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2015年12月15日 (火)

数少ないたたき上げ議員-菅義偉官房長官

現在消費税を10%に上げるかどうかの論議の中で、アベノミクスの効果が限定的かつ下降気味であることから、代替策として食料品などに対する軽減税率の話し合いが大詰めを迎えている。
税金の話になると必ず財務省がしゃしゃり出てきて、「予定通り10%、軽減税率なしが大原則」という世論形成工作を行う。その先兵は、財務相OBの国会議員である。これが困ったことに自民党の幹部としてうじゃうじゃいる。まあ国家権力そのものである財務省としては、国民の代表(連中は愚民の頭ぐらいにしか思っていないだろうが)に自分たちの意向を汲んでくれる人材を押し込んでおかないと権力を振るえない事情があるから、イザという時は総動員である。
その財務省案をごり押しするOB議員が居るのが自民党税調、一方低所得者が支持母体である創価学会は軽減税率を徹底して入れるべきとの主張で、これに首相官邸が挟まって身動きがとれない状態が続いていた。しかし、ここに来て財務省OBの野田議員を更迭し、4千億円が上限だった軽減税率用財源を3倍に引き上げる案を断行しつつある。その張本人は管官房長官である。報道を見ると、財務省OBの党税調野田議員が首相と勝手に面会し、軽減税率は上限4千億円と頂上作戦を仕掛けたことに立腹、やおら立ち上がったようだ。
慶は消費税が2桁になることを契機に、軽減税率を導入した方が良いと考えている。人が生きていくのに必要最小限のものから高い税金を取ると、精神的にやる気が削がれる。累進課税も金持ち狙い撃ちでやり過ぎだが、消費税一辺倒もやり過ぎである。
それにしても、官房長官の菅義偉議員は最近では珍しい経歴である。秋田の農家の長男、苦学して私学を卒業、議員秘書から市議会議員などを経て、1996年に国会議員に初当選。二世、三世議員が多い自民党の中で、完全たたき上げの経歴である。国会議員に当選してわずか16年で官房長官まで上り詰めているので、超特急出世である。
彼の風貌といい、語り口といい、実に温厚で浮き足だったところが全くなく、正に百姓の長男という感じがする。あまり政治家として出世するタイプに見えないが、その人脈と実行力が彼を引き揚げているのだろう。とにかく色んな人と会って、じっと話を聞いているようだ。今回の消費税の件でも、全体の動きを静観しつつ、これはまずいと思った瞬間の動きは力強く、かつ早い。「ここが勝負ところ」というカンが働くのだろう。こういうのはボンクラやのぼせ者の二世議員にはできない芸当である。
マスコミの前で受けの良いことばかり言って、行動力も実行力も責任感もない政治家が実に多い。そういうのに限って、二世、三世、官僚OB、松下政経塾あたりの出身だ。農民階級から自力でのぼりつめるのはせいぜい県議程度なのだが、まだ国政にこうした人材がかろうじて残っていることは評価すべきことである。

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