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2011年11月26日 (土)

缶詰を再評価する

すっかり寒くなってくると、またぞろ節電話題が持ち上がっている。慶も窓の防寒対策を行い、かなりの効果を上げつつあるところです。巷の冬の節電対策の切り札は「ストーブ」のようです。確かにストーブは節電になる。電気は一切使わないから。それでいて暖房効果は抜群である。学生時代はストーブに随分世話になったものです。最初に自分専用のストーブを買った時は、自転車では運べないので、タクシーに乗せて帰ろうとしたのですが、油が漏れるとかタクシーの運転手から乗車拒否をされたのを鮮明に記憶しています。だいたい今店で買ったばかりのストーブに灯油が入っている訳ないだろうと大げんかでした。そのストーブにやかんをかけて、カップラーメンを食べるのが最高でした。
ストーブの話しはさておき、周年を通じた節電の方が意外におろそかになっているような気がします。周年を通じた節電には、照明以外と冷蔵庫と調理器具でしょう。冷蔵庫は電源を入れたり切ったりできないので、節電は結構難しいのですが、できるだけ冷蔵庫に頼らない生活が一番良いと思います。

実は慶があるド田舎に出張した際に、フェリーの待合室兼売店で見た風景にヒントがあります。そこは昭和30年代そのままの店構えだったのですが、売られているのがパン、缶詰、魚肉ソーセージ、スナック菓子などでした。コンビニで普通に売られている弁当もおむすびもスイーツも何もなく、すべて常温保存が可能な食品ばかりです。確かに昔は冷蔵ショーケースなるものはないから、弁当もおむすびも冷えたお茶も何もない。しかし、常温保存は電気などエネルギーを一切使わない。よくよく考えてみれば、加熱しなくても食べることができますので、保存も調理もエネルギーを使わない、一番エコな食品利用法ではないでしょうか。
缶詰は確かに学生時代随分お世話になった。特に金がないから、できるだけ安い、しかし栄養価が高くて手間のかからない缶詰を買い求める。そうすると、最後は写真の「サンマの蒲焼」にたどり着くのである。今も昔も1個100円が相場です。写真の分は88円でした。

Sanma1


デザインは相変わらずですが、味はだいぶ進化しています。かつては甘露煮のような味わいと固さで結構胃もたれし、味もサンマなのかイワシなのか良く分りませんでした。現在は甘みがだいぶ押さえられ、焼き加減の香ばしさも抜群で、かなり元のサンマの食感が残っていてフレッシュな印象を受けます。昔のようにブリキの臭いが食材に移っていることもありません。値段と量は少なくとも30年間は変わらないようですので、物価の優等生です。純国産品でこれだけ長期間安定供給されて値段も安定しているものはそうないのではないでしょうか。

Sanma2

缶詰に使用するサンマは一番脂が乗っているものを使用しているようですので、材料の品質は最高級とされています。実際に脂がのってまったりして、申し分ありません。1缶で中型のサンマの1匹分は入っています。骨まで柔らかく、栄養たっぷりです。成分組成をみると、なんとDHAが1,500mg、EPAが1,000mgとなっています。青魚だからヘルシーなのは分っていますが、こうやって数字で確認すると実感があります。これならサプリで摂るより遙かにましではないでしょうか。
残念ながら、日本における缶詰文化は年々縮小している印象です。だいたい缶詰コーナーに買い物客がたたずんでいるのをあまり見ないし、レジで並んでいて、前の人が缶詰を購入している形跡がまずありません。たまに見ても果物かツナ缶です。なぜに缶詰が嫌われるかと言えば、1)重たい、2)高そう、3)味がまずそう、4)ゴミが出る、5)時代が違う、あたりではないでしょうか。最近は3)については十分に克服されていますので、この認識は改めた方が良いです。1)はどうしようもありません。しかし、缶ジュースを買うのと変わりはないので、我慢して欲しいところです。これに代わるレトルトパックは随分と増えました。悪くはないのですが、ちょっと割高です。2)はカニ缶や他の畜肉系の缶詰の印象が強すぎです。4)は完全にリサイクルされますし、ジュースの空き缶よりはまだましでしょうから、気にする必要はありません。5)は単なるイメージの問題です。
缶詰は先に述べたように冷蔵保存の必要がなく、賞味期限も数年以上(実際は半永久的)あります。また空き缶は完全にリサイクル可能で地球環境にも優しい。どんな食材でも缶詰に持って行ける。防災時の保存食料にもなる。全く非の打ち所のない食材です。根菜の水煮、果物、肉の缶詰が確かに高いのでイメージが悪いのですが、先ほどのサンマを始め、イワシ、サバ、イカの缶詰は格安ですし、調理の手間が一切不要です。何より材料は国産、加工地も国内、保存料一切不使用、食中毒の事例なしという、食の安全安心を突き進んでいる食品です。
缶詰のリバイバルの切り札はデザインです。もっとアニメのキャラとか、イケメン俳優の顔をプリントしたデザインで新境地をはかっていただきたい。あるいはジュースやパン同様に、シールを集めると景品が貰えるとか、外国旅行が当たるとか、徹底してリピーターをつかむ。また意外なところですが、缶詰を開けた状態でそのまま食べることを想定したデザインも必要です。ゼリーやプリンのカップのように、上側が開いたやや底が深いデザインが良いと思います。サンマの缶詰のように、平べったい容器も食べやすい。またパッ缶式は便利なのですが、握力が弱く、爪の長い女性には辛い。もっと取っ手が持ちやすく、弱い力でも開けることが可能な製品を開発すべきだ。
缶詰の醍醐味は、調理に手間取る食材がてっとり早く食べることができるというのもアドバンテージです。個人的には酒のつまみに魚の缶詰だけだとちょっと辛い。すじ肉やモツの煮込みがあると飛びつくだろう。居酒屋業界と提携し、定番メニューの缶詰を開発して欲しい。揚げ出し豆腐やチジミなどは缶詰で再現できないのだろうか?また長期保存可能なスイーツも期待したい。魚、お肉、豆、果物だけではレパートリーが少なすぎだ。

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