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2012年1月18日 (水)

ラーメンを考える2

豚骨ラーメンに続いて醤油ラーメン。全国的にラーメンと言えば醤油ラーメンと思い込んでいる人が多いが、これは東京を制しているのが醤油ラーメンであって、決して全国区ではない。毎朝NHKで代々木公園の映像が出てくるからと言って、代々木公園が日本の中心と思ってはいけない。あれはNHKから近いだけである。醤油ラーメンは東京ラーメンのことである。繰り返すが、東京で流行っているから即全国一律と思ってはならない。大阪から西には純粋な醤油ラーメン屋を探すことが難しいほど、醤油ラーメンは全国制覇をできていない。分布だけ見ているとまるで徳川幕府の支配領域を再現するかのようで興味深い。だからと言って、醤油ラーメンはやはりラーメンの王道であることには変わりがない。
醤油ラーメンのダシは鶏ガラと野菜が基本で、これに魚介類のスープを加えたりすることで深みを増す。しかし、冷静に評価すると、うどんだしに鶏ガラと野菜のうま味が加わっただけで、これが西日本で受けない理由になっている。すなわち、ラーメンとうどんの境が明確でないのである。この微妙さにこだわるのが関東人独特の味覚なのであるが、正直わかりにくい。「ラーメンとうどんは全然違う!」とクレームを入れる関東人は、一度だまされたと思って醤油ラーメンのスープを少し薄めてうどんを入れて欲しい。実においしいうどんができあがる。西日本だとうどん屋さんが隠しメニューで出しているラーメンがあって、これが完全に東京で食べる醤油ラーメンと同じなのである。昆布と鰹でダシを取っているから基本は同じなのである。違いは味の濃さと鶏ガラの有無だけなのである。味が濃厚な分、食塩や化学調味料も濃厚で、店にもよるが、食べた後に異常に喉が渇いたり胃もたれするのは例外なく醤油ラーメンである。だって、どんぶり一杯に醤油スープが満たされている訳だから、塩分攻撃が凄まじいのは当たり前である。
そう言いながら、醤油ラーメンは日本人の味覚に良く合う。とにかくダシが効きまくりなので、誰が食べてもおいしい。鶏ガラも、タマネギやネギも、昆布、鰹、イリコなども、すべてのダシがオンパレードなのである。昔、東中野駅の近くのしょぼいラーメン屋で食べた醤油ラーメンは絶品だった。あれだけダシに力を入れれば安く大量に供給することはできない。
醤油ラーメンを中華そばやラーメンと呼ぶから良くない。「醤油ダシそば」と銘々すればイメージと一番マッチするのである。それだけ醤油という調味料は、ありとあらゆるダシを受け容れる包容力の大きさを見せつけている。個人的に好きな醤油ラーメンは喜多方ラーメンと尾道ラーメンだ。前者はあの太めで縮れつつ、しかもモチモチした麺が特徴で、これにスープが見事に絡みついて絶妙な食べ応えを演出する。ラーメンをスープだけでなく、麺からも魅了するというのは、そば文化から発達したもので高く評価できる。インスタントの出前一丁でも、麺が縮れていなければあれほどヒットはしなかっただろう。香港あたりのスーパーに入ると、インスタントラーメンと言えば出前一丁が定番だが、あれが受けているのもやはり麺の縮れだと思う。カールマカロニもそうだが、粉モノを追求すると、最終的にはスープなどの絡みが良い縮れに到達するものだと思う。尾道ラーメンも個性的だ。通常の東京醤油ラーメンは鶏ガラに魚介のダシまで加えるのがせいぜいであるが、尾道ラーメンは最後のだめ押しに豚の背脂を浮かせている。ある意味禁じ手であるが、タダでさえ魚介のダシが強烈なところにだめ押しを決めていて、これに一度はまると逃げられない。魚介のダシが弱く、単に豚の背脂を浮かせているだけなら陳腐なラード醤油ラーメンだろう。さすがに尾道ラーメンまで来ると、もはや醤油ラーメンとは呼ばせない。
ほとんど知られていないが、中四国地方にはこの東西の文化の融合する地域らしく、「醤油とんこつラーメン」なるものが存在する。実はこれが最悪のラーメンだ。ダシを省略して単に両者を混ぜているだけなので、醤油の淡泊さと、豚骨の臭みだけが合わさっている。すなわち、両方の悪いところが合体し、負の相乗効果を発揮して何一つ良さが出てこないのである。だいたいそういう駄目なラーメンほど具材もしょぼく、一口しかないチャーシューに、ゆでたもやし、ゆで卵もしくは金糸卵ぐらいしか乗っていない。それで700円以上とられるから頭に来る。香川のうどんや広島のお好み焼きなど、元々ラーメン以外の粉モノ文化の強い地域なので、ラーメンが後回しになるのは仕方ない。いずれにしても、典型的なラーメン不毛地帯といえる。具体的には香川、岡山、愛媛、広島、山口西部あたりである。この地域に行かれたら、是非ともラーメン店に入るのは止めた方が良い。

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