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2013年6月26日 (水)

ざるうどんと母親の苦労の関係

初夏になって夏野菜の定番であるキュウリがジャンジャン出始めた。冬は高いこの野菜も、夏になると一気に安くなり、とても重宝するのである。このキュウリを見ると、高校時代を思い出す。
なぜキュウリと高校時代に関係があるのか。実は慶が高校生の頃は、うちの母親も家計を助けるために必死にパートに出ていた。9時ぐらいから18時まで、スーパーの惣菜コーナーで働くのである。ずっと立ちっぱなしで惣菜を調理する。暑いし休みもなく、まさに重労働である。決して裕福ではなかったので、本当に良く働いて居たと思う。結局長年の重労働が重なり、膝が完全にすり減ってしまって、遂には両方とも人工関節を入れる手術で何とか歩ける状態が確保できている。今では「勲章だね」と笑って会話できるが、本当に苦しかったと思う。このこと一つをみても、貧乏というのは、人の心も体もボロボロにする。
毎日パートで疲れて帰ってきても、今度は料理に洗濯と家事でさらに疲れが重なる。そうすると、朝はできるだけ簡単に済ませたい。子供の弁当つくりが面倒だ。中学校までは給食があるから良いが、高校となると弁当だ。しかし、お弁当を作る余裕はないので、高校に入った早々に「これでパンと牛乳でも食べて」と500円ぐらいもらって学校へ行くことになった。
もちろん購買部なるものがあって、パンやソーセージが売ってはあったが、これでは腹の足しにならない。慶の高校の裏門の目の前には、地元の惣菜屋が小さいプレハブを建てて、高校生相手の食堂(営業は昼のみ)を経営していた。ここだと色んなメニューがあって飽きることはない。しかも価格は廉価で魅力的である。しかし、プレハブ自体が狭く、また店側も営業ギリギリでやっている関係で、ほとんどのメニューが売り切れるように仕入れを最小限にしている。そうすると、当然だが早く行かないと席はないし、人気メニューは売り切れる。ラーメン、カツカレーとか親子丼とか、育ち盛りの高校生が好むメニューは争奪戦なのである。
また困ったことにこの食堂を利用するには掟があって、ヤワな1年生は利用禁止なのである。理由は混むからだ。通常は2年生の2学期ぐらいから出入りOK、それより早いと先輩に呼び出されてシメられるという噂だった。しかし、慶も背に腹は替えられないし、何より神経は図太かったので、1年生のこの時期から通い始めた。
最初は昼休み残り10分とかギリギリで行く。この時間帯なら先輩がゾロゾロ帰っていく状況だから、混んでいることはない。しかし、早く食べないと昼からの授業に間に合わないし、ほとんどのメニューは売り切れである。またよせば良いのに、学校帰りにたこ焼きを食って、卓上ゲームで2プレイして帰ることを頭に描いているので、メニューは一番安いうどんかソーメンとなる。うどんが150円、おむすびが50円だったので(当時は消費税なし)、200円で昼飯が食える。残り300円は学校帰りの卓上ゲームとたこ焼きに消える。そんな感じだった。
夏場はざるうどんがお気に入りだった。その時に、価格を抑えるために、ネギの代替品として刻んだキューリが乗せてあったのである。刻んだキューリをタレに入れて、茹上がったうどんをズルズル食べる。ネギには叶わないが、キューリの青臭さとワサビの辛みが暑い夏には絶妙なのである。たった5分で食事できて、しかもお腹もイッパイになるのである。また体が小さい1年生がギリギリに行くと、そこのバイトのオバサンが「いっぱい食べて大きくなってね」と、ほんのひとつまみ多めにうどんをサービスしてくれたり、おいなりを1個つけてくれたりした。
この時期にキュウリを見ると、母親の苦労、食堂のおばさんの優しさ、いつ先輩にシメ上げられるか分からない緊張感が複雑に交錯し、高校時代の記憶がフラッシュバックするのである。でもいま食べても、このキューリ入りのざるうどん、ソーメンはオイシイですよ。
Cucumber

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