準備万態かつ冷静に望んでくる。先の太平洋戦争が典型的だが、使える最新技術は徹底して導入、物量戦と情報戦の両方を組み合わせて、確実に勝ちをもぎ取る戦略を立ててくる。そこに感情や気合いというようなものはない。粛々と、勝ちのために駒を投入してくるのだ。おそらく5月以降のこの空白時間帯というのは、アメリカが北朝鮮の軍事力がどのように動くのか、冷静にデータを集め続けているのだと思われる。特に空母カールビンソンを急派遣というニュースについては、実際は内輪も騙すフェイクニュースだった訳だが、これで北朝鮮側がいろんな軍事施設を地下に逃がした。この動きは軍事衛星などですべて把握されていたから、既に重要なターゲットは絞り込まれているのだろう。
アメリカも北朝鮮も一歩も引かないチキンレースを展開している。もちろん、誰も戦争を望んではいないのだが、今は仲介役が全く存在しない。もちろんアメリカは北朝鮮が中国の属国であることを良く分かっているので、春先から中国に仲介役を任せている訳だが、一向に影響力が行使できていない。金正恩の父親の金日成は比較的フランクな思考をする独裁者で、後ろ盾である中国には良く従っていた。息子は完全なる独裁者で、中国もロシアも、全く耳を貸さず、核とミサイル開発に猛進している。だから、誰が考えても、このまま軍事衝突となる。
日米のマスコミは国民向けの冷静さを醸し出すために、為政者の「外交の扉はいつでも開いている」というコメントを必ず付け加えているが、そう甘くはない。北朝鮮は、まず核武装が完了してから外交交渉に応じる頭だ。核武装していなければ、アメリカのペースでの交渉になってしまい、これまでの積み上げがご破算になると神髄まで思い込んでいる。何はともあれ核兵器の実戦配備を急いでいる。日米韓にとっては、実戦配備されてから交渉しても手遅れだから、アメリカも躍起になっている。この構図は金正恩が殺されない限り変わらないだろう。だから、今は「つばぜり合い」の時間帯である。
では今後を慶が大胆に予測する。まずアメリカというのは、サイエンスで戦争をしてくる国だ。「腹が減っては戦ができぬ」ではないが、北朝鮮というのは資源に乏しい国だから、戦争の前に石油や食料が尽きかけているタイミングを選ぶに違いない。タイミング良く、国連で北朝鮮の一切の貿易を禁じる決議案が全会一致で可決されたばかりなので、これの効果が出てくるのに数ヶ月かかる。また、東北地方と同じ緯度にある北朝鮮のコメの収穫期は10月だ。そうなれば収穫直前あるいは最中の9〜10月あたりが一つの攻撃に適した時期となる。攻撃の前には、日本や韓国だけでなく、中国やロシアにも事前通告があるだろうし、民間航空機や船舶への危険情報も出されるだろう。「ある日突然」ということはないに違いない。これが年末とか年明けにずれ込むと、その間に核武装が進んでしまうので、タイミングとしては、やはり「秋まで」が合理的な時期である。ただ、日本や韓国の及び腰にアメリカが配慮するなら、秋の軍事オプションは遠のき、経済制裁の効果が出てくるまで引き延ばしするだろう。
もし軍事オプションに着手する場合の攻撃目標。まずは韓国側に向けられている迫撃砲は最初に潰されるだろうし、ノドンなどの短距離ミサイルについても順次空爆で潰して行くだろう。北朝鮮は制空権を保てないことを良く分かっていて、すべての施設を地下に埋設している。しかし、攻撃のために外に出す度に、モグラ叩きのように、空爆でやられてしまう。日本や韓国の米軍基地や原発を狙ってミサイルを撃ち込もうとするが、打つ前にやられてしまう。乱射すれば何個かは迎撃で撃ち損じて着弾するだろうが、都市部の真ん中や原発に命中しなければ大きな被害にはならない(戦争で被害ゼロというのはあり得ない)。北朝鮮にとって、中国やロシアが後ろ盾で援護射撃をしてくれない限り、軍事的にはほとんど反撃の機会を与えて貰えないだろう。潜水艦攻撃についても、最初の段階で出港基地が叩かれてお話にならないに違いない。アメリカは用意周到なので、収穫期に入ったコメ畑も焼き払ってしまうだろう。核爆弾は相手国に打ち込まないと意味がない。自国内で自爆させたくても意味は無い。要するに、アメリカと全面対決して、勝ち目は一切ないのである。
北朝鮮が核開発を前面放棄しない限り、アメリカが軍事攻撃をする可能性が高いし、その場合は、日本や韓国への被害を最小限に押さえつつ慎重かつスピーディーに実施することは間違いない。アメリカ兵の命は絶対に落とせないので、地上部隊の投入はしない。後は難民対策であるが、おそらく難民が出てくる前に、金正恩はクーデターで暗殺されるであろう。そこの秘密工作もぬかりなく準備している筈だ。それで戦争は終結である。ここから先は中国の出番である。暗殺された金正男の息子を送り込み、親中国の新しい政権を樹立する。38度線はこれまで通り維持される。
おとなしい北朝鮮になった段階で、今度は難民対策が出てくるが、これの対応は日本、中国、韓国に押しつける。実はこれに結構な金と時間がかかるのだが、アメリカはびた一文も出さない。まあそれで仮想敵国が増えず、北朝鮮がおとなしい国家に化けるのなら、その出費は仕方あるまい。

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