2012年5月16日 (水)

日本の家電業界はテレビの単独事業から全面撤退せよ

昨日ソニーとパナソニックが、次世代テレビである有機EL事業で提携を模索しているとのニュースが入ってきた。あのビデオのVHSとベータ規格で熾烈な戦争をやってきた両社が提携とは驚きだ。それでも積年のライバルがテレビ事業で後塵を拝している韓国メーカーを追い越すために提携するというのは、これまでの保守的な日本企業の体質を考えると拍手に値する。しかし、これはまだ世間や取引先や株主の様子を探る先行報道に過ぎない。うまく行くとは限らない。
だいたい、両社は経営手法が全然違う。例えば、先進的な発想や技術で業界で立ち位置を確立してきたソニーとシャープが手を組むなら話しはすんなり行くだろう。しかし、パナソニックは大いに違う。営業の松下と言われるぐらい、技術ではなく、営業力とブランド力で物量戦をしかける戦法で、両者は企業体質が根本的に違う。これは非常に危うい提携話しである。儲ければ良いが、事業が赤字になればすぐにコンビ解消となる。いや、確実に赤字になる要素で溢れている。
慶はこのブログでも意見を言ったが、もはや日本メーカーがこの分野で生き残るのは無理と考えている。なぜなら、各メーカーが赤字決算の記者会見の時に繰り返したように、テレビは「日用品化」しており、これは有機ELに移行しても同じだ。画像がブラウン管だろうが液晶だろうがプラズマだろうが、価格が重要なのである。国内で生産を続ける限り、コスト圧で常に利益が出てこない。だから、有機EL事業に深入りするのは止めた方が良い。じゃあこの分野から全面撤退すべきかと言えばそんなことはない。超薄型でどこにでも画像を映し出すことのできる有機EL技術は大変魅力的である。ただし、設置型のテレビやタブレット端末などの汎用性があって画面重視の分野はどうしても価格競争に陥るレッドオーシャンなので、韓国、中国、台湾メーカにでがんばって貰えば良い。熾烈な競争で共倒れで死ねば良いのである。日本メーカーは単独事業しか頭にないので、ここでの消耗戦は避けるべきだ。
慶が提案するのは家電以外での画像技術の導入だ。とにかくありとあらゆる日用品に画像の表示機能を持たせる。もちろん、部品を供給するだけではあまりメリットがないが、必ずそのディスプレイの横にはメーカー名が入る。未開拓の色んな日用品、色んなメーカーに取り入れられているのに、常にメーカー名が入っているというのがミソだ。これは自転車のギアボックスで有名なシマノを考えるとわかりやすい。どんな自転車でも、シマノのギアボックスがついていると安心なのである。そんな感じで、国内メーカーの有機ELディスプレイ付の商品がそこらじゅうに溢れていることが売りとなる。同時に、その日用品と画像とソフトが気持ち悪いぐらいに連動していて、まさにセットで買わないと便利さを感じないようにする。日本のメーカーの連携力は世界ダントツだ。こういう時こそ、業界の垣根を越えて連携し、世界に打って出た方が良い。
まずは冷蔵庫だ。扉を閉めているのに、ディスプレイがあって、在庫管理ができる。冷蔵庫に入れる時にCCDで画像が瞬時に取り込まれ、種類ごとに自動分別されて画面に記録されて行く。だから冷蔵庫を空けずに、何がどの程度入っているかタッチパネルで確認できる。もちろんいつ頃買ってきて冷蔵庫に入れたかも分かるから、消費期限も判断できる。冷蔵庫のドアを開け閉めしなければ、電気代は安く済むはずだ。自動車のフロントガラスに画像を表示すれば、ナビも何も要らない。後ろも横もCCD経由で画面に写せば、サイドミラーもバックミラーも要らなくなる。さらに凄いのは「電子窓」だ。もちろん壁に大型有機ELを掲げただけだが、外の映像が映る。隣の家しか見えない壁に窓が誕生する。しかも、家の周りの映像がスライドショーのように変わる。同じ風景で飽きるということがない。夜は赤外線映像で防犯、外の映像が要らない時にはテレビにもカレンダーにも高級絵画にも変わる。変幻自在の窓である。
家電メーカーはこうしたものをばら売りしない。必ずセット販売を基本として品薄感を演出して価格競争には与しない。日本中、世界中のメーカーとタイアップし、こうした技術をどんどんと広めて行く。その際、ディスプレイの横には常にメーカー名が小さくしかし神々しく輝いている

2012年5月15日 (火)

五月晴れはいいですよね

今年のGW後半は低気圧の通過による大荒れの天気や、最後は巨大竜巻で死亡者が出るなど、ちょっと良い天気ではなかった。被害を受けた方々には心からお見舞い申し上げます。
ところでこの5月は1年で最も気候が良い時である。暑くも寒くもなく、適度に乾燥し、「五月晴れ」と呼ばれるほど晴れ間が続く。日本が一時的にカルフォニアと同じ気候になるのである。新緑がまぶしく、ツツジや菖蒲の花も色鮮やかである。またいろんな生き物が姿を現しはじめる。できれば2~3ヶ月ぐらい続いて欲しいところなのだが、6月に入るとすぐにジメジメとした梅雨になる。たった1ヶ月ちょっとだが、例年楽しみにしている月でもある。
残念ながら五月晴れでゆっくりできるのはGWまでだ。5月の中旬から下旬は国民の休日が全くなく、旅行などをやっている余裕はあまりない。土日でスポーツや日帰り旅行などをするのがせいぜいである。せっかく気候が良いのに、休みがとれないとは残念である。慶は専らドライブで五月晴れを楽しむタイプだ。窓を開けて走れば新緑がまぶしく、また風も適度に涼しい。弁当持参で行けば、海、山、川、どこで食べても快適そのものである。帰りに温泉でも入ればこれまた最高である。
世間ではこの連休明けで天気が良い5月中旬から下旬は修学旅行のシーズンである。観光地に行くと、修学旅行生がたむろしているが、昔みたいにバス5台も6台も従えているのはあまり見ない。少子化で学生が少ないからだ。何となく寂しいものである。
先ほどカルフォニアみたいと書いたが、アメリカの西海岸は常春の国である。一年中晴れていて、風も弱く、寒暖の差が小さく、適度に乾燥し、ハリケーン、大雨、雪もない。だから世界中の人々がここを「地上の天国」とばかりに目指して住み着く理由はよく分かる。なにせカルフォニア州は同性同士の結婚も認められるぐらいだから、開放的になる理由も気候から説明ができる。日本は5月と10月だけがカルフォニアで、残りの季節は悲惨である。梅雨のジメジメと集中豪雨、夏の猛暑、台風、冬のシベリア寒気団攻撃。できることなら、来世ではカルフォニアに生まれてみたいものだ。

2012年5月14日 (月)

拝金主義の占い師バトルに乗ってはいけない

しばらく前に占い師に洗脳されたうえに自宅に居座られたオセロ中島さんの話題でワイドショーが盛り上がっていたようだが、「芸能人のウサ話に食いつくほど皆さん暇なんですか?」という感じで無視であった。そのうち事務所が中島さんを奪還して占い師と引き離すことに成功したということで、これでやっと騒ぎも収まるかなと思っていた。
しかし、この話題が収まる雰囲気はない。まず問題の占い師がさっそくテレビに出演して、まるで何事もなかったように、しつこく食い下がるレポーターをやんわり交わしている。それはある程度予想できたことであるが、さらに凄いのは過去にこの占い師にだまされたと言って、辺見マリや千主ひかるなる占い師がテレビの前に出てきて、この占い師との過去の関係について、ベラベラ証言して盛り上がっている。このバトルは一体何なんだ。占い師にだまされたという情けない過去の裏話を、全国民が見ているテレビの前で何かが乗りうつったように興奮して喋りまくっている。良くアホな芸能人が旦那や奥さんの悪口をベラベラ喋っていて情けなくなるが、これはそれ以上にマヌケだ。常識がある人なら聞いていて「この人にしてあの占い師」と思うことだろう。とにかく常識がないのだ。ギャラは出るのだろうが、「世間の前でこんな話をして恥ずかしい!」という意識は微塵もないのだろうか。
この両名は自ら「被害者」を演じ、テレビの前で繰り返し「騙された」「洗脳された」と主張している。もしそうなら、多額のお金も絡んでいる話しなので、場合によっては詐欺か横領か恫喝などの犯罪性が疑われる。従って、テレビで被害を訴える余裕があるなら、今すぐ警察に行って被害届けを出したらどうですか。オセロ中島さんの時もそうだが、当人から被害届けが出ないから警察沙汰にしようがない。いや、出そうにも犯罪性が低く出せないのかもしれない。単純に人付き合いがうまくいっていないだけの話しで、そういう民事の最たるものに警察は入り込みようがない。ならば「騙された」「金をむしられた」と犯罪性をほのめかす主張を公共の電波でやってはいけない。視聴者が混乱するではないか。
それにしても千主ひかる。一方的に占い師を罵倒しているが、そういう自分も占い師ではないのですか?ハッキリ言うが、公の場で同業者のネガティブキャンペーンをやるのは商道徳上の禁じ手である。競争相手のラーメン屋の行列の前に行って、「ここのラーメンまずいし腹壊すよ、うちにおいで」と客の横取りをしているようなものだ。あるいは、保険外交員が、「今あなたが加入している保険会社はじきに潰れるから、すぐうちに乗り換えましょう」と営業するのにも近い。どうやらこの期に乗じて、過去の失敗談を踏み台にして、一気にテレビ出演や本の出版で稼いでいこうという、露骨な売名行為と見なされるのである。顔にそう字が書いてある。テレビの前でボォーとこのバトルを見ておもしろがっている皆さん、変な拝金主義者同士の仁義なき騙し合いや泥試合、民放の視聴率何でもありの飛び道具作戦につきあうと、本当にあなたも洗脳されますよ。民度を上げるためには、とにかくシカト、チャンネルを変えるのが一番です。

2012年5月12日 (土)

居酒屋は便利-さらなる工夫に向けて

居酒屋がいかにサラリーマンや学生の心を掴んでいるかは今更説明するまでもない。さて、これから居酒屋は一体どこまで進化するのだろうか。
居酒屋は夕方から深夜まで営業していると思ったら大間違いだ。ビジネス街では昼間のランチタイムも営業しているところがある。500~600円の定食メニューがあるのだ。メニューは唐揚げ、焼き魚、ミックスフライ、豚のショウガ焼きとか普通であるが、ご飯、味噌汁、漬物、生卵、のり、ふりかけなどが食べ放題というのがスタンダードになっている。牛丼の安さにはかなわないが、ご飯や卵が食べ放題というのは凄い。絶対に満腹になれる。元々立地条件に恵まれているから、昼も居酒屋利用となると、そのうち朝食ビジネスにも着手しかねない感じがしてきた。そうなるとほとんど24時間営業に近くなる。高いテナント料を取り返すのであれば、できるだけ長く営業することは客にとっても店にとってもwin winの関係になる。昼食提供ができるのだから、朝食提供はまさに「朝飯前」だろう。焼き魚、納豆、豆腐を基本として、昼と同様にご飯、味噌汁、生卵、漬物食べ放題で400円ぐらいで提供してもらうと助かる。是非とも朝食分野にもトライしてほしい。
慶は珍しく居酒屋を褒めちぎっているが、2点ほど不満がある。1つめは座席スペース。とにかく狭い。荷物が全く置けない。掘りごたつの団体が座るようなところだと、後ろを通ってトイレに行くのもしんどいぐらいだ。価格が安い店で狭いのは仕方ないが、他の店よりもゆったりスペースで、その分価格を高めに設定した店も出店して欲しい。今の居酒屋は座席スペースは同じで価格競争をしているが、料理は同じでスペースで勝負するというものあって良いと思う。特に宴会コースで売り込む店なら、もっとスペースを重要視して欲しい。また座席の上の空間に荷物棚をうまく工夫することで、少しでもスペースを確保すべきである。2つめは客同士のコミュニケーションがない。狭いスペースでうまく区切って貰って密室性を高めるもの良いのだが、ハプニング性がない。全然知らない客と盛り上がったりするのも宴会の醍醐味だ。慶も隣の客が乱入して、大いに盛り上がるなどというハプニングで楽しい思いをしたことが多数ある。日本人は飲むとアカの他人でもナアナアである。だから一体感が出て、孤独感が飛んでいくのである。居酒屋に一人で行くのは気が引けるが、一人で行って出会いを求めるのが基本の居酒屋があっても良い。高速道路のサービスエリアの軽食コーナーみたいに、注文はカウンターに行って行う。そして学生食堂みたいな自由席があって、適当なところに行って座る。すなわち、席の移動ご自由というものだ。まあ一人ではちょっと気が引けるが、数人で行って、結局合コン大会へ発展、などというのも面白いではないか。一次会でこれがないから女の子のいる店に駆け込むという人も多いが、金と時間がかかる。その中間があっても面白い。どうせ来ている客は出会いを求めてきている連中ばかりだから、敷居は高くない筈だ。カラオケボックスが一次会化するよりも、まだこの方が精神衛生上健康的な気がする。

2012年5月10日 (木)

そんなに豪腕なら一度総理をやってみては

民主党の小沢議員が陸山会事件で無罪判決となり、晴れて党員資格停止処分が解除された。既に迷走中の現政権の倒閣に向けて活発な動きを見せている。まだ告発した弁護団は控訴してやり続けるみたいだが、「疑わしきは被告人の利益に」を実践すべき弁護士がこれでは、もう嫌がらせ以外の何物でもない。ただでさえ本業ほったらかしでタレントのようにテレビに出まくっている弁護士が多い中で、こういう政治的な意図を持った、あるいは政敵からの資金援助を受けていると疑われる弁護士が居るとなると、日本でこの職業は、いつまで経っても「山師」的な位置づけから抜けれないだろう。人のトラブルに首を突っ込んできて仲裁金をむしっていくのはヤクザと同じである。この弁護士の職業倫理についてはいずれこのブログでも論議したい。
それはさておき、小沢議員は皆さんご存じのように田中角栄の子飼いから頭角を現している。政治家は票がとれないとダメで、それを実現するには金と権力で選挙区に利益誘導するのがすべてだというのを信じて疑わない古典的な議員と見なされている。そうなると必ず金銭スキャンダルが頭をもたげ、これに賛同しない反動勢力から常に刺されるリスクを抱えている。彼が信奉していた田中角栄も金丸信もすべて金銭スキャンダルで検察に追い詰められて有罪となり、晩年は政治家としての生命を絶たれた。小沢議員が告発された段階で、ほとんどの政治家や国民も、これで同じ路を歩むのだろうなと思っていたところだ。
しかし小沢議員はしぶとかった。過去に金銭スキャンダルで消えていった政治家とは異なり、粘り勝ちで起訴を断念させたり、検察審査会で無罪を勝ち得た。先輩方の失敗から色々と学習し、周到な対策を打った成果である。こうしてみると、お決まりのパターンとならずにあの検察から逃げ切ったという初めての事例であり、かなり画期的な出来事であったように思える。それだけしたたかに検察の捜査手法を読み切り、その後の裁判を乗り切った訳である。「豪腕」「壊し屋」と揶揄されてきたが、「したたかさ」も今回見せつけた感じだ。これは囲碁で鍛えた成果なのだろうか。
年齢的に政治家として寿命に近くなってきているので、これからは一気呵成に倒閣運動をやって、再び政権の中枢に戻ることを考えているのではなかろうか。これを由とするかどうかは歴史が決めることであるが、現在国内の国会議員でこれだけ実力があってしぶとい人材はそう居ない。財務官僚に好きなように転がされている無能な政治家が多いなど、まともな人材が居ないのなら、悪人イメージがあって拒否反応を示す国民も多いとは思うが、「やれるもんならやってみろ!」と小沢議員に日本の国家運営を任せてみるもの悪くはない。博打みたいな話しだが、それだけ国民はリーダーシップに飢えているのである。前の阿久根市長、大阪市長、名古屋市長のような思いやりが無くて金勘定のできない独裁者は国政の現場では要らない。リーダーシップと独裁者は似て非なるものである。
ただし小沢議員が政権の中枢に戻った場合は、自分の息のかかった人間を操るのではなく、自らがトップに出て、責任はすべて自分が被る。かつての自民党のように、予算のバラマキで借金を積み上げるような無責任なことをやられては困るので、そこまで見据えてやってみろとと言えば良い。それで結果が出せなければ、結局予算バラマキで天下国家を考える能力のない田舎議員だったと歴史が判定する。

2012年5月 7日 (月)

沖縄の地理的位置が不幸の始まり

慶は日本国内で一番好きなところは南西諸島だ。中でも原始の自然が残る奄美大島、エスニックな雰囲気たっぷりの沖縄本島は何度訪れても飽きない。しかし、テレビで南西諸島の話題が出るときは、ほとんどが沖縄本島にある米軍基地の扱いに関するものばかり。確かに沖縄本島はどこに行っても米軍基地ばかりで、週末になれば米軍関係者の姿をあちこちで見かける。しかし、何故米軍が戦後これほど長く、しつこく沖縄本島に居座っているのかについて、日本国民だけでなく、沖縄本島の人たちもあまり深く考えていないのではなかろうか。
沖縄の歴史は縄文時代までさかのぼることができるが、政治軍事的にここの重要性が認識され始めたのは琉球王朝時代からだろう。中国と日本の貿易を考えた時に、南西諸島伝いの中継貿易は魅力的であった。従って、琉球王国は中国とも、日本本土もとも友好関係を保って、全方位外交を行っていた。軍事的には弱体で、江戸末期には薩摩にあっという間に侵略されてしまったぐらいである。
ペリー提督も沖縄の重要性をしきりに強調していたが、その後はご存じの通りで、太平洋戦争から後はもっぱら米軍に完全に接収されてしまい、日本に返還されるまではアメリカ統治であった。沖縄の侵略続きの歴史を考えるためには、地図を見るのが一番良い。特に、富山県が作成した、日本海を中心に、南北を逆さまにした東アジアの地図が一番良い。あれを見ると、ロシア、朝鮮半島、中国という東アジアの各国の海側に、弧状に蓋をするように日本列島が存在する。南西諸島、九州、本州、北海道から国後・択捉島まで、ほとんど切れ目無く蓋をしている。太平洋の先には大海しかないから、別に日本列島に蓋をされても実害はほとんどないのだが、ここに米軍が駐留し、これらの旧社会主義国に睨みを利かせるとなると話しは別だ。
沖縄に米軍が駐留しているのは、アメリカの都合である。太平洋の北西側に位置する軍事大国であるロシアや中国、独裁社会主義国である北朝鮮を押さえ込むためには、まずは制空権を確保する必要がある。中国だけ見れば台湾を支援しておけば十分だが、台湾と中国のルーツは同じ漢人なので、いつ台湾と中国が政治的に融和してアメリカとの友好関係を反故にするとも限らない。そういった意味で、中国の目と鼻の先にあり、元々アメリカの領土で、日本政府を押さえつけてアメリカの裁量でどうにもできる沖縄は絶対に手放したくない軍事基地なのである。だいたいアメリカ本土でさえ米軍基地は迷惑施設なのだから、国外においては貴重なテリトリーである。しかも、なんだかんだ言って沖縄の人々はよそ者である米軍に対して友好的だ。米軍関係者だって実戦は少なく、普段の厳しい訓練をこなして、家族と楽しい週末を過ごすのが唯一の楽しみだ。適度に都会で、一年中適度に暖かくて生活しやすい沖縄は、駐留した米軍関係者の印象も極めて良いのだろう。フロリダに居て実戦に備えているようなものだ。
沖縄に限らないが、米軍が日本に駐留しているのはアメリカの都合だ。表向きはイザという時には米軍が日本を守ると日米安保条約でうたっているし、日本に米軍が存在することで、非核地帯で軍事小国の日本が安心して経済活動に邁進できるのも事実だ。ただ、あくまでアメリカの都合であり、本当に最後まで守ってくれるという保障はない。特にこれからアメリカが軍事費を削るから、日本防衛に対してかなり突き放して出てくることが予想される。だいたい今中国が一方的に主張して問題となっている尖閣諸島の領有権については、全くアメリカの姿が見えない。だから中国もズンズン漬け込んでくるのである。しょせん、日本領土を守るのに、アメリカ頼りはアテにならないのである。ここは日本人も良く自覚しておいた方が良い。
沖縄の負担を少なくしつつ、米軍の持つ防衛力を効率化するには、あくまでアメリカとの相談ではあるが、自衛隊と米軍の施設の共有化で 対応するしかないのではないのか。沖縄の米軍基地が原則日本の自衛隊基地で、そこに米軍が間借りしているという建前なら、沖縄県民の感情は和らぐ。米軍は何が何でも直轄したいだろうが、せっかく地の利が良いのに追い出されてしまっては意味が無い。ここはまさに外交でやりくりすべき点であるが、今の与党にはそうした外交力は皆無なので、沖縄の人にとってはフラストレーションが溜まるばかりであろう。

2012年5月 5日 (土)

鯉のぼり

地方都市ではこどもの日を前にあちこちで「鯉のぼり」がたなびいている。特に川縁にこれをなびかせている風景は、何度見ても雄大さと優雅をそそる美しい日本の風景である。中国の故事で滝登りに成功した鯉が最後は龍になったということで、可愛い我が子に出世をして欲しいという武家の願いが込められた習わしだ。それが徐々に庶民の方にも普及したとのこと。元々の故事に従えば、川縁になびかせるのが基本かもしれない。今では自宅の庭先に設置するので、就学前の男児が居ますと宣言しているようなものだ。

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故事の例えは美しいが、実際の鯉は出世魚とはちょっと言いがたい。だいたいド汚い池、沼、どぶ川に平気で生息していて、口に入るモノは何でも食って生きていて、雑食性の極みである。そもそも滝登りをできるほど俊敏でもない。顔つきもそうだが、しぶとく鈍くさいイメージしかない。人間社会でもこの鈍くさくでしぶとく性格の人は相当な競争社会でも生き延びるので、子供にこのイメージを重ねてもあながち間違いではないかもしれない。
魚好きの慶は当然鯉料理も何度か食べたことがあるが、ほとんどグロッキーだ。とにかくドブ臭い。鯉こく、洗いでの刺身、あんかけなど、臭いを防ぐ工夫はいろいろされているが、元々が臭すぎるから海の魚のようには行かない。身は油っぽくて食感は悪くないのだが、臭いがどうにもならない。これを食用魚とするのは厳しい。同じ淡水魚なら、ヤマメやニジマスの方が遙かに美味である。
食べるのは厳しいが、観賞用の錦鯉は実に美しい。慶も良く知らなかったが、観賞用の錦鯉は本場の中国ではなく、日本人が開発したものだ。それも新潟県の山古志村の人々の並々ならぬ力作であるという。品種を増やすうえで、ドイツ人の協力もあったようだ。普段でも雪深く、かつて地震で大きな被害を受けた場所でもある。錦鯉のような美しくて丈夫な観賞魚を作り上げたことに対して、多くの日本人は山古志村に敬意をあまり払っていないのではないだろうか。「盆栽」と「錦鯉」は日本が世界に誇れる技術である。

2012年5月 3日 (木)

トマトジュースのブームはすぐに終わるかな

京都大学の研究グループが2月10日に、「脂肪肝や高中性脂肪血症などの脂質代謝異常の改善に有効な新規成分「13-oxo-ODA」をトマトから見出し、マウスを用いた実験で顕著な改善効果を得られた」と発表した。トマトに脂肪酸燃焼作用があるということで、マスコミが大きく報道した。テレビでこの手の話題が出ると、昔ヤラセで盛り上がっていた「発掘!あるある大辞典」と同じように、店頭からその商品が売り切れる予感がした。幸い生のトマト自体は大丈夫だったようだが、トマトジュースは案の定お店から消えた(写真はドラックストアコスモスの陳列棚)。
Tomato_juce
4月後半になってようやく落ち着いてきた感じだが、そもそも皆さんトマトに過剰に期待するのは早い。京都大学の発表を細部まできちんと聞き漏らしてはいけない。あくまで脂肪燃焼作用があると言っているだけで、実際に燃焼させるためには運動して使用しなければならない。使われなければまた元の脂肪に戻ってくる。すなわち痩せるとは一言も言っていない。トマトを食べる→痩せるという方程式は科学的に必ずしも成立しないのである。痩せるためには総カロリーを減らすか、余分なカロリーを運動で消費しないと痩せる方向には行かない。逆にそれがきちんとできておれば、別にトマトを過剰に摂取しなくてもちゃんと痩せる。
慶はここ4年ぐらいトマトジュースを毎朝と毎晩コップ1杯ずつ飲んでいる。しかし、健康診断の結果を見る限り、どうも脂肪肝になりかけだし、肥満は徐々に進んでいる。総カロリーのオーバー、運動不足で制御できていないだけである。従って、トマトを食べても決して痩せないというのを人体実験で証明している。だからこうしたニュースのおかげでトマトジュースの入手が難しくなること自体に腹が立ってしょうがない。
慶がトマトジュースを飲み続ける理由は、単純に野菜不足解消のためである。青汁みたいに高くて飲みにくいものは最初から論外である。トマトジュースは野菜とは思えないほど実においしい。ジュースと言いながら糖分は少ないし、またお腹が膨れるので、満腹感を誘導しやすい。冷蔵庫で日持ちもする。何より快便だ。外人が毎朝トマトジュースを飲むのは、肉食偏重への免罪符という意味がありそうだ。食物繊維もカリウムも多いから、間違いなく野菜を摂取しているのと同じことである。特にトマトはカリウムが多いから、塩分を取りすぎ易い日本人にとっては、1日コップ1杯は飲んでおいた方が良いジュースだと思う。
痩せないけど、野菜不足の方はトマトジュースお勧めですよsign03

2012年5月 2日 (水)

もうお父さんシリーズはいいよ

春になって進学時期になると携帯の新規購入や乗り換え狙いでCMがどんどん打たれる。それはそれで季節の行事で構わないのだが、ソフトバンクのお父さんシリーズはどうなんだろうか。ネタ切れを起こしているのに、それを根本的に変えるアイデアもないから、延々とシリーズとして続く。最近はトリンドル玲奈さんが留学生役で出まくっているが、上戸彩のギャラが上がってあまり長時間拘束できないので、その分の穴埋めに使われているような気がしてならない。
前にも述べたが、子供と動物とグルメは必ずテレビで数字が取れる。そのセオリー通りにやるとなれば、犬で飽きられるとネコまで使い、さらにしんどくなると子役が絡んでくる恐れが高い。そして最後はグルメ攻撃。しかしそうなると、もはや携帯電話会社のCMとは言えず、自滅である。そこで行き詰まったところで原点に返り、また新しい企画としてやり直すなら良いが、何かこの感じだと犬の種類をチワワとか小型犬に変えて同じネタを繰り返す可能性もないとは言えない。
ソフトバンクはこういう創意工夫に乏しいCMを打つ余裕があるなら、もっと電波状態が良くなるように基地局の改善に取り組んでサービスの質を向上させるなど、基本的なインフラ整備に投資すべきである。ソフトバンクの利用者にとって一番不満なのは、通話中にすぐに切れる、あるいはちょっと市街地を離れると繋がらない電波状態の悪さである。ソフトバンクは本業が携帯電話なのに、iPhoneのCMは適当、普通の携帯電話はこのお父さんシリーズでお茶を濁すなど、中心となるCMがえらくいい加減だ。あれだけの大企業で優秀な人材を多数集めておきながら、何かちょっと物足りない。日本を代表するIT企業なのに、「そんなもんか」という感じである。
それにしてもCMがシリーズ化するのはここ10年ぐらいの傾向だ。視聴者を飽きさせない工夫と言われているが、慶に言わせれば、制作者側の怠慢であると思う。どうせ企画会議を何度開いても新しい、クリエイティブな提案は出てこないから、とりあえず既存モノを改変して製作に取りかかる。その方が頭を使わずに楽である。既存モノの改変なら、やる気のない社員でもそれなりにアイデアが出てくる。しかしシリーズモノは徐々に飽きられる速度が高まるので、中身をどんどん変えて行かねばならず、結局はトータルで見ると普通にCMを新しく製作して行く方が企業としてのイメージはフレッシュである。
ハリウッド映画もほぼ同じ傾向に走っている。日米共にネタ切れ、人材不足ということか。

2012年4月30日 (月)

大河ドラマ低視聴率

NHKの大河ドラマ「平清盛」が低視聴率に喘いでいるらしい。慶は歴史が大好きなのだが、歴史物のドラマや映画は基本的に嫌いだ。理由は単純で、史実に全然即していないというか、ほとんど原型をとどめていないから。本当に歴史上の人物描写が正確であるかどうか、きちんとした裏付け証拠に基づいてキャストや演出を構築すれば良いのだろうが、ドラマである性質上、製作された時代で一番人気のある俳優に合わせて役柄が設定されるから、かなり史実とは乖離した演出になってしまう。
この平清盛の前で高視聴率を獲得した坂本龍馬が代表例で、あんな軟派で迫力の無い龍馬の言うことを信じて大仕事をする人など居なかっただろう。一介の土佐脱藩浪士がいくら裏でチョロチョロと動き回った所で、薩長の幹部が耳を傾ける筈が無い。龍馬にそれができたということは、回りの人を説得させるだけの独特の空気を持っていたに違いない。勝海舟も「犯しがたい雰囲気を持っていた」と、龍馬の独特のキャラを認めていたし、実際に龍馬が暗殺されたと伝え聞いた時には、幕臣だろうが外国の要人だろうが、屁とも感じていない勝が、ひたすら号泣したという。いずれにしても、龍馬のキャラを演技で再現できる俳優はまだ出てきていない。そういった意味で、視聴率とドラマの出来映えとは必ずしもリンクしないので、NHKも低視聴率で無理に悩む必要はない。
とは言いながら、慶もこの低視聴率「平清盛」を拝見させていただいたが、やはり素人が見ても低視聴率の原因はそこかしこに転がっている。極言すると、大河ドラマの悪いところがすべて出尽くしていて、見たくなる要素がほとんど無いという感じだ。ざっと並べても、
○登場人物が多すぎて訳が分からない
○主役が松山ケンイチではなく、むしろ義父役の中井貴一になっている(演技力が全然違う)
○室内の会話シーンがやたらと多く、会話の中身もストーリーにほとんど乗ってこない
○ストーリー設定が複雑で、その割にサプライズな展開がほとんどなく、何が主張されているのか分からない
○重厚すぎる画面にこだわり続けた結果、闇でのシーンが多くえらく陰気くさい
○霧を意識して粉を撒きすぎで、画面がやたらとほこりっぽい。
という感じで、視聴率が取れない理由はいくらでもある。どっかの知事の苦言は言わずもがなという感じだ。
お正月の特別番組で、ドラマの制作者側がいかにこの作品に力を入れているかという、メイキングものの番宣をやっていた。その番宣では制作者側の意気込みは良く伝わったのだが、実際の出来映えと比較すると、これを見ている我々視聴者との落差にはガッカリさせられる。このブログでも繰り返してきたが、日本の企業や官公庁で人材の質の劣化が著しいという現象が、NHKでも顕在化しているのだと思った(職員の不祥事数もダントツだし...)。
また主人公の平清盛自体の評価であるが、もう一人の武士の頭領で歴史上に名を刻んだ源頼朝に比較すると、まだ定まっていない部分が多い。すなわち、一般の国民にとって平清盛は、「何をした人なのか良く分からない」というのが実情だ。番組側は鎌倉幕府を開いた源氏よりも、平氏の方が地生えの豪族から朝廷に急接近して大成長を遂げた、最初の武士のはしりであるということを強調したいようだが、一般の人はあまり良く分かっていない。そういった意味で、取り扱った人物がまずかったのかもしれない。特に平氏の勢力外であった東日本の人たちにとって、平氏は単なる「よそ者」であり、根本的に興味がない。
ちなみに平氏は日宋貿易に没頭し、かつ莫大な利益を得た氏族で、海運に対してたいそう執着があった。世界でも類例をみない優雅な海上神殿である厳島神社をを800年以上前に作り上げたのも平氏である。今では厳島神社は世界遺産だし、京都や奈良の神社仏閣、日光東照宮を差し置いて、外国人がダントツで感動する日本の文化遺産である。大河ドラマの主人公としては申し分ないのに、NHK職員の戦略ミスのためにこれを活かしきれなかったのは残念至極である。

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