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2012年2月 8日 (水)

半熟卵はうますぎる

卵料理は無限にあるようなものだ。毎日なんらかの形で口にしているが、「もう卵は飽きた」と言う悲鳴はほとんど聞いたことがない。単品調理だけでも、生卵、ゆで卵、半熟卵、温泉卵、目玉焼、スクランブルエッグ、出汁巻き卵などがあり、味も食感もそれぞれ違う。さらに、各種サラダ、スープ、料理に卵は欠かせない。スイーツの世界でも卵は大活躍である。調味料だってマヨネーズがある。数ある食材の中でも、これほどオールマイティな食材はなかなか存在しない。
アメリカで朝の飛行機便に乗った時に、機内食で出てきた朝食は忘れられない。トルティーヤのようなクレープに、チョップした半熟卵だけをどっぷり詰めて巻いたのが出てきた。これにオレンジジュースだけ。何のひねりもない、直球的な料理である。正直日本ではこういう食べ方をしないので未だに名前が分らないが、暖かくて、卵のうま味が詰まって死ぬほど美味かった。たかだかアメリカの機内食であるが、卵料理の奥深さに舌を巻いたものだ。
西欧を旅行すると、この卵料理の奥深さを実感する。オムレツやスクランブルエッグが定番のように出てくるのだが、もう日本のそれと比べると格段においしいのである。その極意は、「半熟」である。それも、温泉卵のように、白身を半熟にするのではなく、黄身を半熟にすることにある。白身の適度なツブツブ感と半熟黄身のまったり感が、卵のうま味を最大限化することを、世界中の人が気づいているのである。外国のスクランブルエッグやオムライスでは半熟は基本である。特に朝食のスクランブルエッグは半熟、ベーコンはカリカリがセオリーである。だから日本のように、スクランブルエッグスは卵煎り、ベーコンは蒸したみたいにベッチョリだと、西欧人は幻滅するのである。以前「ホテルモントレ横浜」に宿泊した時に食べた朝食は、さすがに外人さんが多い街だけに、まさに西欧のセオリー通りの、まったりスクランブルエッグ、カリカリ縮れベーコンだった。また恐ろしいことに、カリカリベーコンの横に、ベチョベチョの蒸したようなベーコンも置いてあった。すなわち、外人用、日本人用の2通りのベーコンがあったのだ。う~ん、日本人はそこまで肉に対して味より柔らかさを求めるものなのか?
ベーコンはさておき、うま味にはうるさい日本人だって、この半熟卵のおいしさは十分に分っている。しかし、あまり多用はしない。その理由について深く考察した人をみたことがないが、慶が考えるに、日本食は卵を意外に使用しないこと、また、日本はあまりに食材が豊富なので、卵のうま味だけにこだわる必要がないからではないか。卵のうま味を追求しなくても、他にうまいものが山のようにあるからだ。日本で卵の位置づけは、「あまたある食材のほんの一部」なのである。しかし、デフレ時代には、物価の優等生の卵をもう少し追求してみるべきだと思う。
日本人が半熟卵の美味しいさを実感するのは、以下の3つの料理の時である。
1)カツ丼や親子丼
2)カルボナーラの上に乗る半熟卵
3)ラーメンの煮卵
う~ん、ちょっとレパートリーが少ない。2)に関してはそもそも日本料理ではない。1)についても、厳密に言うと白身も半熟なので、本来の卵の食感を出し切れていない面がある。しかし、3)について、慶はワールドクラスの美味しさを放っていて、これは一押しである。煮卵のすごさは、タダでさえ美味すぎる半熟卵に、さらに濃厚な味を白身にも黄身にもほどこしている点である。これはおそらく西欧人でさえ仰天する味と技術である。ラーメン業界だけの裏技で終わらせてはもったいない。

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