2022年1月 5日 (水)

オミクロン株への対応が見えてきた


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冬になっても新型コロナウイルスの感染者が低空飛行であったが、12月20日過ぎからジリジリ感染者が増え始めていた。外国ではオミクロン株が蔓延して、空港検疫で軒並み陽性者が網にかけられていたところ、国は水際対策を徹底すると宣言していた。しかし、最初に武漢からウイルスが侵入した時、あるいは欧米で毒性の強いイギリス株が蔓延した時も同じように水際対策を強化していたものの、ウイルスは易々と検疫を突破して市中で蔓延した。インド変異株(デルタ株)の時も同じだ。オミクロン株についても、またぞろ同じパターンだろうと言われていたが、そうした中、12月22日には早くも海外渡航歴のない大阪の家族3人が「リンクが追えないオミクロン株に感染」というニュースが飛び込んできた。それから10日あまりしか経過していないのに、オミクロン株を中心とした急激な感染拡大が各所で続いており、全国の感染者もあっという間に3桁へと逆戻りしてしまった。この調子だと、全国で2万人を超える感染者を出した第5波まではかなり短い時間で到達する可能性が高い。

しかし、来るべき第6波だが、これまでとは軌を一にするものではなさそうだ。欧米で感染拡大して1ヶ月あまりが経過し、イギリスやフランスでは毎日20万人超、アメリカでは50万人超という過去最大の感染者数を出しているが、病院が重症者で埋め尽くされるという状況はまだ発生していない。少し遅れてそうなる可能性もない訳ではないが、前々から言われていたように、このオミクロン株は肺の奥で増殖することがあまりなく、上気道より上でばかり増殖するという特性が明らかになってきた。SARSは重症呼吸器症候群という意味であるが、肺で増殖して肺炎を引き起こさないのなら、「重症」という文字は必要ないかもしれない。「ただの風邪」とまでは言わないが、事実上かなり毒性が薄れたとみて良さそうだ。

加えて、効果が劇的ではないが、メルク社製のコロナウイルス用飲み薬も承認されており、いつでも患者に服用できる体制が整っている。これまで新型ウイルスは毒性を有したまま感染性を高めるという最悪の変異を繰り返してきたが、このオミクロン株は感染性がさらに向上しているものの、宿主である人をあまり致死させない方向に変異している。見方によっては、ウイルス側が手打ちを提案しているようにも見える。こうしたことから、イギリスなどはこれだけ感染者数を出して居るのに、規制を強化することはしないという。このまま感染拡大させて重症化しやすい人だけを守り、自然免疫形成による沈静化を目指していると言える。イギリスは第1波の時も同じ手口で見事に失敗して、死人の山を築いてしまったが、今回は果たしてどうなるのだろうか。

いずれにしても、日本でもオミクロン株の急拡大で、1月末から2月にかけてかなりの感染者数になるだろう。しかし、医療機関への圧迫がそれほどでもないのなら、非常事態宣言などを出して人流を抑制するこれまでの規制強化はしない方が良いと思う。どちらにしても重症化するのは高齢者なので、さっさと3回目のワクチン接種を進めることに注力すべきだ。あとはマスクと手指の消毒など、個人でできる対策を徹底するように促すことで、自己責任での感染症対策を呼びかけるべきである。県を超える移動の制限や飲食店の営業自粛など必要ない。

2022年1月 3日 (月)

ダイコンで思うこと

Megaradise

2022新年おめでとうございます。新年1発目のブログがなんとダイコンネタで恐縮である。

ダイコン(大根)は日本人に馴染みの深い野菜だ。一説によると弥生時代には既に渡来していたようで、古文書にも「おほね」と書かれており、大根を訓読みしたのと同じだ。ダイコンが日本の野菜の中でも栽培量トップクラスの普及をみた理由はいろいろあるだろうが、火山灰を含んだ酸性土壌が多い日本の土地に良く合うということが大きい。気温の条件さえ満たせば、ダイコンが育たない土地はないと言っても過言ではない。とにかく栽培が楽勝だ。害虫もほとんど付かない。

栽培方法が進化して1年中食べれるが、ダイコンの旬は冬である。11月から3月ぐらいまで、1本100円とか格安で出てくる。ダイコンは生食や料理に多用されるが、加工される分も非常に多い。漬物は最も多い利用法で、江戸時代までの日本人の定番食事は、味噌汁、ダイコンの漬物、ご飯である。これにメザシでもつけば豪華な方だったという。

ダイコンのおいしい食べ方は色々あると思うが、万人がおいしいと感じるのはおでんのダイコンだ。おでんの具材で投票すると、このダイコンがトップにくる。ダシをたっぷり吸って、火が通ると適度にゼラチン状になり、適度な辛みが残って甘みが増しているおでんのダイコンは絶品である。油脂と肉食に飢えた西洋人には、3世代経験しても絶対に分からない和のテイストだろう。

こうしてブログでダイコンのことについて色々書いているが、慶は実のところあまりダイコンを買って食べない。ダイコンは、安い、うまい、日持ちがするという3拍子揃っているのにだ。好きとか嫌いとかいう話ではなく、あまりに労働者階級の野菜すぎて避けているのかもしれない。水分がほとんどなので、特に食うほどでもないかという感じなのだろう。ダイコン作っている農家には失礼ではあるが。

慶はダイコンでネガティブなイメージが残っている。それは大学生のとき、学生食堂で供されていたA定食だ。今は大学食堂もアラカルト方式で、いわゆる定食というものも、巷のレストラン同様、唐揚げ定食とかハンバーグ定食というものがほとんどだ。もちろん、慶の時代もそういうメニューはあったが、A定食、B定食、C定食という、いわゆる松竹梅の日替わり定食があった。もちろん、貧乏な慶は最も安いA定食が定番なのである。A定食というのは280円だった記憶がある。メインは白身魚フライ、メンチカツ、肉団子、ペラペラのチキンカツの類いが巡り巡って出ていて、これに必ず納豆が添えられていた。C定食なると肉炒めとか豪勢であるが、安いA定食は具材が貧相である代わりに、タンパク質の補給源として常に納豆が入れられていた。栄養士さんが考案したメニューなのだろう。この納豆だが、なぜがダイコンおろしがどっぷり乗っていた。このダイコンおろしが、とにかく辛い。たぶん、まだ品種改良が不十分な時代のダイコンだったからだろう。舌がヒリヒリして鼻水が出そうなほどなので、マスタードなど不要だった。この辛いダイコンおろしが乗った納豆がまずすぎて、ダイコンを長らく遠ざけていたのかもしれない。

しかし、このダイコンおろしのせ納豆は、今では慶の冬の定番メニューだ。過去の辛い思い出がフラッシュバックしているのかもしれないが、ダイコンおろしを入れると納豆の臭みと粘りが消えて爽快なリゾットのような風味になる。そう、品種改良されて、昔ほど辛くないのだ。これはこれでやみつきになる。すりおろしたダイコンは肉にも魚にも何でも合う。特に何も楽しみの無い冬に、ダイコンが格安で山積みされていると、この徹底すりおろし攻撃で適度な辛みによって寒さを吹き飛ばそうという気持ちになるのだ。

2021年12月27日 (月)

岸田内閣発足後すでに84日間が経過

Kishidashijiritsu

毎日新聞の世論調査結果

岸田内閣が発足して84日間。政権の正体が見えてくるのに発足後100日間というのが重要な見極め期間であることは、民主主義国家ならどこも同じだ。要職をこなしながらも、カリスマがなく決め切れないという評判の岸田さん。お手並拝見というところで、野党も表立った個人攻撃は控えているようだ。前任の管総理は安倍政権を忠犬のように下支えして、自身が総理になってもその路線を変更せず、野党の反発を喰らっただけでなく、国民にもその強権的な素性を知られてしまってレームダック化していた。従って、岸田政権は、発足直後からその後始末で苦労することは想像に難くない。支持率を見ると、出だしはそうでもなかったが、現時点で支持率の下降傾向はなく、むしろ上昇している。

まず政権人事をみてみる。最重要ポストである幹事長に論功労賞として当初甘利議員を充てたが、なんと直後の選挙で落選して自滅した。選挙自体は自民党圧勝だったのだが、さすがに陣頭指揮を執る幹事長自らが落選では格好が付かず、辞任。その後、実務派で派閥や安倍元総理のコントロールが効きにくい茂木議員を幹事長ポストに充てている。加えて、茂木議員が動いた後の外務大臣ポストに同じ山口県を地盤とし、安倍元総理とは選挙区内で相当な競合関係にある林議員(参議院からの鞍替え出馬)を充てている。また、安倍元総理におんぶにだっこで担がれて総裁選で高得票を得た高市議員も、閣僚には入れずに総務会長というポストにつけたことも手堅い。この人事を見ると、かなり用心はしているが、要所で脱安倍色(3A支配からの脱却)が出ており、岸田総理としても、かなりフリーハンドを得た形になっている。まあ年齢といい政治経歴といい安倍元総理も岸田総理もほぼ同じなので、別に遠慮することはないのだ。自らの意志で自由にデッサンすることが良いに決まっている。

他の閣僚はベテランでガチガチに固めてある。安倍内閣時代は安倍と個人的に近い人脈・思想で固めていたので何かと失言ばかりしている閣僚が多かったが、今のところ閣僚の滑り出しは手堅い。失言もスキャンダルもほとんどない。官房長官も手堅いし、鈴木善幸の息子の財務大臣も手堅い。反射神経だけが取り柄の、前の経済再生担当大臣のようなハリボテも見当たらない。特に安倍・管政権時代の失言王である麻生太郎議員を名誉職に追いやった効果は絶大だ。これだと野党も攻めにくいだろう。

政策的なところを見ると、まだ政権発足直後で国会論戦がほとんどない状態なので評価が難しいが、管理費が莫大にかかっていたアベノマスクの処分を発表、森友問題で自殺した官僚の妻が民事で訴訟していた裁判で争わずに敗訴を受け入れrるなど、安倍政権時代の負の遺産を精算しつつある。国民レベルでは、無症状者でも無料でPCRを受けることができる体制作りを表明。さらに、最近はコロナに感染したあるいは濃厚接触者となった受験生も安心して受験できるように文科省へ指示するなど、安倍・管政権と比べるとアドバルーン的な愚策ではなく、地に足着いた善政重視で様変わりした様子が感じられる。岸田議員は一貫してハト派路線を歩んできたので、聞く耳持たずで権力を振りかざし、官僚を好き放題にコントロールしたりマスコミをあげつらったりは絶対にしないだろう。「人の話を聞くことだけが唯一の特技」というだけあって、どこに政治的な判断のニーズがあるのかよくわかっているようだ。

ということで、慶の岸田政権への評価はかなり高いと言える。ただ現在は新型コロナウイルスの流行が落ち着いており、外交的にも突発的なイベントは無いので、そもそも静かと言えば静かだ。少なくとも中国は北京オリンピックが終わるまではおとなしいだろうし、アメリカもバイデン政権が早くもレームダック化していて、トランプのように日本にあれこれ要求してくる余力もない。朝鮮半島は向こうの大統領選挙が終わるまで放置だ。景気は原油価格、その他材料価格や輸入品停滞や運送料上昇でこの先も急上昇傾向が続くことは必至で、よちよち歩きを始めた消費回復に急ブレーキがかかる恐れもある。公明党に押し切られた10万円配布では、岸田カラーを出せずに調整能力が弱いところが露呈した。アメリカが人権問題で外交的ボイコットを表面しているが、日本は判断を先延ばしでうやむやにしようとしている。もちろん、アメリカのご機嫌ばかり取っている必要はないのだが、判断を先延ばしにしても結果は変わらない。日本だって、尖閣を盗み取ろういとされているのに、笑顔で政府要人をゾロゾロと中国に派遣することなどできる訳ないのだから。正に決めきれない男の本領発揮という瞬間でもあった。これから、難問が次々に押し寄せて来た時に、決め切れない男が本当に迅速に適切な判断ができるのか、お手並み拝見というところだろう。

2021年12月14日 (火)

新型コロナウイルスのオミクロン株の見極めについて

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11月下旬にオミクロン株の存在が明らかとなり、その変異の多さと高い感染性から、専門家が警鐘をならしていた。それから、見極めに必要といわれた3週間が経過した。しかし、未だにこのウイルスに関して具体的な評価は定まっていないと言える。
この変異ウイルスに関しては、3点の重要な着目点があると言える。現状の情報を整理してみた。

1)感染性の高さ
これについては、既にヨーロッパを中心に市中感染が広がり、最強と言われたデルタ株を駆逐する勢いである。間違いなく感染性は飛躍的に高くなっている。この点において、このウイルスの脅威度は高い。

2)重症化率
このウイルスがアフリカ南部で発生したこと、情報量の多い南アフリカの医師から、症状が異なる、重症化率が高くないという情報が発信されている。しかし、そもそも南アフリカは若い世代の多いお国柄で、かつデルタ株流行の前に一度大流行しており、現在オミクロン株に感染している人たちも、2回目の感染だったり、あるいはワクチンを打った後に感染している人たちが多いと判断される。従って、そもそも前提条件がデルタ株流行前とは違うので、現時点で弱毒化しているという判断は難しいだろう。これから先進国においてワクチンの効果が切れて、高齢者が感染するようになって初めて、弱毒化しているかどうかが判明することになる。現時点ではペンディングだ。なのに、弱毒化して、通常の風邪と同じリスクになったという情報が拡散していることは憂慮される。

3)ワクチンと治療薬の効果
今回のオミクロン株は感染に関係するスパイクタンパク質に多数の変異があるため、ワクチンの効果は著しく低下していると思われる。2回接種程度では感染を抑制する効果が期待できない。断片的な情報であるが、感染抑制効果が1/40になっているという報告もある。またトランプ大統領が投薬を受けて話題となった抗体カクテル治療であるが、この変異株にはあまり効果がないと推定されている。一方で、これから承認される予定の経口治療薬であるが、こちらはウイルスの増殖のために必要となる材料(核酸)を標的としたものが予定されていて、変異株にも十分有効だと考えられており、経口治療薬はこのまま実用化されれば、確実に強力な「矛」になると思われる。

オミクロン株のリスクは、「感染性×重症化率」で評価すべきである。もし重症化率が1/2だったとしても、感染性が2倍になっていれば、リスクは同じだ。既に感染性は従来株よりも高いことは間違いないので、重症化率が2,3割の低下程度ではリスクが下がったとは言えない。こういう状況で、現時点でオミクロン株への対応が確定していない。もし現時点でオミクロン株のスパイクタンパク質の配列情報に基づいたワクチンが供給されるのであれば、それを3回目のブースター接種した方が良いだろう。しかし、開発・供給に3ヶ月以上かかるそうなので、それは見込めない。そうすると、現状の配列情報が古いワクチンをブースター接種して、リスクを下げることができるかどうかである。今のワクチンはオミクロン株への効果は高くないが、ブースター接種すると、現状の効果が10倍ぐらいになると言われている。オミクロン株による感染低減効果は1/40だが、ブースター接種で10倍になるので、1/4の低減効果まで抑制することが可能という計算になる。1/40が1/4になるのなら、打たないより打ったが良いという結論になる。現状の効果が1/4になる程度なら、日本人の徹底マスク習慣でなんとかなるレベルだ。

従って、日本政府は10万円の給付などで騒ぐのではなく、今すぐ高齢者などに3回目のブースター接種を加速させることである。

 

 

 

スマホの縦画面中心はつらいが、地上波も反省が必要

Tiktok

インターネットメディアがすさまじい勢いで既存メディアを食い散らかしていて、もはやネットは天文学的な素人の投稿動画から、プロくずれのYoutuberまであふれかえっている。そうすると、既存メディア、特にテレビなどはネットで話題になった動画などを切り取って放送して自らの視聴率獲得に利用しようとしているのだが、ここで決定的な互換性欠落を露呈する。TikTokなどの動画サイトを地上波で放送すると、画面の縦横比が全く異なり、画面の左右にぽっかりと空白ができてしまうのだ。これは修正不能であり、真っ黒や真っ白の画面だと寂しいので、背景を入れるなど工夫して放送されている。

そう、スマートフォンは縦画面なのだ。ホームページなどもスマホ専用サイトがあれば良いのだが、通常のPCサイトに行くと、一気に小さくなって、縦横スライドさせて苦労しながらクリックせねばならない。なぜスマートホンだけ縦画面なのかと言えば、それは人間の手が片手では縦長のものしか持てないからだ。また、写真にしても動画にしても、基本的な被写体は人間中心なので、その場合は縦で撮影した方が全体がきれいに入る。結果、縦画面の横行となる。
既存メディアの16:9の画面で慣れていた人にとっては、縦長は馴染み辛い。しかも、スマートフォンを片手で操作・視聴するという基本原則がある以上、横向きで撮影・編集されることも少ない。既存メディアを縦長にすることは非現実的なので、このままネットと既存メディアの分断はフィックスされるのだろう。
それにしても、横長が良いのかという問題もひとつある。先に述べたように、人は人を中心に興味を示している。そうなると、ワイドショーやバラエティーは、司会者の左右に人間2,3人分のスペースができる。そうすると、メインの司会者の左に女子アナ、右にコメンテーターやゲストの3人構成となってしまう。さらにひな壇となると最低3人、下手すると8人以上が2,3段組で座っていたりする。そう、横長だとやたら画面スペースを大量の人間で埋め尽くす必要があるのだ。この横のスペースを埋めるために、主要な出演者とは別に、吉本芸人、ジャニーズ、AKB、モデル、口先だけの政治家・弁護士崩れが座り込んでいる。これがスマホなら1人で良い。人件費コストが全然違うのだ。そうなると、既存メディアもこれほど多量にタレントをつぎ込んで番組を作成することの無駄をもう少し自覚するようになるだろう。

2021年12月 5日 (日)

オミクロン株をどう評価すべきか

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アフリカ南部で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が出現して、急拡大しているようだ。これまでも、ありとあらゆる変異株が出現して、最初の武漢株は既に姿を消している状況だ。変異株が多すぎて何が何だか良く分からないが、インドで発生したデルタ株の感染性が強くて、現在も世界中でデルタ株の猛威が問題となっている。
今回のオミクロン株については、まだ発見されてそれほど日が経たないのだが、専門家の危機感はかなり強く、マスコミもこれに乗じて不安感を煽っているところがある。オミクロン株が出てきても、我々一般人が対処する感染症対策に変更はないのだから、専門家がなぜ騒ぐか良く考えてから、マスコミ報道を咀嚼することが大事である。
そこでオミクロン株のどこが問題かと言えば、スパイクタンパク質に30カ所を超える変異があり、かつ感染性が高いだろうということだ。まず後者だが、デルタ株が猛威を奮っているところでオミクロン株が急拡大していることは明らかなようで、すでにアフリカから拡散したオミクロン株がヨーロッパを中心に市中感染を引き起こしている。最強のデルタ株を押しやって急拡大しているということは、間違いなく感染性が高まっていると言えよう。場合によっては、空気感染している可能性も高い。今後数ヶ月を経て、世界中で猛威を奮っているデルタ株からオミクロン株への置き換わりが進行する可能性が高いと言える。
次にスパイクタンパク質の変異の問題だが、これは非常に頭が痛い。今のワクチンは武漢で発生したウイルスのスパイクタンパク質情報に基づいて設計されている。デルタ株までのスパイクタンパク質の変異は軽微だったので、程度の差はあるものの、ワクチンが効いている。しかし、今回は変異が多すぎて、特に感染防御効果がガクンと低下する可能性もある。この評価はあと数週間しないと分からないので、現時点では推定の推定の域を出ないが、仮にワクチンの効果が著しく低下して、かつスパイクタンパク質を標的にした抗体カクテル療法も無力化されるようなことがあれば、新型コロナに対する楯と矛をだいぶ失うことになる。要するに、振り出しに戻る可能性もあるのだ。そうすると、ワクチンの再設計ということが必要になるかもしれないが、それができあがった時にまたオミクロン株からさらに変異した株が出てきたらどうなるのだろうか。
一方で、南アフリカの医師は、デルタ株までの症例と、オミクロン株の症例が「だいぶ違う」という感触を得ているようだ。いまのところだが、オミクロン株で死亡したという報告は無いのだ。遺伝子配列的にはスパイクタンパク質に変異はあれど、ウイルスの本体部分は変化がないようなので、理論的には毒性はあまり変わらないかもしれないのだが、どうも弱毒化している雰囲気もある。過去の新型インフルエンザなどのパンデミックもそうだが、散々猛威をふるったあとに、急に終息するケースがみられており、これは弱毒株が増えてただの季節性風邪になってしまったと考えられている。もしオミクロン株が弱毒化しているなら、これはある意味で救世主とまでは言わないが、人類とコロナウイルスの闘いが、「手打ち」に向けてフェーズが変わったとみることもできる。
いずれにしてもあと1,2週間の症例追跡結果を待つしか無い。オミクロン株が弱毒化していることを神に祈るばかりである。幸い日本はデルタ株の猛威をやり過ごし、人が増してもリバウンドすることなく、オミクロン株の侵入もまだみられていないので、当初予想された冬の第6波は軽微で済みそうだ。

 

 

 

 

 

2021年11月23日 (火)

日本だけ新型コロナウイルスが終息した状態にある摩訶不思議

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あれだけ猛威を奮っていた新型コロナウイルス。オリンピックが終わる頃から急激に減少しはじめて、11月23日の全国の新規感染者はたったの113人。26の県で感染者ゼロとなっている。第5波の時は、全国で1日あたり2万5千人も感染者が出ていたのだ。それからすると、ほとんど終息したと言っても過言ではない。

9月いっぱいで各種の規制が緩和されて、街中の人流はかなり増えている。そろそろリバウンドするぞと何度も言われてきた。昨年も10月いっぱいはおとなしかったが、11月に入ったぐらいから激増して、年末はすさまじい感染者数であった。しかし、各種のお願いモードの規制がなくなり、人流が戻って2ヶ月近く経過した11月末の現段階で、リバウンドの兆候は全くない。おかげで日本シリーズも通常に近い観客を入れての開催となっている。

これが世界的な傾向なら疑問もわかないが、なぜか日本だけなのである。世界的、特にヨーロッパでは10月に入ってから秋冬の流行モードになっている。お隣の韓国でさえ、過去最高の感染者数を叩きだしている。つまり、日本だけ終息モードなのだ。これは明らかに何かがおかしい。

ロシアで感染者が多い理由はワクチン接種率の低さにあると言われる。しかし、ドイツや韓国のワクチン接種率は日本と同じか高いので、感染者数の違いはワクチン接種率の違いだけでは説明できない。人種や地理的な問題も関係ない。そうなると、ウイルスの性質が変わってしまったというところに単純解を求めないと説明できなくなる。国立遺伝学研究所が提示したウイルスのコピーミスの累積による自滅説というのがネット上に流れている。確かにそれは仮説として魅力があるが、なぜ日本だけそうなっているかの説明にはなっていない。感染者数が多ければ多いほどコピーミスも発生する訳で、なぜ諸外国より感染者数が少ない日本でコピーミスが発生するのか説明がつかないのではないか。何より、実行再生産指数は、1を下回っているものの、だいたい0.8前後で一定数なので、ウイルスが自滅して感染力が劇的に下がったとも判断されない。

また、慶が以前のブログで提示した、「日本では一通りウイルスが蔓延し尽くした」という考え方も、英エディンバラ大学で疫学を研究するマーク・ウールハウス教授が唱えているようだ。ウールハウス教授によれば、「一定の人」の間でウイルスが感染し終えた可能性を指摘している。特にデルタ株は、急速に感染拡大する特性を持つが、感染の収束も早いと、日本の感染者数減少についてコメントしている。つまり、感染リスクの高い行動を取る人たちがほとんど感染したことで免疫を獲得し、ウイルスの連鎖が起きにくくなったというわけだ。局所的に集団免疫が発生したと考えればわかりやすい。都市部の若者で第5波までの感染による局所免疫ができた可能性は高いだろう。ここまでは慶の見立てと同じことを言っている。

インドにおけるデルタ株の大流行でも、急激な拡大と収束が見られている。しかし、インドでは感染によると思われる抗体の保有率が90%以上と日本と比べると異常に高い。日本はそこまで感染していない。インドと日本の現象を同じ目線で比べることはできない。なにより、デルタ株はワクチンによる免疫を持っていてもブレークスルー感染を引き起こす。実際日本でも、第3波で感染した人が第5波でも感染している。一度感染しても、一定時間経過したらまた感染するものなのだ。インドもあと半年したらまた感染者が増え始める可能性が高い。

そうすると、「ワクチン接種率の高さ」に加えて、人流が増えてもなお、日本人だけ感染が起こりにくい行動特性が維持されていると考えないと今の現状は説明できないもちろんウイルスに感染しやすい行動をとる若者が一通り感染してインドのような感染による集団免疫ができた可能性はひとつある。これに加えて、特に他の国で起きているブレークスルー感染が日本ではあまり起きていないことが挙げられる。それは、なんだかんだ言って、マスク着用率や手指の消毒率の高さで説明できるのではないだろうか。すなわち、他の国ではワクチン接種者がマスクを取って通常生活に戻るのに対して、日本人はワクチンを接種完了してもなおマスク着用や手指消毒を愚直に続けている。それも第5波以降は不織布マスクを中心にやっている。お店の入口にはアルコール噴霧器が相変わらず常設されている。ワクチン単独効果だとブレークスルー感染で秋冬の再拡大を止めれないが、ワクチン+全員不織布マスクだとブレークスルー感染さえ防御してウイルスの再拡大を完全阻止する。そう考えたが良い。

しかしこれから早期のワクチン接種者の免疫が徐々に落ちてくる時期に入る。ブレークスルー感染もこのワクチンの感染抑制効果が落ちれば自ずと増えるので、このまま日本だけ終息することはなく、年末ぐらいからジリジリ上昇モードになるのは明らかだろう。高齢者から順番に免疫が切れるので、また病院や高齢者施設でのクラスターが年明けぐらいから出てくるかもしれない。ただ、これも3回目のブースター接種で回避することができるので、仮に第6波が来たとしても、これまでよりもかなり小さい山でかつ死亡者も少ないということで済みそうだ。そうなると、日本だけは、ほぼ出口が見えたと言って良い状態だろう。ゼロコロナ対策をやっていた国は中国と台湾以外ほぼ失敗している。日本は最初からゼロコロナ対策をしていないし、ロックダウンも営業禁止措置もしていない中で、感染者や死亡者を相当に抑制した勝利国になるだろう。

 

 

2021年11月17日 (水)

ミカンはひたすら害虫攻撃を受ける

そろそろ冬も本番に入って来た。温州ミカンが食卓に登る季節になってきたものだ。慶も1本だけ温州ミカンの木を栽培しているが、植えて10年以上経過するが、害虫との闘いばかりで、こんなに手のかかる樹木はないのではないかと呆れている。それでも、毎年10個前後は収穫できているので、手をかけるしかないという感じである。ここで、慶のミカン木を浸食する3大害虫を紹介し、退治の顛末記を記す。
まずはアゲハチョウの幼虫である。
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成虫はトラ模様のきれいな蝶々で、夏にそこらじゅうを舞っている。成虫を見ている分には優雅なのだが、この幼虫は柑橘類の葉っぱが大好物である。小学生の時とかは、幼虫を捕まえてきて、サンショウの葉っぱなどを与えてサナギまで育て、実際に成虫が羽化するところまでたどり着いたことがある。子供の自由研究にはうってつけなのだが、こと、柑橘類を栽培するとなると害虫そのものだ。とにかく食う量が半端でなく、あっという間に葉っぱが鞘だけになってしまう。アゲハチョウはきれいだが、自衛のために、見つけたら弾き飛ばしてアリの餌にするしかない。この幼虫は葉っぱの表にいるので、みつけるのは簡単だし、週単位でパトロールしておけばすぐ見つけることができるので、慣れれば食害の影響はほとんど受けることがない。ただ、放置していると、あっという間にボウズにされてしまう。
次に手強いのはエカキムシである。
エカキムシ
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この虫、ミカンの葉っぱに侵入すると、まるで迷路を描くように葉っぱの表面から栄養分を吸い取りながら食い荒らす。葉っぱ自体を傷つけている訳ではないのだが、汁を吸われた葉っぱは萎縮してほぼ枯死するので大変である。1枚の葉っぱに小さいエカキムシが1匹寄生するだけで葉っぱはダメになる。特に夏芽は確実にこのエカキムシの攻撃を受ける。対策は薬剤噴霧だが、葉っぱの裏側にいるので結構大変である。しかも、薄い膜を張りながらガードしているので、1回ぐらい薬剤を噴霧した程度では死なない。早期発見なら、迷路の先頭に潜んでいる幼虫を爪でひっかいて殺すのが良い。

最後にエカキムシと並んで手強いのはヤノネカイガラムシである。
オスの群体
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メス
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このカイガラムシはとても小さく、しかもエカキムシ同様に葉っぱの裏側に潜んでいるので発見が遅れることが多い。しかも、年に3回も大発生するから、ほぼ1年中攻撃を受けるという感じだ。葉っぱをよくみて、濃い緑色のところが一部黄色く色が退色している時は要注意だ。葉っぱをひっくり返すと、白いオスの幼虫もしくはその抜け殻がびっしり付いて真っ白に粉を吹いていることが分かる。どちらかというと、太陽が直接当たる反対側の葉っぱに寄生が多いようだ。エカキムシは新芽を中心に寄生するが、このヤノネカイガラムシは古い葉っぱでも関係なく寄生する。また、オスを大量生産するメスは介殻に囲まれていて、しかも葉っぱの裏側を中心に潜んでいるので、薬剤が効きにくい。とりあえずの対策は「マシン油」散布である。これはいわゆる機械油のことで、これを水で希釈すると牛乳のように真っ白に懸濁する。これをスプレーで、葉っぱの裏表に満遍なく散布するのだ。これによって、油で体の表面に皮膜ができて窒息死するという。マシン油はベタベタ長期間葉っぱにくっつくので、持続期間が長いし、これに農薬などを散布すると油と合体化して雨で流れ落ちにくくなるので、とても有効である。
それでも、僅かな散布のムラを狙って連中は増殖を試みる。特に秋の増殖時期は収穫前で身にメスが寄生してゴマのようになってしまうこともあるので要注意である。とにかく介殻を持ったメスが卵を産むことは分かっているので、このメスを探す。大体が鞘周辺もしくは葉っぱの縁に柳の葉っぱのような茶色いメスがじっと潜んでいる。これを爪でひっかき落としてアリの餌にするしかないのだ。
このように、ミカンの木はいろいろ苦労が多いので、慶の結論としては、庭木で柑橘類を植えることは絶対におすすめしない。

2021年11月 8日 (月)

とにかくマスクは偉大だった

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新型コロナウイルスこと、SARS-CoV-2による世界的パンデミックがそろそろ終わりかけてきた様相となってきた。デルタ株の拡大でまだ感染者が高止まりの国もあるが、デルタ株の本場であるインドでは97%の人が抗体を持ってしまって、集団免疫ができあがってしまったようだ。日本人はワクチン接種効果なのか、ウイルスが弱毒化して感染しても症状がでなくなったのか良く分からないが感染者が激減して日常に戻りつつある。
ワクチンだ、治療薬だ、いろいろ言われているが、最も大事なことは、「マスクはワクチンと同じ効果」ということだろう。特に今回のパンデミックでは不織布マスクの有効性が着目された。どこかの小学生の自由研究ではないがウレタンも布も穴がスカスカでウイルスをブロックできない。不織布マスク、正式にはサージカルマスクは3層構造になっていて、内側にセットされている「メルトブローン」というフィルターがウイルスやその飛沫をブロックする本体である。
メルトブローンとは、ポリプロピレンを中心に各種熱可塑性ポリマーを積層させた極細繊維不織布のことだ。バインダーなどの添加剤がなく、軽い、柔らかい、多孔質という特性がある。使用済みマスクをハサミでカットしてこのペラペラのフィルターを手でちぎると、切断面が細かいギザギザになっていて、ものすごく細い細かい繊維が積層しているのが良く分かる。このフィルターには必要に応じて親水性や撥水性、帯電性の付与も可能で、各種シートを積層し、それぞれの性能を発揮する複合シートを作ることもできる。帯電性はフィルターに電気的に粒子をくっつけるという意味でも重要な機能で、これは布やウレタンには全く付与することができない性能だ。ということで、人肌に直接接する材質、さらには捕捉するのが最も困難なウイルスもある程度ブロックできるということで、家庭用マスクの材質としては申し分ない。布やウレタンマスクなど、足下にも及ばない。
ただ、不織布も万能ではない。特にフィット感は最も要注意で、隙間対策が重要である。この辺は生理用品と同じで横漏れが危ない。特に頬の所と鼻のところからどうしても横漏れしてしまう。テレビに出ている一般人を見ると、ほっぺのところが、「くの字」に折れて横からダダ漏れの人がいっぱいいる。安物の不織布マスクは立体構造をうまく作れないので、どうしてもこうなる。お医者さんなどは、マスクを装着したあとに、マスクの横に甘みを感じるスプレーを噴霧しながら口から息を吸い込んで、ちゃんとブロックできているかどうか確認している。
マスク1枚で感染症のリスクを劇的に下げて、それはワクチン接種に匹敵するとなれば、やらない理由はない。ワクチンを打ってさっさとマスクを外した欧米の国々は、リバウンドに悩まされている。日本人はワクチン打ってもマスクは外さないので立派なものだ。10月に入って感染者が増える感じが全くしない。ただし、去年も10月までは感染者が低空飛行だったが、11月に入ったら増加モードになり、年末にピークが来た。従って、11月に入ったらジリジリ感染者数が再拡大する可能性は十分にあるので、もうしばらくはマスクで対策ということになりそうだ。

2021年11月 6日 (土)

ネットカフェという摩訶不思議な便利空間

Kaikatsuclube
快活CLUBの公式HPより

10年ほど前に、慶はカプセルホテルについて記事を書いた。
http://izumiyayoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-8d73.html

とにかく安く泊まりたいというニーズから、カプセルホテルは拡大してきて、インバウンド需要も取り込みながら全国津々浦々まで展開している。

その一方で、安いビジネスホテルとカプセルホテルの価格差が非常に狭まってきている。それだけ、既存のビジネスホテルが激しい価格と品質競争にさらされているということの証だろう。そうなると、さらなる価格破壊者が出てくるというものだ。

ネットカフェというと、定宿を持たない貧しい若者の宿泊の場として報道されたりしているが、実際に利用した人がどの程度いるのだろうか。慶もここ何年か、面白半分でネットカフェを利用しているのだが、なかなか興味深いビジネスモデルである。基本は漫画喫茶である。大量の漫画本が置いてあって、図書館のように長時間居座り、ドリンクも定額で飲み放題。アイスや軽食も食べれる。まさに漫画喫茶店である。ここに様々な進化が加わっている。まずインターネットだ。個室で仕切られたブースにパソコンが置いてあり、ここでヘッドフォンをしてネットだけでなく、映画やゲーム、アダルトビデオを楽しめる。椅子も革張りの立派なリクライニングシートで、自宅では考えられない、社長椅子気分が体験できる。加えて、ソフトシートに座椅子が置いているフラットシートというのもあったりして、ここでは寝そべって映画を見れる。

さらに、ビリヤードやカラオケ、ホームシアターなども併設されているところが多く、さしずめちょっとしたアミューズメントパークのような感じになっている。食事も冷凍食品やレトルトを溶かして盛り付けているものの、よりどりみどりでしかも安い。これらのサービスが充実していて、なんと24時間営業である。

あくまで喫茶店の延長線上に位置づけられているので、宿泊所ではない。もちろん、24時間営業で、夜間は長時間いても料金を割り引いているので、宿泊目的の利用者が多いことは事実だ。なにせシャワールームまで併設しているネットカフェが多いのだ。ここで一晩いても、2千円ぐらいで過ごせる。カプセルホテルよりかなり安い。フリードリンクで2千円は激安と言っても過言ではない。しかも、しっかり清掃されていて、とても静かで、何ら不快な思いをすることもない。

慶が若かりし頃は、繁華街以外でもあちこちで24時間営業のお店があり、夜中も結構にぎやかだった。現代はコンビニと自販機以外、夜になるとどこも閉まって真っ暗だ。そうした中、ネットカフェだけはどこも24時間営業をやっている。ある意味で、現代のオアシスなのかもしれない。

 

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